ジョブステップ定義は、バッチアプリケーション単位に定義します。ジョブステップ定義の構造を以下に示します。
ジョブステップ定義の基本情報
ジョブステップ全体に関する情報を設定します。
ジョブステップ定義の実行条件定義
先行ジョブステップの実行結果に応じて、ジョブステップを実行する条件を指定する場合に設定します。
バッチアプリケーション定義
実行するバッチアプリケーションに関する情報を設定します。
資源定義
ジョブステップで使用するファイル資源を設定します。
カスケードジョブステップ定義
マルチジョブコントローラのカスケードモードを使用するための情報を設定します。
ジョブステップの基本情報として以下を設定します。
ジョブステップ名
ジョブステップを識別する名前です。
ジョブステップ名は、同一ジョブ定義内で一意の値を設定します。
“ジョブ定義名+ジョブステップ名(プロシジャ呼出しステップ名を含む)”の長さが、“255-(インストールディレクトリ名の長さ+ホスト名の長さ+60)”以下になるように設定してください。
コメント
ジョブステップ定義に関するコメントを記述します。
コメントをステップ情報として、ジョブログに出力できます。
ステップ情報については、“Interstage Job Workload Server 運用ガイド”の“ステップ情報の出力形式”を参照してください。
ジョブステップの実行条件定義として以下を設定します。
ジョブステップの実行条件
先行ジョブステップの終了状態によって、ジョブステップを実行するか設定します。実行条件として以下の設定ができます。
先行ジョブステップがすべて正常終了した場合のみ実行する。
先行ジョブステップが1つでも異常終了した場合のみ実行する。
先行ジョブステップの終了状態にかかわらず実行する。
先行ジョブステップが、キャンセル処理による中断、またはジョブの実行経過時間制限値を超過した場合は、ジョブステップを実行しません。
バッチジョブ定義の先頭ジョブステップでは、先行ジョブステップが存在しないため、実行条件を設定できません。
ジョブステップの迂回条件
先行ジョブステップの終了状態によってジョブステップを迂回するか設定します。
迂回条件は、先行ジョブステップの終了コードに対する複数個の条件を設定できます。
個々の迂回条件は、OR条件として評価します。
先行ジョブステップが異常終了した場合は、ジョブステップの迂回条件は、無効になり当該ジョブステップが実行されます。
バッチジョブ定義の先頭ジョブステップでは、先行ジョブステップが存在しないため、迂回条件を設定しても無効となります。
先行ジョブステップにカスケードジョブステップを含めることはできません。
カスケードジョブステップに迂回条件定義は指定できません。
ジョブステップの迂回条件に指定できる先行ジョブステップ名
先行ジョブステップ名には、以下が指定できます。
先行ジョブステップ名
先行プロシジャ内のジョブステップ名
“全終了コード”(すべての先行ジョブステップ名を指定したことに相当します。)
“直前終了コード”(直前に実行されたジョブステップ名を指定したことに相当します。)
ジョブステップの実行条件とジョブステップの迂回条件を設定した場合、ジョブステップの実行条件を評価したあとに、ジョブステップの迂回条件が評価されます。
条件の評価の流れを以下に示します。
ジョブステップの迂回条件で先行ジョブステップ名に“全終了コード”を指定した場合、同一ジョブ内で実行されたすべての先行ジョブステップの終了コードを評価し、1つでも条件に一致した場合、ジョブステップは実行されません。
ジョブステップの迂回条件の評価の流れを以下に示します。
また、条件の指定方法によって、以下のような場合でも、1つの条件に一致するため、ジョブステップは実行されません。
ジョブステップの迂回条件の評価の流れを以下に示します。
ジョブステップの迂回条件で先行ジョブステップ名に“直前終了コード”を指定した場合、直前に実行されたジョブステップの終了コードを評価し、条件に一致した場合、ジョブステップは実行されません。
ジョブステップの迂回条件の評価の流れを以下に示します。
先行ジョブステップ名“直前終了コード”は、バッチジョブ定義上の直前のジョブステップではない場合があります。直前に定義されたジョブステップが実行されなかった場合、ジョブステップの迂回条件は、その前のジョブステップの終了コードで評価されます。
ジョブステップの迂回条件の評価の流れを以下に示します。
先行ジョブステップ名が“直前終了コード”の場合、直前に実行されたジョブステップが異常終了した場合、ジョブステップの迂回条件は、無効になりジョブステップが実行されます。
ジョブステップの迂回条件の評価の流れを以下に示します。
実行条件と迂回条件の設定とジョブステップが実行する関係を以下に示します。
