ここでは、INTERSTAGE Application Server V3.x(INTERSTAGE V3.x)のデータベース連携サービスから改善された機能について説明し、移行方法を説明します。ただし、以下の製品に関しては、J2EE機能を持たないINTERSTAGE V3.xからの移行作業は不要です。
Interstage Application Server Standard-J Edition
改善された機能
INTERSTAGE V3.x以降、いくつかの機能改善が行われました。それにより、以下に示す手順に沿って移行を行う必要があります。移行を行わなかった場合は、データベース連携サービスを利用するアプリケーションが動作しなくなります。
以下は、改善された機能です。
登録されたリソース定義ファイルを名前で扱うようになりました。
上記に伴いリソース定義ファイルを扱うコマンドのオプションが変更されました。
以下に示すコマンドの権限が管理者権限のみ対象になりました。
otsalive
otssetrsc
クラスタ用のデータベース連携サービスシステムおよびリソース管理プログラムの監視コマンド(otsmonitor)が追加されました。
セットアップ情報ファイルが追加され、セットアップ情報をすべて保存可能になりました。
リソース定義ファイルが拡張され、リソース定義情報をすべて保存可能になりました。
以降で、これらの移行方法を順に説明します。
移行方法
以下の移行が必要です。
以下に示す順序で、該当するものだけ対処するようにしてください。ここで示す移行方法は、データベース連携サービスを使用する場合にだけ必要です。データベース連携サービスを利用しない場合、または新規に利用する場合は、対処する必要はありません。
ここで説明するすべてのコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」で説明されています。
一度登録されたリソース定義ファイルは、リソース定義名で扱うようになりました。これにより、旧環境で使用していたリソース定義ファイルを修正し、otssetrscコマンドで再登録が必要になります。
移行箇所
otssetrscコマンドで登録済のすべてのリソース定義ファイル。
移行手順
リソース定義ファイルの修正
リソース定義ファイルに、NAME句を追加し名前をつけてください。名前は、マシン内でユニークな名前をつけるようにしてください。
リソース管理プログラムの登録
otssetrscコマンドで登録してください。
注意
リソース定義ファイルの詳細については、「アプリケーション作成ガイド(データベース連携サービス編)」の「リソース定義ファイルの作成」を参照してください。
otssetrscコマンドで新たに登録する予定のリソース定義ファイルについても同様に移行を行うようにしてください。
データベース連携サービスを使用するワークユニットのワークユニット定義を一部修正する必要があります。
移行箇所
ワークユニット定義の[Resource Manager]セクションに書かれているFile:部分。
移行手順
File:リソース定義ファイルパスの部分をName:リソース定義名に変更してください。リソース名は、該当リソース定義ファイル移行時のNAMEに指定した名前を指定してください。リソース定義ファイルの詳細は、「アプリケーション作成ガイド(データベース連携サービス編)」の「リソース定義ファイルの作成」を参照してください。
リソース定義ファイルの移行により、リソース定義ファイルがリソース定義名で扱えるようになりました。そのため、クラスタ環境を利用している場合は、状態遷移プロシジャで使用されているコマンドを正しい名前に変更する必要があります。
移行箇所
リソース定義ファイル格納場所の移動
状態遷移プロシジャの修正
移行手順-リソース定義ファイル格納場所の移動
リソース定義ファイルの格納場所の移動を実施する必要があります。以下の手順で実施してください。
以下のフォルダを丸ごと共有ディスクにコピーまたは移動してください。
C:\Interstage\ots\etc\repository
/opt/FSUNots/etc/repository
以下のファイルのREPOSITORYに1.でコピーした場所をフルパスで記述してください。
C:\Interstage\ots\systeminfo\system
/opt/FSUNots/systeminfo/system
これらの作業を、運用系ノード、待機系ノードの両方で実施してください。
移行手順-状態遷移プロシジャの修正:SafeCLUSTERの場合
以下のように修正してください。
OTS_LISTに記述しているリソース定義ファイルへのフルパスをリソース定義名に変更してください。以下のように修正してください(太字の部分を修正してください)。
RESOURCE_PARAM01=c:\rmp01.exe+リソース定義名1 (注) RESOURCE_PARAM02=c:\rmp02.exe+リソース定義名2 (注) RESOURCE_PARAM03=c:\rmp03.exe+リソース定義名3 (注) ......
