動作環境の設定
NetWorker サーバ / NetWorker ストレージノードによってテープ装置をクラスタシステム上で共用する場合、NetWorker リソースに共用するテープ装置のデバイスパス名を指定する必要があります。
NetWorker リソースの設定については、"2.6 NetWorker リソースの作成・設定" を参照してください。
注意
動作環境を変更する場合は、PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker インストール後、クラスタアプリケーションを起動するまでに行ってください。共用するテープ装置のデバイスパス名を指定せずにクラスタアプリケーションを起動した場合、テープライブラリ装置にテープをマウントできないなどの現象が発生することがあります。
ここで指定するデバイスやそのデバイスが使用する SCSI ポートを含めて、クラスタシステム内で同一の値となる必要があります。各クラスタノードによって値が異なっていると、クラスタシステムのフェイルオーバが発生した際に、テープ装置が使用できなくなります。
/kernel/drv/st.conf の設定変更
テープライブラリ装置をクラスタで共有する場合には、運用ノードおよび待機ノードで以下の定義を行う必要があります。
ハードウェア添付のマニュアルに添って、/kernel/drv/st.conf を vi(1) などで編集します。
st.confの記載が、ハードウェア添付のマニュアルに記載されていない場合は、以下のようにst.confを記載してください。
mt(config)コマンドを実行します。
# mt -f <テープ装置のデバイスパス名> config
例
# mt -f /dev/rmt/1cbn config tape-config-list= "HP Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4"; CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x18619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;
mtコマンドの出力結果をそのままst.confファイルに記載します。
例
tape-config-list= "HP Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4"; CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x18619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;
次に、設定を行った/kernel/drv/st.confのドライブ情報の4番目のパラメーターに対して「ST_NO_RESERVE_RELEASE 0x20000」を加算します。例として、Ultrium-4を使用したテープ装置の場合を以下に示します。
例
[変更前]
tape-config-list= "HP Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4"; CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x18619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;
[変更後]
tape-config-list= "HP Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4"; CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x38619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;
/kernel/drv/st.confの設定後、サーバのリブートを行ってください。
注意
これらの設定を行うテープライブラリ装置は、NetWorker 以外のアプリケーションでは使用しないでください。また、複数の NetWorker サーバからの共有も行えません。バックアップデータの消失が起きる場合があります。