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Interstage Job Workload Server V9.3.0 セットアップガイド
Interstage

2.3.4 資源の見積もり

以下の資源について、見積もりを行います。

2.3.4.1 バッチジョブ定義格納ディレクトリのディスク容量見積もり

バッチジョブ定義格納ディレクトリのディスク容量の見積もりについて説明します。
見積もりは、以下の手順で行います。

  1. バッチジョブ定義格納ディレクトリの設計項目からの値の算出

  2. システム規模の決定

  3. システム規模に合わせた定数の算出

  4. ジョブ定義の登録に必要な容量を計算

  5. プロシジャ定義の登録に必要な容量を計算

  6. インラインファイルの登録に必要な容量を計算

  7. 総ディスク容量を計算

各手順について以下に説明します。

バッチジョブ定義格納ディレクトリの設計項目からの値の算出

以下の(1)~(6)の値を算出します。

項目

(1):ジョブ定義登録数
(2):プロシジャ定義登録数
(3):ジョブ定義内の最大ステップ数
(4):プロシジャ定義内の最大ステップ数
(5):ジョブ定義内の資源定義の最大数
(6):プロシジャ定義内の資源定義の最大数

2.3.1.3 バッチジョブ定義データベースの設計”で決定した値です。

システム規模の決定

以下の表からバッチジョブ定義の内容を基準に、大規模/中規模/小規模のどれにあてはまるかを決定します。

バッチジョブ定義の項目

大規模

中規模

小規模

ジョブ定義

環境変数の設定数

256

128

26

環境変数値の文字数の平均 (※)

1024

512

100

コメントの文字数の平均 (※)

15000

7500

150

ジョブステップ定義

コメントの文字数の平均 (※)

1024

512

100

バッチアプリケーションのパラメタの数の平均 (※)

256

128

26

バッチアプリケーションのパラメタ値の文字数 の平均(※)

1024

512

100

環境変数の設定数の平均

256

128

26

環境変数値の文字数の平均 (※)

1024

512

100

資源定義

コメントの文字数の平均 (※)

1024

512

100

プロシジャ定義

置換えパラメタの初期値に設定する、置換えパラメタの数の平均

256

128

26

置換えパラメタの初期値に設定する、置換えパラメタ値の文字数の平均 (※)

256

128

26

コメントの文字数の平均 (※)

15000

7500

150

※:日本語を設定する場合は、設定する文字数を3倍にしてください。

システム規模に合わせた定数の算出

以下の(a)~(d)の値をシステム規模に合わせて算出します。

定数

システム規模

大規模の場合の値

中規模の場合の値

小規模の場合の値

(a)

1,027,890

317,370

28,270

(b)

1,592,420

403,040

17,660

(c)

4,940

3,400

2,160

(d)

286,680

94,220

3,000

ジョブ定義の登録に必要な容量を計算

以下の計算式に従って、ジョブ定義の登録に必要な容量を計算します。

計算結果

計算

(7):ジョブ定義域総容量

( { (a) + [ (b) × (3) ] + [ (c) × (5) ] } × 1.43 + 100 ) × (1)

プロシジャ定義の登録に必要な容量を計算

以下の計算式に従って、プロシジャ定義の登録に必要な容量を計算します。

計算結果

計算式

(8):プロシジャ定義域総容量

( { (d) + [ (b) × (4) ] + [ (c) × (6) ] } × 1.43 + 100 ) × (2)

インラインファイルの登録に必要な容量を計算

以下の計算式に従って、インラインファイルの登録に必要な容量を計算します。

計算結果

計算式

(9):インラインファイルの登録に必要な容量

インラインファイル1のサイズ + インラインファイル2のサイズ + ・・・ + インラインファイルnのサイズ

総ディスク容量を計算

以下の計算式に従って、総ディスク容量を計算します。

計算結果

計算式

(10):総ディスク容量

(7) + (8) + (9)

上記の(10)の値が、バッチジョブ定義格納ディレクトリに必要な容量となります。


2.3.4.2 ジョブスプールのディスク容量見積もり

ジョブスプールのディスク容量の見積もりについて説明します。
計算結果の小数点以下はすべて切り上げます。

ジョブスプールのディスク容量KB 42000KB ( n × ( 10KB p × 1.6KB ) j × e i × 1.5

n

ジョブスプールの投入可能ジョブ数

p

1つのジョブの置換えパラメタ数の平均
(プロシジャを呼出している場合はプロシジャ内の置換えパラメタ数を含む)

j

バッチジョブ定義のデータ量

e

システム全体のジョブの多重度

i

システム全体のインラインファイルのデータ量

ジョブスプールの投入可能ジョブ数

ジョブスプールの設計で、設計した“ジョブプールの投可能ジョブ数”です。

1つのジョブの置換えパラメタ数の平均

1つのジョブが使用する置換えパラメタの数の平均です。
プロシジャを呼出している場合には、プロシジャ内の置換えパラメタの数も含みます。

バッチジョブ定義のデータ量

1つのジョブをジョブスプール内で管理するために必要なバッチジョブ定義のデータ量です。
データ量は、バッチジョブ定義のジョブステップ数や資源定義の数などによって変わります。

