名前
形式1
sfcadm -r [ -a ] device
形式2
sfcadm -N device,...
形式3
sfcadm -u host,... [ -g p_mds[,s_mds ] ] [ -p p_port[,s_port ] ] [ -o keyword=value,... ] device,...
形式4
sfcadm -m host,... -g p_mds[,s_mds ] -p p_port[,s_port ] [ -o keyword=value,... ] device,...
形式5
sfcadm -g p_mds[,s_mds ] device
形式6
sfcadm -o keyword=value,... device
形式7
sfcadm -p p_port[,s_port ] device
形式8
sfcadm -h ohost nhost
形式9
sfcadm -D device,...
形式10
sfcadm device,...
機能説明
sfcadm は DSS ファイルシステムのパーティション情報の設定変更を行います。
DSS ファイルシステムはファイルシステムを構成するパーティション群に関する情報を、各パーティション内に保持しています。
パーティション情報の設定変更を行う必要があるのは以下の場合です。
使用していたファイルシステムのデバイス情報(パス名、デバイス番号)の変更を行う場合
ファイルシステムを共用する DSS サーバのノード情報を変更する場合
DSS サーバ名の変更を行う場合
ファイルシステムを別のシステムに移行する場合
また、以下の場合に使用します。
スーパブロック、パーティション構成情報の復旧
パーティション構成情報とスーパブロックの複製
パーティション構成情報の複製に相違ができた場合の復旧
管理パーティション内のファイルシステム構成情報の変更、および指定されたファイルシステムの削除
MDS (メタデータサーバ) を配置するノード数の変更
MDS (メタデータサーバ) をプライマリ MDS、またはセカンダリ MDS として配置するノードの優先順位の変更
sfcadm は、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。それは、DSS ファイルシステムのパーティション情報の設定変更、およびファイルシステムの環境情報の変更が行われる場合です。また、パーティション情報の設定変更時は、各パーティション内の情報変更が行われます。
なお、本コマンド使用時は、事前に全ノードでアンマウントされている必要があります。
オプション
以下のオプションが指定できます。
指定された代表パーティションを持つ DSS ファイルシステムを、管理パーティション内のファイルシステム構成情報から削除します。複数指定の場合は、カンマで区切って指定します。
使用していたファイルシステムの特殊ファイルのパス名を変更、またはパーティション間のコピーを行った場合で、かつ DSS サーバの各ノード間で、指定されたデバイスのマイナ番号が異なる場合に -N オプションを使用します。
DSS サーバの各ノード間でマイナ番号が同じ場合は、-N オプションを指定しないで構成するデバイス情報だけを指定します。
-r 指定の場合に、復旧元パーティション内のスーパブロックの複製、およびパーティション構成情報の複製から復旧を行います。
MDS (メタデータサーバ) を配置可能にする DSS サーバのノード名を、カンマで区切って指定します。指定されたノード名の順に、プライマリ MDS、セカンダリ MDS を配置するように指定できます。ただし、プライマリ MDS、セカンダリ MDS のどちらかを変更する際は、"p_mds,", ",s_mds" という形式で指定します。プライマリ MDS だけの構成に変更する場合は "p_mds" だけを指定します (カンマは指定しません)。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
指定する DSS サーバのノード名は、ファイルシステムを共用しているノードである必要があります。-u または -m オプションを同時指定した場合は、-u または -m オプションで指定したノード名だけを指定できます。
DSS サーバのノード名を変更する際に、本オプションを使用します。o_host n_host という形式で指定し、管理パーティション内のファイルシステム構成情報内の o_host というノード名をすべて n_host というノード名に変更します。また、該当するノード名が登録されたパーティション構成情報内ノード名を変更します。
パーティション構成情報内の DSS サーバのノード情報およびデバイス情報を、指定されたそれぞれの情報に変更します。ノード名を複数指定する場合は、カンマで区切って指定します。
-m オプションは、-g オプションおよび -p オプションと同時に指定する必要があります。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。使用していたファイルシステムを別のシステムに移行する際に本オプションを使用します。
DSS ファイルシステム内でチューニング可能な変数の設定を、“変数名=値”という形式で指定します。複数指定の場合は、カンマで区切って指定します。登録された変数を削除する場合は、“変数名=”という形式で指定します。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
DSS ファイルシステムの通信タイムアウト時間の変更を行う場合には、以下のように指定します。例では、通信タイムアウト値として 180 秒を設定しています。
-o CON_TIMEOUT=180
CON_TIMEOUT の指定により、通信によるノードの生存監視において、通信の応答がなくなってから相手ノードを異常状態と判断するまでの時間を変更できます。システムの負荷が高くなることが予想される場合は、上記の値を大きく設定してください。