先行ジョブステップの終了状態 | 実行条件の設定 | 迂回条件の設定あり | 迂回条件の設定なし | |
---|---|---|---|---|
一致 | 不一致 | |||
すべて正常終了 | 先行ジョブステップがすべて正常終了した場合のみ実行する | × | ○ | ○ |
先行ジョブステップが1つでも異常終了した場合のみ実行する | × | × | × | |
先行ジョブステップの終了状態にかかわらず実行する | × | ○ | ○ | |
1つ以上が異常終了 | 先行ジョブステップがすべて正常終了した場合のみ実行する | × | × | × |
先行ジョブステップが1つでも異常終了した場合のみ実行する | × | ○ | ○ | |
先行ジョブステップの終了状態にかかわらず実行する | × | ○ | ○ |
○:実行する ×:実行しない
バッチアプリケーション定義では以下を設定します。
バッチアプリケーションの種別
ジョブステップから呼び出すアプリケーションの種別を指定します。
COBOLアプリケーション
C言語アプリケーション
ユーティリティ(コマンド/スクリプト)
資源の獲得・回収のみ
サーバアプリケーション名(バッチアプリケーション名)
バッチ実行基盤から呼び出すプログラム名(または関数名)に対応した任意の名前を設定します。この名前を“バッチアプリケーション名”と呼びます。
バッチアプリケーションの種別がCOBOLアプリケーションまたはC言語アプリケーションの場合に、設定します。
ここで設定したバッチアプリケーション名は、バッチアプリケーションの配備時に“アプリケーション情報入力ファイル”に設定することで、実際に呼び出すバッチアプリケーションのライブラリ名、プログラム名(または関数名)が決定されます。
バッチアプリケーション名、COBOLアプリケーションおよびアプリケーション情報入力ファイルの関係については、“2.7.1 バッチジョブ定義とCOBOLアプリケーションの関係”を参照してください。
バッチアプリケーション名、C言語アプリケーションおよびアプリケーション情報入力ファイルの関係については、“2.7.2 バッチジョブ定義とC言語アプリケーションの関係”を参照してください。
バッチ実行基盤の予約語として以下がありますので、使用しないでください。
“BTFW_”で始まるすべての文字列
実行ファイル名
実行ファイル名は、バッチアプリケーションの種別がユーティリティの場合に設定します。
実行ファイル名には、ユーティリティとして実行できるファイル名を設定します。設定するファイルのパスは、バッチワークユニットのPATH環境変数で設定します。
実行ファイル名とユーティリティの関係については、“2.7.3 バッチジョブ定義とコマンド/スクリプトの関係”を参照してください。
実行するときに、実行ファイル名で設定したファイルのパスを、バッチワークユニットのPATH環境変数で指定していない場合はエラーとなります。また、相対パスでの指定はできません。
ユーティリティの標準出力/標準エラー出力の出力先
バッチアプリケーションの種別がユーティリティの場合、ユーティリティの標準出力/標準エラー出力をジョブログ以外のファイルに出力したいときに、出力先ファイルを設定します。標準出力/標準エラー出力の出力先ファイルは、バッチアプリケーションの種別がユーティリティの場合のみ設定可能です。
標準出力/標準エラー出力の出力先ファイルに設定するファイルは、資源定義の[資源の作成・使用方法]に、[既存のファイルを参照する]を設定しないでください。
バッチアプリケーションに渡すパラメタ
バッチアプリケーションの種別に応じて、以下のようにパラメタを設定します。
COBOLアプリケーションの場合、データ型、データ長、値を1組のパラメタとして設定します。
C言語アプリケーションの場合、データ型、データ長、値を1組のパラメタとして設定します。
ユーティリティでは、パラメタの値だけを設定します。
バッチアプリケーションの種別に、“資源の獲得・回収のみ”を指定している場合は、パラメタの設定は不要です。
バッチアプリケーションに渡す環境変数
アプリケーションへ渡す環境変数を設定します。
環境変数の優先度は、以下のとおりです。
資源定義の資源名 > バッチアプリケーション定義の環境変数定義 > ジョブ定義の環境変数定義 > バッチワークユニットの環境変数 |
バッチアプリケーション定義に設定した環境変数定義が、資源定義の資源名、ジョブ定義の環境変数定義、およびバッチワークユニットの環境変数に存在しない場合は、新規の環境変数として追加します。
バッチアプリケーション定義に設定した環境変数定義が、ジョブ定義の環境変数定義、またはバッチワークユニットの環境変数に存在する場合は、バッチアプリケーション定義に設定した環境変数定義が有効になります。
