クラスタ製品に対して実施する設定手順について説明します。
Systemwalker IT Change ManagerのサービスをMSCSまたはFailover Clusteringのリソースとして登録します。
共有ディスクのオンライン化
フェールオーバー クラスタ管理で共有ディスクの所有権を獲得し、共有ディスクをオンラインにします。
以下のリソースが所属するグループの所有権を該当ノードで獲得します。獲得方法については、クラスタのマニュアルを参照してください。
Quorumディスク
Systemwalker IT Change Managerで使用する共有ディスクをオンラインにします。
BPM用イベントチャネル起動バッチファイルの準備(Windows)
クラスタの切り替え時にイベントチャネルを自動起動するため、MSCSまたはFailover Clusteringに対して、BPM用イベントチャネル起動バッチファイル("Systemwalker IT Change Manager V14gメディアパック (14.1.0) Disc No. 1/1"の"Manager\tool\bpmesstart.bat")を、汎用アプリケーションとして登録します。
現用ノード、待機ノード共に同じディレクトリ、同じファイル名でコピーしてください。共有ディスクには作成しないでください。
BPM用イベントチャネル起動バッチファイルの準備(Solaris)
クラスタの切り替え時にイベントチャネルを自動起動するため、MSCSまたはFailover Clusteringに対して、BPM用イベントチャネル起動シェルスクリプト("Systemwalker IT Change Manager V14gメディアパック (14.1.0) Disc No. 1/2"の" Manager/tool/bpmesstart.sh")を、汎用アプリケーションとして登録します。
現用ノード、待機ノード共に同じディレクトリ、同じファイル名でコピーしてください。共有ディスクには作成しないでください。
BPM用イベントチャネル起動バッチファイルの準備(Linux)
クラスタの切り替え時にイベントチャネルを自動起動するため、MSCSまたはFailover Clusteringに対して、BPM用イベントチャネル起動シェルスクリプト(Red Hat Enterprise Linux 5 の場合 "Systemwalker IT Change Manager V14gメディアパック (14.1.0) Disc No. 1/3"、Red Hat Enterprise Linux 6 の場合 "Systemwalker IT Change Manager V14gメディアパック (14.1.0) Disc No. 2/3"の" Manager/tool/bpmesstart.sh")を、汎用アプリケーションとして登録します。
現用ノード、待機ノード共に同じディレクトリ、同じファイル名でコピーしてください。共有ディスクには作成しないでください。
リソース登録
クラスタアドミニストレータを使用し、下表に示すリソースの一覧を参考に、使用するサービスのリソースを登録してください。
リソース資源 | サービス名 | リソースの種類 | 依存関係(依存先) | 備考 |
---|---|---|---|---|
業務用IPアドレス | - | IPアドレス | - | |
業務用ネットワーク名 | - | ネットワーク名 |
| |
共用ディスク | - | 物理ディスク |
| |
OD_startサービス | ODloader | 汎用サービス |
| |
NamingServiceサービス | Naming | 汎用サービス |
| |
InterfaceRep_Cache Serviceサービス | InterfaceRep_Cache_s | 汎用サービス |
| |
InterfaceRep_Cache_e Serviceサービス | InterfaceRep_e | 汎用サービス |
| |
EventServiceサービス | esdmnmain | 汎用サービス |
| |
TransactionDirectorサービス | TransactionDirector | 汎用サービス |
| |
Interstage APIサービス | Interstage API | 汎用サービス |
| |
Interstage HTTP Serverのサービス | FJapache | 汎用サービス |
| |
BPM用イベントチャネル起動バッチファイル | - | 汎用アプリケーション |
| |
Symfoware BASEDBサービス | SymfoWARE RDB BASEDB | 汎用サービス |
| |
Symfoware FLOWDBサービス | SymfoWARE RDB FLOWDB | 汎用サービス |
| |
Shunsaku Conductor cmdbc | Shunsaku Conductor cmdbc | 汎用サービス |
| |
Shunsaku Director contents | Shunsaku Director contents | 汎用サービス |
| |
Shunsaku Director metadata | Shunsaku Director metadata | 汎用サービス |
| |
Shunsaku Searcher cmdbs01 | Shunsaku Searcher cmdbs01 | 汎用サービス |
| |
Shunsaku Searcher cmdbs02 | Shunsaku Searcher cmdbs02 | 汎用サービス |
| |
Shunsaku Searcher cmdbs03 | Shunsaku Searcher cmdbs03 | 汎用サービス |
| |
Shunsaku Sorter cmdbo01 | Shunsaku Sorter cmdbo01 | 汎用サービス |
| |
Systemwalker ITCM Service Watcherサービス | ITCMServiceWatcher | 汎用サービス |
| |
Symfoware JDBC Naming Serviceサービス | Symfoware JDBC Naming Service | 汎用サービス |
|
注意
上記に示す汎用サービスのいずれかが既に他のグループのリソースとして登録されている場合、そのグループに登録してください。
Systemwalker IT Service Managementと連携する場合は、同じグループのリソースとして登録してください。