見積もり式を以下に示します。

419KB + STEP × 515KB + RESOURCE × 7KB

上記計算式の記号の意味を以下に示します。

記号

意味

STEP

1つのジョブ全体のステップ数の平均
(プロシジャを呼出している場合はプロシジャ内のステップ数を含む)

RESOURCE

1つのジョブ全体の資源定義数の平均
(プロシジャを呼出している場合はプロシジャ内の資源定義数を含む)


バッチジョブ定義の内容は、“2.3.1.3 バッチジョブ定義データベースの設計”で決定した値です。


上記記号の値が以下のようになっていた場合の見積もりを以下に示します。

419KB + 20 × 515KB + 40 × 7KB = 10999KB

結果は、10999KB となります。

システム全体のジョブの多重度

ジョブの実行環境で設計したすべてのジョブキューのジョブの多重度の合計です。

システム全体のインラインファイルのデータ量

ジョブの実行環境で設計したすべてのインラインファイルに定義したデータの合計(単位:KB)です。


2.3.4.3 ジョブログスプールのディスク容量見積もり

ジョブログスプールのディスク容量の見積もり式を以下に示します。
計算結果の小数点以下はすべて切り上げます。

ジョブログスプールのディスク容量KB ( (n × o) + p ) × 1.5

n

ジョブログスプールに格納するジョブ数

o

ジョブログサイズの平均 (KB:キロバイト)

p

システム全体のインラインファイルのデータ量(KB:キロバイト)

ジョブログがジョブログスプールに出力できない場合には、以下のディレクトリ配下にジョブログが格納されます。

したがって、本ディレクトリが作成されるファイルシステムに対しても、同様にディスク容量の見積もりが必要です。ディスク容量の見積もりは、ジョブログスプールのディスク容量と同等か、それ以上のディスク容量が必要です。


ジョブログがジョブログスプールに出力できない場合については、“Interstage Job Workload Server 運用ガイド”の“ジョブログスプールの運用”を参照してください。

ジョブログスプールに格納するジョブ数

ジョブログスプールに格納するジョブ数を見積もります。
格納するジョブ数の最大値は以下の通りです。

ジョブキュー数 × 99,999

ジョブログスプールの運用に合わせて、ジョブログスプールに格納するジョブ数を見積ってください。
たとえば、1日分のジョブを格納しておきたい場合には、1日に実行するジョブ数を目安にしてください。


ジョブログスプールの運用については、“Interstage Job Workload Server 運用ガイド”の“ジョブログスプールの運用”を参照してください。

ジョブログサイズの平均

1つのジョブログのファイルサイズの平均を算出します。
ジョブログサイズは、バッチジョブ定義のジョブステップ数や資源定義の数によって変わります。また、バッチジョブ定義の出力情報の設定によっても変わります。
見積もり式は3つあり、その合計がジョブログサイズの平均となります。
見積もり式を以下に示します。

ジョブログサイズの平均(KB) = [a] + [b] + [c]

見積もり式:[a]

[a] = 4.8KB + ( STEP × 0.3KB ) + APLOUT

見積もり式:[b]
  • 出力情報の「資源の獲得/解放情報」を出力しない設定の場合

    [b] = 0

  • 出力情報の「資源の獲得/解放情報」を出力する設定の場合

    [b] = ( RESOURCE × 4 + NEWDELETE ) × 0.55KB

見積もり式:[c]
  • 出力情報の「バッチジョブ定義の情報」を出力しない設定の場合

    [c] = 0

  • 出力情報の「バッチジョブ定義の情報」に「簡易」を設定の場合

    [c] = ( [α1] + ( STEP_NAME × STEP ) + ( PROCSTEP_NAME × PROCSTEP ) ) / 1024 KB

  • 出力情報の「バッチジョブ定義の情報」に「通常」を設定の場合

    [c] = ( [α1] + (STEP_NAME × STEP ) + ( PROCSTEP_NAME ×PROCSTEP ) + ( [β] × STEP ) + ( [γ1] ×PROC ) + ( [δ] × RESOURCE ) ) / 1024 KB