バッチアプリケーション定義に設定した環境変数定義が、資源定義の資源名に存在する場合は、資源定義の資源名が有効になります。
環境変数値の入力域の、“$”は文字として環境変数値に設定します。
したがって、[環境変数値]の入力域に“$PATH”と設定してもシェルの変数置換を行わず、環境変数値に“$PATH”を設定します。
バッチアプリケーションの種別に、“資源の獲得・回収のみ”を指定している場合は、環境変数の設定は不要です。
ジョブ定義の環境変数定義については、“2.2.1.2 ジョブ定義の環境変数定義”を参照してください。
資源定義の資源名については、“2.2.2.4 資源定義”を参照してください。
バッチワークユニットの環境変数については、“Interstage Job Workload Server セットアップガイド”の“環境変数の設定指針”を参照してください。
ジョブステップで使用するファイルの資源を設定します。なお、業務用データベースの資源に関する情報の設定は不要です。
資源名
資源を識別する名前です。
資源名は、同一ジョブステップ定義内で一意の値を設定します。
なお、ファイルのNetCOBOL連携機能を利用してファイルを連結する場合は、連結するファイルの資源定義に同一の資源名を指定します。
ファイルのNetCOBOL連携機能については“2.4 ファイル管理機能”を参照してください。
使用する資源
使用する資源の種別として以下のいずれかを指定します。
ファイル
非一時ファイルまたは一時ファイルを指定します。
世代ファイルを使用する場合は、世代ファイル名を指定します(一時ファイルは指定できません)。
先行ステップの資源
先行ジョブステップが使用した資源を指定します。
非一時ファイルと一時ファイルについては“2.4 ファイル管理機能”を参照してください。
ファイルを連結する
ファイルの連結を行う場合に指定します。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。
ファイルの連結を行う場合にファイルの連結順序を指定します。
指定可能な範囲は、1~9999です。小さい値から昇順でファイルを連結します。
連結番号は、連続している必要はありません。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。
ダミーファイルを使用する場合に指定します。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。
ファイルとしてnullデバイスを使用する場合に指定します。
C言語アプリケーションおよびコマンド/スクリプトの場合にのみ指定できます。
ディレクトリ名
ジョブステップで使用するファイルが存在するディレクトリ名を、以下のいずれかの方法で指定します。
絶対パスで指定する
ファイルが存在するディレクトリを絶対パス名で指定します。
論理ディレクトリで指定する
ファイルが存在するディレクトリを論理ディレクトリ名で指定します。論理ディレクトリ名はバッチジョブの動作時に絶対パス名に変換されます。論理ディレクトリ名に対応する絶対パス名は、論理ディレクトリ定義ファイルに設定されている必要があります。
デフォルト論理ディレクトリで指定する/論理ディレクトリ選択で指定する
ファイルが存在するディレクトリをデフォルト論理ディレクトリで指定する場合、またはディレクトリを論理ディレクトリ選択で指定する場合、ディレクトリ名を省略します。バッチジョブの動作時に論理ディレクトリ定義の設定にもとづいて絶対パス名を決定します。この場合、論理ディレクトリ定義ファイルに以下の設定が必要です。
デフォルト論理ディレクトリを使用する場合は、“デフォルト論理ディレクトリ”を定義しておく必要があります。
論理ディレクトリ選択を使用する場合は、“デフォルト論理ディレクトリ”または“論理ディレクトリ”の定義と、論理ディレクトリ選択セクションの“論理ディレクトリ選択”を定義しておく必要があります。
世代ファイルを使用する場合は、btfwaddgenfileinfコマンドで指定した、ディレクトリ名または論理ディレクトリ名を指定します。
btfwaddgenfileinfコマンドの詳細は、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。
ファイル名
ジョブステップで使用するファイル名を設定します。
世代ファイルを使用する場合は、世代ファイル名を指定します。
世代番号
世代ファイルを使用する場合に指定します。
世代ファイルを使用する場合に、世代ファイルの相対世代番号を指定します。
最新の世代の相対世代番号は0、古い世代の相対世代番号は負の整数、新しく登録する世代の相対世代番号は’+’を付加した正の整数を指定します。
