Interstage V9.3以前と比較して以下の非互換があります。
IJServerクラスタの最大ヒープ領域サイズのデフォルト値の変更について
IJServerクラスタのシステムリソース使用量削減を目的として、最大ヒープ領域サイズのデフォルト値が512mから256mに変更されました。
なお、V9.3以前の環境から移行したIJServerクラスタの最大ヒープ領域サイズは、V9.3以前の環境の設定値(デフォルト512m)から変更されていません。必要に応じて、JVMオプションの設定変更を行ってください。詳細は、「Java EE運用ガイド」の「Java VMの定義項目」を参照してください。
IJServerクラスタのデフォルトのpolicyファイルの記述の変更について
デフォルトのpolicyファイルをカスタマイズする際、製品が利用するモジュールに対する設定を誤って削除しないよう、記述を修正しました。
V9.3以前から移行した環境において、デフォルトのpolicyファイルをカスタマイズする場合、fmoni.jarに対するgrant文を以下のように設定してください。
grant codeBase "file:${java.home}/lib/fmoni.jar" { permission java.lang.RuntimePermission "sun.misc.Perf.getPerf"; permission java.lang.RuntimePermission "modifyThreadGroup"; permission java.lang.RuntimePermission "loadLibrary.*"; };
製品内部で使用する設定値の変更について
IJServerクラスタの性能・セキュリティ強化を目的として、V10.0から製品内部で使用する設定値が変更になっています。
V9.3以前の環境からIJServerクラスタを移行した場合、下記を設定することによってV10のIJServerクラスタと同等になるため、設定を推奨します。
asadminコマンドのsetサブコマンドで、下記を設定してください。 asadmin set [IJServerクラスタ名].application-ref.WSTXServices.enabled=false asadmin set [IJServerクラスタ名].application-ref.WSTCPConnectorLCModule.enabled=false asadmin set [IJServerクラスタ名].availability-service.availability-enabled=false asadmin set [IJServerクラスタ名].web-container-availability.availability-enabled=false asadmin set [IJServerクラスタ名].ejb-container-availability.availability-enabled=false asadmin set [IJServerクラスタ名].management-rules.enabled=false asadmin set [IJServerクラスタ名].http-service.access-log.log-backup-size=5 asadmin set [IJServerクラスタ名].http-service.connection-pool.receive-buffer-size-in-bytes=49152 asadmin set [IJServerクラスタ名].http-service.property.traceEnabled=false asadmin set [IJServerクラスタ名].http-service.property.accessLoggingEnabledType=off
IIOPロードバランスとJNDIサービスの設定
V9.3以前の環境からIJServerクラスタを移行した場合、IIOPロードバランスは以下が設定された場合と同様の動作となります。
項目名 | 指定値 |
---|---|
ロードバランス方式 | gms |
オブジェクトリファレンスのフェイルオーバー | 有効 |
また、Interstage Java EE管理コンソールもしくはasadminコマンドのsetサブコマンドを使用してIIOPロードバランスの設定を変更しようとするとOM2314のメッセージが発生して失敗します。同様にasadminコマンドのgetサブコマンドで設定値を参照するとOM2314のメッセージが発生して失敗します。
V9.3以前の環境からIJServerクラスタを移行した場合に設定を変更したい場合には以下を実行してください。
IIOPロードバランスの設定を変更したい場合、asadminコマンドのcreate-ejb-dispatch-targetサブコマンドを実行してディスパッチターゲットを追加すると、その後はディスパッチターゲット以外の設定も変更できるようになります。この場合、create-ejb-dispatch-targetサブコマンドを実行した時点で"ロードバランス方式"と"オブジェクトリファレンスのフェイルオーバー"の設定も省略値に変更になります。
V9.3以前の環境からIJServerクラスタを移行した場合においてもIJServerクラスタを新規に作成すれば、設定を変更することができます。新規に作成したIJServerクラスタにアプリケーションを移行(配備を再実行)して設定を変更してください。