  • 出力情報の「バッチジョブ定義の情報」に「詳細」を設定の場合

    [c] = ( [α2] + ( ( STEP_NAME + ( [β] × 2 ) ) × STEP ) + ( ( PROCSTEP_NAME + [γ2] + [ε] ) × PROCSTEP ) + ( [δ] ×RESOURCE ) ) / 1024 KB

上記見積もり式に含まれる[α]~[ε]の見積もり式を以下に示します。

[α1] = ( ( JENV_NAME + JENV_VALUE ) × JENV ) + ( STEP_NAME × STEP ) + 414 + JOB_COMMENT

※出力情報の「バッチジョブ定義の情報」に「詳細」を設定の場合は、α1は見積もり不要です。

[α2] = ( ( JENV_NAME + JENV_VALUE ) × JENV + ( STEP_NAME × STEP ) + 414 + JOB_COMMENT + ( PROCSTEP_NAME × PROCSTEP ) + ( PROCSTEP_NAME + PSTEP_NAME ) × PSTEP

※出力情報の「バッチジョブ定義の情報」に「簡易」「通常」を設定の場合は、α2は見積もり不要です。

[β] = STEP_NAME + 600 + APL_NAME + ( APLPARAM_VAL × APLPARAM ) + ( ( SENV_NAME + SENV_VALUE ) × SENV ) + STEP_COMMENT

[γ1] = PROCSTEP_NAME + PROC_NAME + ( ( CPARAM_NAME + CPARAM_VAL ) × CPARAM ) + 600 + STEP_COMMENT

※出力情報の「バッチジョブ定義の情報」に「簡易」「詳細」を設定の場合は、γ1は見積もり不要です。

[γ2] = [γ1] + [ε] + [β(*1)]

※出力情報の「バッチジョブ定義の情報」に「簡易」「通常」を設定の場合は、γ2は見積もり不要です。

*1)プロシジャ内のステップについて計算してください。

[δ] = RESOURCE + ( DIR_NAME × 2 ) + FILE_NAME + FSTEP_NAME + 180 + RSC_COMMENT

[ε] = PROC_NAME + ( CPARAM_NAME + CPARAM_VAL ) × CPARAM + PROC_COMMNET

上記計算式の記号の意味を以下に示します。

記号

意味

STEP

1つのジョブ全体のステップ数の平均

STEP_NAME

1つのジョブ全体のステップ名の文字数の平均

PROCSTEP

1つのジョブ全体のプロシジャ呼び出しステップ数の平均

PROCSTEP_NAME

1つのジョブ全体のプロシジャ呼び出しステップ名の文字数の平均

PROC_NAME

1つのジョブ全体のプロシジャ名の文字数の平均

PSTEP

1つのジョブ全体のプロシジャ内のジョブステップの数の平均

PSTEP_NAME

1つのジョブ全体のプロシジャ内のジョブステップ名の文字数の平均

JENV

ジョブ定義に設定されている環境変数の設定数

JENV_NAME

ジョブ定義に設定されている環境変数名の文字数の平均

JENV_VALUE

ジョブ定義に設定されている環境変数値の文字数の平均

SENV

1つのジョブ全体のジョブステップ定義に設定されている環境変数の設定数の平均

SENV_NAME

1つのジョブ全体のジョブステップ定義に設定されている環境変数名の文字数の平均

SENV_VALUE

1つのジョブ全体のジョブステップ定義に設定されている環境変数値の文字数の平均

APL_NAME

1つのジョブ全体のバッチアプリケーション名の文字数の平均

APLPARAM

1つのジョブ全体のバッチアプリケーションのパラメタ数の平均

APLPARAM_VAL

1つのジョブ全体のバッチアプリケーションのパラメタ値の平均

CPARAM

1つのジョブ全体の置換えパラメタ数の平均

CPARAM_NAME

1つのジョブ全体の置換えパラメタ名の平均

CPARAM_VAL

1つのジョブ全体の置換えパラメタ値の平均

DIR_NAME

1つのジョブ全体の資源定義に設定するディレクトリ名の文字数の平均

FILE_NAME

1つのジョブ全体の資源定義に設定するファイル名の文字数の平均

FSTEP_NAME

1つのジョブ全体の資源定義に設定する先行ステップ名の文字数の平均

JOB_COMMENT

ジョブ定義のコメントの文字数

STEP_COMMENT

1つのジョブ全体のジョブステップ定義のコメントの文字数の平均

PROC_COMMNET

1つのジョブ全体のプロシジャ定義のコメントの文字数の平均

RSC_COMMENT

1つのジョブ全体の資源定義のコメントの文字数の平均

APLOUT

1つのジョブ全体のバッチアプリケーションの出力情報(stdout/stderr)のサイズの合計(KB)(最大 2048KB)