注) リソース定義ファイルの移行時に指定したリソース定義名(NAMEに指定した名前)に修正してください。
OTS_INTERSTAGE.bat(169行目付近)を以下のように修正してください。
【修正前】
:START_REC %START_COMMAND% %RMP% %RSCDEF%
【修正後】
:START_REC %START_COMMAND% -pg %RMP% -n %RSCDEF%
すべてのプロシジャを修正後、SafeCLUSTERに再登録してください。
移行手順-状態遷移プロシジャの修正:MSCSまたはMicrosoft(R) Windows Server(R) 2008のフェールオーバー クラスタリング機能の場合
データベース連携サービスおよびワークユニット起動バッチファイルを以下のように修正してください。
【変更前】
echo off otsstart otsstartrsc c:\temp\ots\resource.exe c:\temp\ots\resource.def tdstartwu WU1 echo on
【変更後】
echo off otsstart otsstartrsc -pg c:\temp\ots\resource.exe -n リソース定義名 (注) tdstartwu WU1 echo on
注) リソース定義の移行時に指定したリソース定義名(NAMEに指定した名前)に修正してください。
移行手順-状態遷移プロシジャの修正:SafeCLUSTERの場合
以下のように修正してください。
OTS_LISTに記述しているリソース定義ファイルへのフルパスをリソース定義名に変更してください。以下のように修正してください(太字の部分を修正してください)。
RESOURCE_PROG01="/home/ots/otsresource1" RESOURCE_DEF01="リソース定義名1" (注) RESOURCE_PARAM01="$RESOURCE_PROG01 $RESOURCE_DEF01" RESOURCE_PROG01="/home/ots/otsresource2" RESOURCE_DEF01="リソース定義名2" (注) RESOURCE_PARAM01="$RESOURCE_PROG01 $RESOURCE_DEF01"
注) リソース定義の移行時に指定したリソース定義名(NAMEに指定した名前)に修正してください。
OTS_INTERSTAGE(45/148/333行目付近)を以下のように修正してください。
【修正前(45行目付近)】
START_COMMAND="$OTS_HOME/bin/otsstart" STOP_COMMAND="$OTS_HOME/bin/otsstop"
【修正後(45行目付近)】
START_COMMAND="$OTS_HOME/bin/otsstartrsc" STOP_COMMAND="$OTS_HOME/bin/otsstoprsc"
【修正前(148行目付近)】
$START_COMMAND -r "$prog $parm" > /dev/null 2>&1
【修正後(148行目付近)】
$START_COMMAND -pg $prog -n $parm > /dev/null 2>&1
【修正前(333行目付近)】
$STOP_COMMAND -f -r "$def" > /dev/null 2>&1
【修正後(333行目付近)】
$STOP_COMMAND -f -n $def > /dev/null 2>&1
OTS_LOG_INTERSTAGE、OTS_REC_INTERSTAGE、OTS_TRN_INTERSTAGE(148/155/336行目付近)を以下のように修正してください。
【修正前(148行目付近)】
# start System $START_COMMAND -s > /dev/null 2>&1
【修正後(148行目付近)】
# start System $START_COMMAND > /dev/null 2>&1
【修正前(155行目付近)】
sgetpid $MONPROC_NAME $MONPROC_COMMAND -s -a "$START_COMMAND -s" -p $PID -c 0 > /dev/null 2>&1
【修正後(155行目付近)】
sgetpid $MONPROC_NAME $MONPROC_COMMAND -s -a "$START_COMMAND" -p $PID -c 0 > /dev/null 2>&1
【修正前(336行目付近)】
# stop System $STOP_COMMAND -f -s > /dev/null 2>&1
【修正後(336行目付近)】
# stop System $STOP_COMMAND -f > /dev/null 2>&1
すべてのプロシジャを修正後、SafeCLUSTERに再登録してください。
注意
修正したプロシジャは必ず再登録してください。
修正箇所に記載されている行番号はおおよその数値です。
データベース連携サービスのコマンドを利用して自動化プログラムなどを作成している場合は、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照し、コマンドの記述内容を修正してください。