リソースの名前には任意の文字列を指定してください。
実行できる所有者には、クラスタシステムを構成するノードを指定してください。
汎用サービス登録時は、表中のサービス名を指定してください。
汎用アプリケーション登録時は、パラメタ内の「コマンドライン」にコマンド名を含めたフルパスを、「現在のディレクトリ」にコマンド名を含めないフルパスを指定してください。
Windows Server(R) 2008 で“Interstage HTTP Serverのサービス”のリソースを登録する場合は、セットアップパラメタを削除してください。
Systemwalker IT Change Managerのサーバの状態遷移プロシジャを登録します。
共有ディスクのマウント
共有ディスクをマウントします。
状態遷移プロシジャの登録
クラスタシステムべき状態遷移プロシジャの登録は、以下の順で行います。
Interstage Application Serverの状態遷移プロシジャを作成します。
Interstage Application Serverの状態遷移プロシジャを登録します。
サーバの状態遷移プロシジャを登録します。
各状態遷移プロシジャは、現用ノードおよび待機ノードに作成し、同じディレクトリに配置します。共有ディスクには作成しないでください。
Interstage Application Serverの状態遷移プロシジャの作成について説明します。
以下の手順でプライマリノードおよびセカンダリノードに作成します。
Interstage Application Serverの状態遷移プロシジャは、以下のディレクトリにサンプルが格納されています。
【Solaris版】
/opt/FJSVisas/etc/HA/SynfinityCLUSTER |
【Linux版】
/opt/FJSVisas/etc/HA/PRIMECLUSTER |
サンプル状態遷移プロシジャ
IS_INTERSTAGE (Interstage起動/停止用)
上記の状態遷移プロシジャファイルを任意なローカル・ディレクトリへ複写して修正します。このディレクトリを“状態遷移プロシジャディレクトリ”と以降表記します。状態遷移プロシジャディレクトリは各ノードで同一の位置とします。このとき、ファイル名の先頭に“userApplicaiton名.”を追加して以下のようにします。
プロシジャの作成後、実行権を設定してください。
userApplication名.IS_INTERSTAGE
作成
以下の状態遷移プロシジャにSystemwalker IT Change Managerとして必要な修正をします。
userApplication名.IS_INTERSTAGE
以下の環境変数を追加します。
【Solaris版】
LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNod/lib |
【Linux版】
LD_LIBRARY_PATH=/opt/FJSVod/lib:/opt/FJSVsoap/tools:/opt/FJSVisscs/lib |
ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリが何らかの異常で停止した場合でも、待機側に切り替えたくない場合は、状態遷移プロシジャ内のIS_ISV_WATCH_MODEに“0”を設定してください。通常は“1”が設定されており、切り替えの対象となっています。切り替えたい場合は、修正の必要はありません。
以下に、ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリが異常終了してもクラスタサービスを切り替えたくない場合の例を示します。
IS_ISV_WATCH_MODE="0" |
作成したInterstage Application Serverの状態遷移プロシジャの登録について説明します。
以下の手順で現用ノードおよび待機ノードに登録します。
状態遷移プロシジャの登録
作成した状態遷移プロシジャをクラスタシステムの“clsetproc”コマンドを使用してクラスタシステムに登録します。
IS_INTERSTAGE状態遷移プロシジャの登録
IS_INTERSTAGE状態遷移プロシジャを登録します。
以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVclapi/bin/clsetproc -c BasicApplication -m IS_INTERSTAGE -o /状態遷移プロシジャディレクトリ/userApplication名.IS_INTERSTAGE |
状態遷移プロシジャリソースの登録
クラスタシステムの“claddprocrsc”コマンドを使用して、状態遷移プロシジャリソースをクラスタシステムに登録します。
IS_INTERSTAGE状態遷移プロシジャリソースの登録
IS_INTERSTAGE状態遷移プロシジャリソースを登録します。
以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVclapi/bin/claddprocrsc -k IS_INTERSTAGE -m IS_INTERSTAGE -c BasicApplication -K AFTER -w -L AFTER -S BEFORE -T BEFORE -V BEFORE -W BEFORE -u 0 -t 0 -p 100 |
RMSの停止
RMSを停止します。
PRIMECLUSTERの[Cluster Admin]画面-[rms]タブ-[ツール]メニュー-[RMSの停止]を選択して実施します。
リソースの作成
状態遷移プロシジャを“userApplication”に登録するためのリソースを作成します。PRIMECLUSTERの[userApplication Configuration wizard]画面で[Resourceの作成]を選択して行います。
以下のProcedureリソースを作成します。
プロシジャクラスに“BasicApplication”を選択し、プロシジャリソースを“IS_INTERSTAGE”として作成します。
サーバの状態遷移プロシジャの登録について説明します。
“リソースの作成”の前の手順までは、現用ノードおよび待機ノードで登録を行います。
状態遷移プロシジャの登録
サーバの状態遷移プロシジャは、以下のディレクトリに格納されています。
/opt/FJSVavw/etc/HA/SynfinityCLUSTER |
この状態遷移プロシジャをクラスタシステムの“clsetproc”コマンドを使用してクラスタシステムに登録します。