指定可能な範囲は、-99~+99です。
各世代のファイル名を直接指定して世代ファイルを使用する場合に、世代ファイルの絶対世代番号を指定します。
絶対世代番号は、各世代のファイル名のうち、世代ファイル名の後ろに付加されている数値(“G”と0のパディングを除く数値)を指定します。
指定可能な範囲は、0~9999です。
世代番号の指定について、以下の注意事項があります。
相対世代番号を指定して、複数のジョブで同時に同じ世代ファイルにアクセスするとき、先行のジョブで世代を作成していた場合、後続のジョブが参照する世代 にずれが生じる可能性があります。
上記の問題を回避するためには、絶対世代番号で世代ファイルを指定して ください。
先行ステップの資源
先行ステップの資源を使用する場合に、先行ジョブステップ名と資源名を指定します。ジョブステップの実行時に、参照する資源が存在しない場合は、エラーとなります。
資源の割当て方法と割当て解除方法
ファイルの割当て方法と割当て解除方法を指定します。
ファイルを新規作成
ファイルを新規作成して使用しますが、すでにファイルが存在した場合はエラーとするか、そのまま使用するか選択します。
既存ファイルを排他モードで使用
既存ファイルを排他モードで使用します。指定したファイルが存在しない場合は、エラーになります。
既存ファイルを共用モードで使用
既存ファイルを共用モードで使用します。既存ファイルをほかのジョブと共用して使用できます。
指定したファイルが存在しない場合は、エラーになります。
排他モードおよび共用モードについては、“2.4.1.1 ファイルの排他の種類”を参照してください。
COBOLアプリケーションでファイルを連結してレコードを参照する場合は、以下のファイルの割当て方法を指定します。
既存ファイルを参照する
COBOLアプリケーションでファイルの追加書きを行う場合は、以下のファイルの割当て方法を指定します。
新規にファイルを作成する
既存のファイルを更新する
バッチアプリケーションが使用した資源の後処理を指定します。
バッチアプリケーションが正常終了した場合は、以下のいずれかを選択します。
削除、保持、後続ステップへ渡す
バッチアプリケーションが異常終了した場合は、以下のいずれかを選択します。
削除、保持
NetCOBOL固有のファイル機能
NetCOBOL連携機能を使用する場合に指定します。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。
ファイルのNetCOBOL連携機能については“2.4 ファイル管理機能”を参照してください。
COBOLアプリケーションで、ファイルの追加書きを行う場合に指定します。
COBOLアプリケーションで、ファイルの高速処理を使用する場合に指定します。
データ
インラインファイルに書き込んでおくデータを指定します。
一時ファイルで[インラインファイルとして使用する]の場合にのみ指定できます。
データには、置換えパラメタや資源名を指定することが可能です。
資源名に連結ファイルを指定した場合、連結ファイルの先頭のファイルの物理的なパスを設定します。途中のファイル名を設定したい場合は、資源名_通番を指定してください。
インラインファイルの文字コードを指定します。
一時ファイルで[インラインファイルとして使用する]の場合にのみ指定できます。
指定できる文字コードは以下になります。
日本語EUC
シフトJIS
UTF-8
UTF-16
シフトJIS
UTF-8
UTF-16
文字コードにUTF-16を使用する場合、エンディアンの指定とBOM(Byte Order Mark)の有無を考慮して以下の4つの中から選択してください。なお、エンディアンの判別が不要な他の文字コード(EUC/SJIS/UTF-8)の場合、インラインファイルはBOMなしになります。
UTF-16(BOMの付いたビックエンディアン)
UTF-16(BOMの付かないビックエンディアン)
UTF-16(BOMの付いたリトルエンディアン)
UTF-16(BOMの付かないリトルエンディアン)
COBOLでUTF-8/UTF-16を使用するときは以下の扱いになります。
UTF-8を設定した場合は、英数字項目(PIC X)となり、UTF-16を設定した場合は、日本語項目(PIC N)でインラインファイルを作成します。
インラインファイルでUTF-16を使用する場合、COBOLアプリケーションはUTF-8でコンパイルして、日本語項目として読み込んでください。
インラインファイルに書き込むデータのレコード長を指定します。
一時ファイルで[インラインファイルとして使用する]の場合、かつアプリケーションの種別がCOBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。
