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Interstage Information Storage  導入ガイド
Interstage

2.3.2 資源管理のディスク設計

資源管理を配置するディスクの設計について説明します。

2.3.2.1 資源管理の資源

資源管理を構成する資源には以下があります。

表2.16 資源管理の資源一覧

資源名

資源名

概要

備考

リカバリ用資源

アーカイブログファイル

障害が発生した時のリカバリに備えて、資源管理の更新履歴を保存する資源です

システム資源

RDBディクショナリ

資源管理が動作するために必要な情報を管理する資源です

RDBディレクトリ

ファイルシステム上にだけ配置可能

ログ管理ファイル

テンポラリログファイルとアーカイブログファイルを管理するファイルです

テンポラリログファイル

処理が異常終了した場合や資源管理を強制終了した場合に備えて、資源管理の更新履歴を保存する資源です

ユーザーデータ資源

管理領域

ユーザーが格納したファイルの情報を管理する資源です

各資源の設計について、以下に示します。

アーカイブログファイル

障害に備えて、資源管理は更新情報をアーカイブログに保存しています。

一日一回バックアップを取得する場合、アーカイブログ用に以下の領域を準備しておくことを推奨します。

アーカイブログ作成用:[Interstage Information Storageのアーカイブログ量]以上のスライス×3面
アーカイブログの退避先:[Interstage Information Storageのアーカイブログ量]×2

アーカイブ作成用の領域は以下の3面を準備します。

注意

アーカイブログファイルが満杯になると、資源管理が自動的に切替えを行いますが、すべてのアーカイブログファイルが満杯になると、空きができるまで運用が停止してしまいます。運用が停止した場合は、アーカイブログのバックアップを行うことで運用が再開されます。

アーカイブログの切替えとバックアップの詳細については、“運用ガイド”の“資源管理のバックアップ”を参照してください。

退避先の領域については、問題が発生し、テープなどへのバックアップが実施できない場合を考慮し、アーカイブログの2倍の領域を準備します。

必要となるアーカイブログ量については、以下のとおり見積もりを行ってください。

<アーカイブログの見積もり量>
[Interstage Information Storageのアーカイブログ量]=[ロードコマンド(dlofentry)分のアーカイブログ量] +
                                                    [削除コマンド(dccdelete)分のアーカイブログ量] +
                                                    [資源管理状態変更コマンド(dccres)のアーカイブログ量]

[アーカイブログ量の基礎値]:463MB/10000件

[ロードコマンド(dlofentry)分のアーカイブログ量]:463MB×[更新件数(注)/10000]×1.5

[削除コマンド(dccdelete)分のアーカイブログ量]・[資源管理状態変更コマンド(dccres)のアーカイブログ量]:
463MB×[対象件数/10000]

注)バックアップを取得してから、次にバックアップを取得するまでの更新件数を見積もり値として採用してください。

ロードコマンドの更新件数が3万件、ファイルの削除件数、資源管理状態の変更件数がそれぞれ1万件の場合、見積もりは以下のとおりとなります。MBはメガバイトです。

[ロードコマンド(dlofentry)分のアーカイブログ量]:463MB×[30000/10000]×1.5=2083.5MB

[削除コマンド(dccdelete)分のアーカイブログ量]:463MB×[10000/10000]=463MB

[資源管理状態変更コマンド(dccres)のアーカイブログ量]:463MB×[10000/10000]=463MB

[Interstage Information Storageのアーカイブログ量]=[ロードコマンド(dlofentry)分のアーカイブログ量] + [削除コマンド(dccdelete)分のアーカイブログ量] + [資源管理状態変更コマンド(dccres)のアーカイブログ量]

=2083.5MB+463MB+463MB

=3009.5MB

参照

dlofentryコマンド,dccdeleteコマンド,dccresコマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。


RDBディクショナリRDBディレクトリ

RDBディクショナリはローデバイス上、またはファイルシステム上に作成できます。

RDBディレクトリはRDB構成パラメタファイルの以下のパラメタで指定したディレクトリにファイルを作成します。

ポイント

RDBDIRSPACE1、RDBDIRSPACE2については、資源管理の資源をローデバイス上に配置する場合でも、ファイルシステム上の絶対パスを指定してください。

参照

RDBDIRSPACE1、RDBDIRSPACE2の詳細については、“B.7 RDB構成パラメタファイルのパラメタ”を参照してください。


ログ管理ファイル

ログ管理ファイルはRDB構成パラメタファイルの以下のパラメタで指定した場所に配置されます。

参照

RDBLOGMANAGEの詳細については、“B.7 RDB構成パラメタファイルのパラメタ”を参照してください。


テンポラリログファイル

資源管理は管理レコードの更新を行うときにテンポラリログを使用します。

テンポラリログについては、以下の項目について見積もりを行う必要があります。

テンポラリログを配置するスライスは将来の拡張を考慮し、余裕を持った容量を用意してください。

ただしテンポラリログの見積もり量は最大16GB未満になるように見積もりを行ってください。

表2.17 テンポラリログ設定項目一覧

項目名

意味

見積もり量

AIログ

処理が異常終了した場合や資源管理を強制終了した場合に備えて、資源管理の更新履歴を保存する資源です。資源管理の更新前(BI)と更新後(AI)の2つの履歴を保存します。

