プライマリ MDS ダウン時の自動リカバリなどの異常により、ファイルシステムが損傷し整合性が失われた場合は、sfcfsck(8) でチェックして修復する必要があります。
DSS ファイルシステムではシステムダウンなどの異常が発生した場合に、高速なリカバリを実現するためのアップデートログ機能があります。アップデートログ機能が有効な場合には、ファイルシステム規模に関係なく高速にファイルシステムの修復が可能です。これは、アップデートログ領域にあるメタデータの未更新部分をメタデータに再更新するアップデートログリプレイにより可能となります。
sfcfsck(8) は通常、または、"-o log" を指定した場合、アップデートログをリプレイすることによって、ファイルシステムを修復します。
アップデートログデータが物理的に破壊されている場合には、アップデートログリプレイは実行せず、自動的にファイルシステムのフルチェックを行います。ただし、早急にシステム運用を再開したい場合などの要件に対応するため、アップデートログリプレイ以外のファイルシステムの修復を行わないオプション (-o elog) を用意しています。このオプションを指定すると、アップデートログデータが物理的に破壊されている場合に、sfcfsck(8) はチェック/修復を行わずに直ちに終了します。そのため、対象ファイルシステムは、再度 sfcfsck(8) によるチェック/修復を行わなければマウントすることはできません。"-o nolog" オプションの指定により、アップデートログリプレイを行わず、ファイルシステムのフルチェックを行って修復してから、マウントしてください。
次の例ではログリプレイによりファイルシステムを修復する方法を示します。
sfcfsck /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
次の例では、アップデートログデータの内容が破壊されてしまった場合に、ログリプレイを行わずにファイルシステムをフルチェックし修復する方法を示します。
sfcfsck -o nolog /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
参照
sfcfsck(8)のオプションの詳細については“コマンドリファレンス”を参照してください。