レコード長に指定可能な値は、1~32760で、省略した場合、80になります。
文字コードにUTF-16を指定した場合、かつ、レコード長に奇数を指定した場合、バッチジョブ定義作成時にエラーになります。
インラインファイルにデータを書き込む際に、レコード長に足りない部分には空白文字を設定します。
資源の使用量
ファイルを新しく作成する場合または既存ファイルを更新する場合に、ジョブステップが使用するファイルの容量を指定します。ファイルの容量は、数値と単位を組み合わせて指定します。
ファイルの事前容量チェック機能を利用する場合、運用中に書込みを行うファイルに対して、ファイルの論理的なサイズを設定してください。ファイルのサイズは、アプリケーションが動作する際に必要となる最大サイズを見積もります。
アプリケーションが動作する際に必要となる最大サイズには、ファイルシステムが“ファイルの制御情報として使用する領域のサイズ”を考慮してください。
ファイルの制御情報として使用する領域のサイズは、以下を目安に見積もってください。
実際のファイルサイズ | ファイルの制御情報として使用する領域のサイズ |
---|---|
16メガバイトまで | 20キロバイト程度 |
100メガバイトまで | 100キロバイト程度 |
100メガバイトより大きい |
|
インラインファイルを指定した際に、データに置換えパラメタや、資源名を指定するなど、データサイズが不明な場合は、インラインファイルの最大サイズの32Kbyteを指定してください。
[使用容量]は、置換えパラメタで指定することができます。
[使用容量]を置換えパラメタで指定すると、ジョブで使用するファイルの容量を、実行するジョブで処理するデータ量に応じて変更できるため、バッチジョブ定義を、より汎用的に使用できます。
コメント
資源定義に関するコメントを記述します。
コメントは、ステップ情報として、ジョブログに出力できます。
ステップ情報については、“Interstage Job Workload Server 運用ガイド”の“ステップ情報の出力形式”を参照してください。
カスケードジョブステップ定義は、マルチジョブコントローラのカスケードモードを使用するための定義です。以下の2つがあります。
カスケード開始節
カスケード終了節
マルチジョブコントローラおよびカスケードモードについては、“2.3 マルチジョブコントローラ”を参照してください。
カスケード開始節
カスケードモードを開始するジョブステップです。
カスケード終了節
カスケードモードを終了するジョブステップです。
カスケードジョブステップ定義の指定形式
カスケードジョブステップ定義の指定形式について説明します。
1つのジョブ内に指定可能なカスケード節は1つです。
カスケード開始節に対するカスケード終了節を指定してください。
カスケード終了節は、カスケード開始節の後に指定してください。
カスケードジョブステップは2つ以上指定してください。
データの引継ぎは連続したジョブステップ間で行ってください。
カスケードジョブに、終了条件定義は指定できません。
カスケードジョブステップに、実行条件定義(実行条件)は指定できません。
カスケードジョブステップに、実行条件定義(迂回条件)は指定できません。
先行ステップにカスケードジョブステップが含まれる場合、[直前終了コード]は指定できません。
先行ステップにカスケードジョブステップが含まれる場合、[全終了コード]は指定できません。
迂回条件定義の先行ステップ名にカスケードジョブステップは指定できません。
カスケードジョブステップに、プロシジャ呼出しステップ定義は指定できません。
プロシジャステップに、カスケード節は指定できません。
資源定義の指定について
カスケードジョブステップの資源定義は、以下のとおりに定義する必要があります。
先頭のカスケードジョブステップ
先頭のカスケードジョブステップは、以下のとおりに定義する必要があります。
入力ファイル
後述する出力ファイルの条件と一致しない資源定義を入力ファイルとして扱います。
後述する出力ファイルの条件と一致する資源定義はできません。
入力ファイルとなる資源定義は2つ以上定義できません。ただし、2つ以上の資源定義で[ファイルを連結する]を指定した場合は、1つの入力ファイルとして扱います。
出力ファイル
以下の3つの条件すべてが一致する資源定義を出力ファイルとして扱います。
[ファイル]を選択している。
[新規にファイルを作成する]を指定している。
[ジョブステップが正常終了した場合]の[後続ステップに渡す]を選択している。
出力ファイルについてのその他の注意事項
出力ファイルとなる資源定義を1つ定義する必要があります。
