ここではサーバへのftpdおよびrexecサービスの導入と起動方法について説明します。
注意
サーバのOSがSolaris、Linux(x86)またはLinux(Itanium)で、かつ、サーバのNetCOBOLの製品バージョンがV10以前の場合はftpd/rexecサービスを使用します。これ以外の場合はNetCOBOLリモート開発サービスを使用してください。
Solarisサーバの場合、ftpdおよびrexecサービスは、デフォルトではオペレーティングシステムの導入時にインストールされ、常に起動するようになっています。
注意
Solaris10の場合は、rexecサービスはオペレーティングシステムの導入時に起動するようになっていません。次の操作が必要になります。
ステータスの確認
次のコマンドを実行してステータスを確認してください。
# svcs -a | grep rexec disabled 18:28:10 svc:/network/rexec:default
実行結果の出力の先頭が"disabled"である場合は、rexecサービスを起動してください。
rexecサービスの起動
次のコマンドを実行してrexecサービスを起動してください。
# svcadm enable svc:/network/rexec:default
Solarisサーバの場合、システム設定の変更は設定ファイルの内容を直接確認し、必要であればそれを修正することが一般的ですので、その方法について説明します。
サービスの状態の確認
Solarisサーバではftpdおよびrexecは、inetd(インターネットデーモン)から呼び出されるサービスです。したがって、次のファイルの内容を確認します。
/etc/services
/etc/inetd.conf
"/etc/services"および"/etc/inetd.conf"内のftpdおよびrexecに関する記述が存在し、それが有効であれば、以降の作業は必要ありません。次にその例を示します。
/etc/servicesの例
# # Network services, Internet style # … ftp 21/tcp … ## UNIX specific services ## these are NOT officially assigned #
/etc/inetd.confの例
… # FTPD - FTP server daemon ftp stream tcp6 nowait root /usr/sbin/in.ftpd in.ftpd -a … # REXECD - rexec daemon (BSD protocols) exec stream tcp nowait root /usr/sbin/in.rexecd in.rexecd exec stream tcp6 nowait root /usr/sbin/in.rexecd in.rexecd …
ftpdまたはrexecの設定行がコメント化(行頭に"#")されている場合は、以降の作業を行ってください。
サービスの設定の変更
"/etc/services"および"/etc/inetd.conf"を修正します。
サービスの起動
ftpdおよびrexecは、inetd配下で起動されるサービスであるため、inetdを再起動します。
次のコマンドを実行してください。
# kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid` または # ps -ea | grep inetdinetdのプロセスIDが表示される。 # kill -HUP inetdのプロセスID
Linuxサーバの場合、ftpdおよびrexecサービスは、オペレーティングシステムの導入時にインストールされていない場合もあるため、これらのパッケージが導入済みかどうかを確認します。
なお、Linuxでは、この種のシステム設定のためにGUIを持つツールが用意されている場合がありますが、GUIツールはバージョンおよび個々のシステムの設定による違いが大きいため、コマンドによる操作方法について説明します。
パッケージの確認
パッケージがインストール済みか確認するには次の形式でrpmコマンドを実行します。
# rpm -query パッケージ名
ftpdおよびrexecに必要なパッケージ名は次のとおりです。
ftpd : vsftpd
rexec : rshおよびrsh-server
次に示すようにインストールされているパッケージの情報が表示されている場合、パッケージはインストール済みです。サービスの状態の確認に進んでください。
# rpm -query vsftpd vsftpd-2.0.1-5 # rpm -query rsh rsh-0.17-17 # rpm -query rsh-server rsh-server0.17-17
パッケージの情報が表示されない場合、パッケージのインストールを行う必要があります。
注意
Linuxシステムで使用されるftpdのパッケージには、バージョンやディストリビューションの違いによりいくつか種類があります。次のようなものが使われている場合もあります。
wu-ftpd
proftpd
パッケージの導入
次のrpmコマンドを使用してパッケージを導入します。
rpm -Uvh パッケージ名
サービスの状態の確認
/sbin/chkconfigコマンドを次の形式で使用して、システム起動時のサービス開始の設定を確認します。
/sbin/chkconfig --list サービス名
例えば、次のような結果が得られる場合、ftpd(vsftpd)とrexecはシステム起動時に開始されない設定になっています。
# /sbin/chkconfig --list vsftpd vsftpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off # /sbin/chkconfig -list rexec rexec off
サービスの設定の変更
/sbin/chkconfigコマンドを次の形式で使用して、システム起動時にサービスが開始されるように設定を確認します。
/sbin/chkconfig [--level レベル] サービス名 on
以下、システム開始時にサービスが開始されるように設定を変更し、その変更を確認する例について示します。
# /sbin/chkconfig --level 5 vsftpd on # /sbin/chkconfig --list vsftpd vsftpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:on 6:off # /sbin/chkconfig rexec on # /sbin/chkconfig --list rexec rexec on
サービスの起動
/sbin/serviceコマンドを次の形式で使用して、サービスを開始します。
なお、rexecの場合は、xinetd配下で起動するサービスであるため、xinetdを再起動する必要があります。
# sbin/service vsftpd start vsftpd 用の vsftpd を起動中: [ OK ] # /sbin/service xinetd stop xinetd を停止中: [ OK ] # /sbin/service xinetd start xinetd を起動中: [ OK ]