プライマリのポート名、およびセカンダリのポート名をカンマで区切って指定します。ただし、プライマリ、セカンダリのどちらかを変更する際は、"p_port,",",s_port" という形式で指定します。プライマリ、セカンダリともに同じポート名を登録する場合は、p_port だけを指定します (カンマは指定しません)。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
スーパブロック、パーティション構成情報の復旧を行う際に復旧元となるブロック特殊ファイルのパス名を指定します。なお -a オプション指定時は、指定された復旧元パーティション内の冗長ブロックを使用して復旧を行います。
パーティション構成情報内のDSS サーバのノード情報およびデバイス情報を、指定されたそれぞれの情報に変更します。ノード名を複数指定する場合は、カンマで区切って指定します。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
本オプションは、以下の 2 つの要件を満たす場合に使用します。
使用していたファイルシステムの特殊ファイルのパスの変更する場合、またはパーティション間でコピーを行った場合
ノード情報およびデバイス情報を書き換える場合
DSS ファイルシステムを構成するすべてのパーティションのブロック特殊ファイルのパス名をカンマで区切って指定します。
DSS ファイルシステムの、代表パーティションのブロック特殊ファイルのパス名を指定します。ただし、-r オプション指定時は、代表パーティション以外も指定可能です。
使用例
本コマンド実施後、sfcgetconf コマンドで管理パーティション情報のバックアップを行ってください。sfcgetconf コマンドで生成されたバックアップファイルを参照し、ホスト名、ポート番号、デバイス情報が正しく変更されたことを確認してください。
復旧元のパーティション情報により、他パーティションの復旧を行う場合
sfcadm -r /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
復旧元のパーティション内の複製情報により、他パーティションの復旧を行う場合
sfcadm -r -a /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
パーティション情報内のすべての DSS サーバに関するノード情報およびデバイス情報を更新する場合
sfcadm /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107, /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370108 <Enter>
パーティション情報内のDSS サーバ情報およびデバイス情報の書き換えを行う場合
sfcadm -u host1,host2 -g host1,host2 -p sfcfs-1,sfcfs-1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
指定のファイルシステムを他のシステムへ移行する場合
sfcadm -m host1,host2 -g host1,host2 -p sfcfs-1,sfcfs-1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
MDS を配置するノードの優先順位を変更する場合
プライマリ MDS を host1 に変更する場合
sfcadm -g host1, /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
セカンダリ MDS を host2 に変更する場合
sfcadm -g ,host2 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
MDS を配置するノードの優先順位を変更する場合
sfcadm -g host1,host2 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
プライマリ、セカンダリとも同一のポート名を使用する場合
sfcadm -p sfcfs-1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
XXX=60 という変数名を登録する場合
sfcadm -o XXX=60 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
host1 という名前を host2 へ変更する場合
sfcadm -h host1 host2 <Enter>
指定のファイルシステムを削除する場合
sfcadm -D /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
関連項目
sfcmkfs(8), sfcinfo(8), sfcmntgl(8), sfcnode(8), sfcsetup(8), sfcmkconf(8)
注意事項
本コマンドは、スーパーユーザーだけ実行可能です。
パーティション情報の設定変更には、すべての DSS サーバの情報が必要です。事前に、ファイルシステムで使用するすべての DSS サーバが起動している、かつ DSS ファイルシステムが導入されている状態にしてください。
host は、事前に sfcsetup(8) で管理パーティションに登録した DSS ファイルシステムを構成する DSS サーバのノード名である必要があります。
-u オプションを使用するときに、新規のノード名またはデバイス名を指定した場合は、-g オプションも指定する必要があります。
sfcadm によって、DSS ファイルシステムの代表パーティション名を変更した場合、または他のファイルシステムへ移行する場合は、 DSS サーバの /etc/fstab 設定が必要です。
-g オプションで DSS サーバを 1 つに設定した場合、DSS クライアントでのアンマウントが完了する前に以下の状況になると、DSS クライアントでファイルシステムが閉塞します。
DSS サーバでアンマウントやノード停止をしたとき
DSS サーバでノードダウンが発生したとき
構成変更後、sfcmkconf(8) でファイルシステム構成情報ファイルを生成して、すべての DSS クライアントに再配付してください。