RESOURCE

1つのジョブ全体の資源定義数の平均

NEW

1つのジョブ全体の資源定義の内、資源の作成・使用方法に「新規」を指示した資源定義の数の平均
(プロシジャを呼出している場合はプロシジャ内の資源定義数を含む)

DELETE

1つのジョブ全体の資源定義の内、資源の後処理に「削除」を指示した資源定義の数の平均
(プロシジャを呼出している場合はプロシジャ内の資源定義数を含む)


バッチジョブ定義の内容は、“2.3.1.3 バッチジョブ定義データベースの設計”で決定した値です。


上記の見積もり値は、ジョブ内に定義したすべてのジョブステップが実行された場合の見積もり値です。ジョブステップの実行条件定義で迂回条件を指定した場合などは、実際に実行されたジョブステップの情報のみがジョブログに出力されます。


ジョブステップの実行条件定義の迂回条件などについては、“Interstage Job Workload Server バッチ開発ガイド”の“ジョブステップ定義の実行条件定義”を参照してください。


バッチジョブ定義の出力情報と上記記号の値が以下のようになっていた場合の見積もりを示します。

[α1] = ( ( 10 + 15 ) × 5 ) + 10 × 20 + 414 + 50 = 789B

[β] = 10 + 600 + 15 + ( 20 × 3 ) + ( ( 10 + 15 ) × 5 ) + 50 = 860B

[γ1] = 10 + 10 + ( ( 10 + 30 ) × 3 ) + 600 + 50 = 790B

[δ] = 40 + ( 50 × 2 ) + 10 + 10 + 180 + 50 = 390B

[a] = 4.8KB + 20 × 0.3KB + 10 = 20.8KB

[b] = ( 40 × 4 + 20 + 20 ) × 0.55KB = 110KB

[c] = ( ( 789 + 10 × 20 ) + ( 10 × 1 ) + ( 860 × 20 ) + ( 790 ×1 ) + ( 390 × 40 ) ) / 1024 = 34KB

ジョブログサイズの平均 = [a] + [b] + [c] = 164.8

結果は、165KB となります。

システム全体のインラインファイルのデータ量

ジョブログスプールに格納するインラインファイルのデータの合計値(単位:KB)を算出します。

ジョブの実行環境で設計したすべてのインラインファイルに定義したデータ数の合計値になります。


2.3.4.4 ジョブログファイルのディスク容量見積もり

ジョブの実行結果であるジョブログファイルを運用者ごとに保管したい場合などには、運用者ごとにジョブログファイルを任意のディレクトリに格納することができます。
ただし、ルートディレクトリのファイルシステムには、格納しないでください。

ジョブログファイルを運用者ごとに保管したい場合には、対象ディレクトリに格納するジョブログファイルの数を明確にして、必要なディスク容量があることを確認してください。

1つのジョブログファイルを格納するために必要なディスク容量は“ジョブログサイズの平均”と同じです。


2.3.4.5 ファイルの世代管理機能を使用する場合に必要なディスク容量見積もり

2.3.2.5 世代ファイルの設計”で設計した情報より、世代ファイルを管理するために必要なディスク容量を見積もります。
必要なディスク容量の見積もり式を以下に示します。

世代管理ファイルのディスク容量(KB) = ( 0.6 × n ) + 0.3 × ( j1 + j2 + ・・・+jn )

  j

世代ファイルごとの管理対象世代数

  n

世代ファイルの総数


以下のような条件の場合の見積もりを示します。

結果は、19.5KB となります。


2.3.4.6 バッチ実行サービス環境のディスク容量

2.3.2 ジョブの実行環境全体の設計”で設計した情報から必要なディスク容量を見積もります。


バッチ実行サービス環境のディスク容量は、以下に示す固定のディレクトリに必要な容量です。

見積もり式を以下に示します。

バッチ実行サービス環境のディスク容量(MB) =
     (78,850+(6,146 × INIT)+(8,614.75+(518.75 × STEP)+(RSC × 7KB)) × PROC) / 1,024

INIT: イニシエータの定義数(バッチワークユニットの数)
PROC: バッチシステム内で同時実行するジョブの多重度の総和
STEP: ジョブステップ数の平均
RSC: 1つのジョブ内の資源定義数の平均


2.3.4.7 実行履歴ログのディスク容量

実行履歴ログに必要なディスク容量を見積もります。


実行履歴ログのディスク容量は、以下に示す固定のディレクトリに必要な容量です。

見積もり式を以下に示します。

実行履歴ログのディスク容量(MB) = ((JOB×1.2) + 30)×7 / 1,024

JOB: 1日に実行する平均ジョブ数