[資源の使用量-使用容量]の指定は可能ですが、本ファイルは名前付きパイプとなるため意味がありません。
[ファイルの追加書きを行う]は指定できません。
[ファイルの高速処理を使用する]は指定できません。
入力ファイルと出力ファイルで共通の注意事項
[ダミーファイルを使用する]、および[nullデバイスを使用する]は指定できません。
中間のカスケードジョブステップ
中間のカスケードジョブステップは、以下のとおりに定義する必要があります。
入力ファイル
以下のすべての条件が一致する資源定義を入力ファイルとして扱います。
[先行ステップの資源]を選択している。
[既存のファイルを参照する]を指定し[ファイルを排他的に使用する]をチェックしている。
出力ファイル
以下の3つの条件すべてが一致する資源定義を出力ファイルとして扱います。
[ファイル]を選択している。
[新規にファイルを作成する]を指定している。
[ジョブステップが正常終了した場合]の[後続ステップに渡す]を選択している。
出力ファイルについてのその他の注意事項
[資源の使用量-使用容量]の指定は可能ですが、本ファイルは名前付きパイプとなるため意味がありません。
[ファイルの追加書きを行う]は指定できません。
[ファイルの高速処理を使用する]は指定できません。
入力ファイルと出力ファイルで共通の注意事項
入力ファイル、出力ファイルとなる資源定義を1つずつ定義する必要があります。
[ファイルを連結する]を指定することはできません。
[ダミーファイルを使用する]、および[nullデバイスを使用する]は指定できません。
最終のカスケードジョブステップ
最終のカスケードジョブステップは、以下のとおりに定義する必要があります。
入力ファイル
以下のすべての条件が一致する資源定義を入力ファイルとして扱います。
[先行ステップの資源]を選択している。
[既存のファイルを参照する]を指定し[ファイルを排他的に使用する]をチェックしている。
入力ファイルについてのその他の注意事項
入力ファイルとなる資源定義を1つ定義する必要があります。
[ダミーファイルを使用する]、および[nullデバイスを使用する]は指定できません。
[ファイルの高速処理を使用する]は指定できません。
出力ファイル
前述の入力ファイルの条件と一致しない資源定義を出力ファイルとして扱います。
前述の入力ファイルの条件と一致する資源は定義できません。
出力ファイルとなる資源定義は2つ以上定義できません。
入力ファイルと出力ファイルで共通の注意事項
[ファイルを連結する]を指定することはできません。
カスケードジョブステップ定義での資源定義について、上記を表にまとめると以下のとおりです。
指定項目 | 先頭のカスケード | 中間のカスケード | 最終のカスケード | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
入力ファイル | 出力ファイル | 入力ファイル | 出力ファイル | 入力ファイル | 出力ファイル | |||
使用する資源 | 先行ステップの資源 | ○ | × | ◎ | × | ◎ | ○ | |
ファイル | ○ | ◎ | × | ◎ | × | ○ | ||
ファイルを連結する | ○ | × | × | × | × | × | ||
ダミーファイルを使用する | × | × | × | × | × | ○ | ||
世代ファイルを使用する | ○ | △ | △ | △ | △ | ○ | ||
新規にファイルを作成する | ○ | ◎ | × | ◎ | × | ○ | ||
既存ファイルを更新する | ○ | × | × | × | × | ○ | ||
既存のファイルを参照する | ○ | × | ◎ | × | ◎ | ○ | ||
| ファイルを排他的に使用する | ○ | × | ◎ | × | ◎ | ○ | |
資源の使用量 | 使用容量 | ○ | △ | × | △ | × | ○ | |
正常終了 | 削除 | ○ | × | △ | × | △ | ○ | |
保持 | ○ | × | △ | × | △ | ○ | ||
後続ステップへ渡す | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ||
異常終了 | 削除 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
保持 | ○ | △ | △ | △ | △ | ○ | ||
ファイルの追加書きを行う | ○ | × | × | × | × | ○ | ||
ファイルの高速処理を使用する | ○ | × | × | × | × | ○ |
(◎:指定必須 ○:指定可 △:指定無視 ×:指定不可)