BIログのサイズと20メガバイト(MB)のどちらか大きいほうの値

BIログ

[資源管理状態変更コマンド(dccres)の1トランザクションの最大ログ量 (注1)]×[資源管理状態変更コマンド(dccres)の実行多重度]

または

[ロードコマンド(dlofentry)の実行多重度×50KB]

のどちらかサイズの大きい値

トランザクションエントリ

資源管理を同時に更新する処理の数です。

[ロードコマンド(dlofentry)の実行多重度]+[資源管理状態変更コマンド(dccres)の実行多重度]+[ファイル削除コマンド(dccdelete)の実行多重度] (注2)

注1)資源管理状態変更コマンドの1トランザクションの最大ログ量の見積もり式は上記の“アーカイブログファイル”での[資源管理状態変更コマンド(dccres)のアーカイブログ量]のサイズ見積もり式と同じです。

注2)合計値を50単位で切り上げてください。


毎日(月曜~金曜)10000件のファイルを削除し、週末に削除済みレコードの削除(50000件)をコマンド多重度1で行う場合の見積もり例を以下に示します。

削除済みレコードの削除実行時に1トランザクションのログ量が最大になるため、以下の見積もり量となります。

[BIログの見積もり量]

=463MB×[50000/10000]=2315MB

ポイント

AIログとBIログについてはログサイズの定量制限が16ギガバイト未満であるため、見積もり量が16ギガバイトを超える場合は、(16ギガバイト -32キロバイト)として設定を行ってください。

参照

dlofentryコマンド,dccdeleteコマンド,dccresコマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。


管理領域

Interstage Information Storageが利用する資源管理の管理領域については以下のとおり見積もりを行ってください。この見積もりを元に、システムの構成に応じて領域を確保してください。

表2.18 資源管理の管理領域の設定項目一覧

領域名

領域の容量の概算

STDBSP001

1024メガバイト (固定)

STDBSP002

同上

STDBSP003

[1カテゴリに必要な領域]=96メガバイト×[格納予定蓄積データファイル件数]/10000

上記の値を作成予定の各カテゴリについて計算を行い、合計してください。

STDBSP004

[1カテゴリに必要な領域]=156メガバイト×[格納予定蓄積データファイル件数]/10000

上記の値を作成予定の各カテゴリについて計算を行い、合計してください。

ポイント

運用時、STDBSP003、STDBSP004の容量が不足した場合、上記見積もり式を元に追加する領域の容量を見積もってください。領域はSTDBSP005以降を割り当ててください。


2.3.2.2 資源管理のディスク配置

資源管理では、カテゴリの定義情報や蓄積データファイルの情報など、Interstage Information Storageを運用する上で必要な情報を管理しています。そのため、危険分散および負荷分散の観点から、資源管理の資源を複数の物理ディスクに分散して配置することを推奨します。

また、資源管理の資源については、ファイルシステム上、またはローデバイス上に配置することが可能です。

資源管理の各資源について、推奨する物理ディスク配置を以下の表に示します。以下を参考にして、資源管理のディスク配置を設計してください。

表2.19 資源管理のディスク配置

対象

物理ディスク1

物理ディスク2

物理ディスク3

システム資源

RDBディクショナリ、RDBディレクトリファイル、ログ管理ファイル、テンポラリログファイル

資源管理の管理領域

アーカイブログファイル

バックアップする資源

資源管理の管理領域

RDBディクショナリ、RDBディレクトリファイル、ログ管理ファイル、テンポラリログファイル

注意

  • 資源管理は、共用ディスク(DSSファイルシステム)に配置しないでください。

  • 資源管理に割り当てたディスク資源は、他の製品で使用しないでください。

  • RDBディレクトリファイルについては、他の資源と異なり、ファイルシステム上だけ配置可能なため、ローデバイス上に資源管理を配置する場合は、RDBディレクトリをファイルシステム上に配置してください。バックアップについても同様にファイルシステム上に配置する必要があります。

ポイント

資源のバックアップ先については、別の物理ディスクに配置することも可能です。