ボリュームグループの構成がボリュームグループ単位の運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することでレプリケーション運用できます。
物理ディスク単位で運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があるため、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで同期をとって操作する必要があります。
ポイント
同期を取る必要のある物理ボリュームは、Webコンソールおよび「8.3.9 stgxfwcmdispdev(デバイス情報表示コマンド)」で確認できます。
注意
クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成するすべてのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)dsk/c#t#d#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。
図6.53 物理ディスク単位に運用する構成の例
複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するには、複製先ボリュームが、複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります
図6.54 複製元ボリュームと複製先ボリューム
レプリケーションの後処理として、ボリュームグループ構成情報ファイルのリストアを行う必要があります。ボリュームグループ構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。通常は、以下のファイルに退避されています。
/etc/lvmconf/<ボリュームグループ名>.conf |
複製元ボリューム/複製先ボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。
[例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20 swsrpsetvol completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21 swsrpsetvol completed # |
ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。
必要な前後処理は、レプリケーションの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際は、前後処理が動作しないようにします。
[スナップショット型レプリケーションの例]
(複写元/複写先に対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20 FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21 FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpmake completed # (複写元/複写先に対する後処理を行う) |
[同期型レプリケーションの例]
(複写先に対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20 FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpstartsync completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21 FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpstartsync completed (等価性維持状態後) (複写元に対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20 FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21 FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpmake completed # (複写元/複写先に対する後処理を行う) |
レプリケーションの前後で実施する前後処理は、以下のとおりです。
種別 | 前処理 | 後処理 |
---|---|---|
複写元 |
| ファイルシステムが含まれる場合、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。 |
複写先 |
|
|
ボリュームグループの再構成
ボリュームグループを再構成する手順は、以下のとおりです。
ボリュームグループの停止
# /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02 # |
ボリュームグループ構成情報のリストア
# /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20 # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21 # |
ボリュームグループの起動
[クラスタ運用している場合] # /usr/sbin/vgchange -c y /dev/vg02 # /usr/sbin/vgchange -a e /dev/vg02 [クラスタ運用していない場合] # /usr/sbin/vgchange -a y /dev/vg02 # |
共有モードのボリュームグループを再構成する手順は、以下のとおりです。
ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02 # |
ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20 # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21 # |
共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -S y -c y /dev/vg02 # |
ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a s /dev/vg02 # |