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PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 4.2 導入運用手引書

2.9.3 テープ装置共用システム構築時の注意

動作環境の設定

NetWorker サーバ / NetWorker ストレージノードによってテープ装置をクラスタシステム上で共用する場合、NetWorker リソースに共用するテープ装置のデバイスパス名を指定する必要があります。

NetWorker リソースの設定については、"2.6 NetWorker リソースの作成・設定" を参照してください。


注意

動作環境を変更する場合は、PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker インストール後、クラスタアプリケーションを起動するまでに行ってください。共用するテープ装置のデバイスパス名を指定せずにクラスタアプリケーションを起動した場合、テープライブラリ装置にテープをマウントできないなどの現象が発生することがあります。

ここで指定するデバイスやそのデバイスが使用する SCSI ポートを含めて、クラスタシステム内で同一の値となる必要があります。各クラスタノードによって値が異なっていると、クラスタシステムのフェイルオーバが発生した際に、テープ装置が使用できなくなります。

/kernel/drv/st.conf の設定変更

テープライブラリ装置をクラスタで共有する場合には、運用ノードおよび待機ノードで以下の定義を行う必要があります。

  1. ハードウェア添付のマニュアルに添って、/kernel/drv/st.conf を vi(1) などで編集します。

    st.confの記載が、ハードウェア添付のマニュアルに記載されていない場合は、以下のようにst.confを記載してください。

    1. mt(config)コマンドを実行します。

      # mt -f <テープ装置のデバイスパス名> config

      # mt -f /dev/rmt/1cbn config
        tape-config-list=
        "HP      Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4";
        CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x18619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;
    2. mtコマンドの出力結果をそのままst.confファイルに記載します。

      tape-config-list=
      "HP      Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4";
      CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x18619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;
  2. 次に、設定を行った/kernel/drv/st.confのドライブ情報の4番目のパラメーターに対して「ST_NO_RESERVE_RELEASE 0x20000」を加算します。例として、Ultrium-4を使用したテープ装置の場合を以下に示します。

    [変更前]

    tape-config-list=
    "HP      Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4";
    CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x18619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;

    [変更後]

    tape-config-list=
    "HP      Ultrium 4", "HP Ultrium LTO 4", "CFGHPULTRIUMLTO4";
    CFGHPULTRIUMLTO4 = 2,0x3B,0,0x38619,4,0x44,0x44,0x46,0x46,3,60,1200,600,1200,600,600,18000;
  3. /kernel/drv/st.confの設定後、サーバのリブートを行ってください。

注意

これらの設定を行うテープライブラリ装置は、NetWorker 以外のアプリケーションでは使用しないでください。また、複数の NetWorker サーバからの共有も行えません。バックアップデータの消失が起きる場合があります。