サーバの状態遷移プロシジャの登録
サーバの状態遷移プロシジャを登録します。
以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVclapi/bin/clsetproc -c Application -m MGR_AVIEW -o /etc/opt/FJSVavw/HA/SynfinityCLUSTER/MGR_AVIEW |
状態遷移プロシジャリソースの登録
クラスタシステムの“claddprocrsc”コマンドを使用して、状態遷移プロシジャリソースをクラスタシステムに登録します。
サーバの状態遷移プロシジャリソースの登録
サーバの状態遷移プロシジャリソースを登録します。
以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVclapi/bin/claddprocrsc -k MGR_AVIEW -m MGR_AVIEW -c Application |
RMSの停止
RMSを停止します。
PRIMECLUSTERの[Cluster Admin]画面-[rms]タブ-[ツール]メニュー-[RMSの停止]を選択して実施します。
Interstage Application Server用userApplicationの削除【Solaris版】
Interstage Application Serverが既に運用されていた場合は、Interstage Application Serverで作成した“userApplication”の削除を行います。PRIMECLUSTERの[Web-Based Admin View画面]から[userApplicationやResourceの削除]を選択して行います。
Interstage Application Serverで作成した“userApplication”の詳細については、“Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド”を参照してください。
リソースの作成
状態遷移プロシジャを登録するリソースを作成します。
【Solaris版】
操作はPRIMECLUSTERの[userApplication Configuration wizard]画面で[Resourceの作成]を選択して行います。
[userApplication Configuration wizard]については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
【Linux版】
操作はPRIMECLUSTERの[RMS Wizard]で行います。
[RMS wizard]については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
以下のProcedureリソースを作成します。
プロシジャクラスに“Application”を選択し、プロシジャリソースを“MGR_AVIEW”とします。登録情報の確認画面の[Attributes]タブで表示される[subApplication]ボタンを選択し、そのリソースに関連付けでは、Procedureリソース“CMGRPMON”のResource名を選択してください。
クラスタアプリケーションの作成
クラスタアプリケーションを作成します。
【Solaris版】
優先度の設定についてはPRIMECLUSTERの[userApplication Configuration wizard]画面で[Resourceの作成]を選択して行います。
[userApplication Configuration wizard]については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
【Linux版】
優先度の設定についてはPRIMECLUSTERの[RMS Wizard]で行います。
[RMS wizard]については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
【UNIX版】
[userApplication 名と運用形態の設定]画面では、“Standby”を選択してください。
userApplication 名は任意の名称を指定してください。
[属性の設定]画面は、“userApplication”の属性を設定してください。設定するオプションの例(推奨値)を以下に示します。
属性(Attribute) | 値(Value) | 概要 |
---|---|---|
AutoStartUp | Yes | RMSが開始されるときに、userApplicationも自動的に開始されます。 |
AutoSwitchOver | HostFailure | ホストおよびリソースで障害が発生した場合に自動的に切り替えられるようにします。 |
PersistentFault | 1 | userApplicationのFaultedの状態は、RMSの再起動後も維持されます。 |
ShutdownPriority | NONE(省略値) | userApplicationの重み係数(優先度)を割り当てません。 |
StandbyTransitions | ClearFaultRequest | 「StandbyTransitions」に「ClearFaultRequest|StartUp|SwitchRequest」が設定されていることが必要です。 |
OnlinePriority | 0(省略値) | RMSの再起動後は、優先度の最も高いノードでuserApplicationがOnlineになります。優先度は、userApplicationの作成時の「Sysnodeの設定」で設定したノードの設定順序により決定されます。 |
HaltFlag | No(省略値) | Fault処理中にさらに故障が発生(二重故障)したような場合に、ノードの強制的な停止が行われません。そのため、userApplication は、フェールオーバしません。 |
Resourceの選択は以下の選択を実施して、アプリケーションの作成を行ってください。
“Interstage Application Serverの状態遷移プロシジャの登録”で作成した“IS_INTERSTAGE”を選択します。
“マネージャの状態遷移プロシジャの登録”で作成した“MGR_AVIEW”を選択します。
以下にuserApplication構成内容の例を示します。
userApplication名 - MGR_AVIEW - CMGRPMON - CMGRPROC - IS_INTERSTAGE |