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Systemwalker IT Change Manager V14g 変更管理ガイド
Systemwalker

2.2.3 変更作業の設計

業務システムに対する変更作業をどのような手順で実施するかを設計します。

Systemwalker IT Change Managerでは、標準的な変更作業の手順を変更管理テンプレートとして提供しています。変更手順として適用することで、ITIL(R)が推奨する変更手順でシステムの変更を運用することができます。
また変更管理テンプレートはカスタマイズも可能で、システムにあった変更管理プロセスを構築することができます。

2.2.3.1 変更管理テンプレートの提供内容

変更管理テンプレートが提供する内容について、説明します。

運用フロー

変更管理テンプレートは、以下の運用フローを提供しています。

カテゴリ

変更管理テンプレートが提供する運用フローを分類するためのカテゴリ(業務定義)を提供しています。

また、カテゴリ(業務定義)に応じたメニュー定義も提供しています。

2.2.3.1.1 変更要求フロー

変更要求は、変更要求(RFC)として申請された業務システムに対する変更を、変更管理プロセスに基づいて実施する運用フローです。


フロー定義

変更要求の作業の流れについて、説明します。




No

アクティビティ

担当者

作業内容

構成情報

変更情報

設計レコード

実態レコード

1

変更申請

申請者

業務システムに対する変更に対して、変更計画を立案し、変更要求(RFC)として申請します。

-

-

-

2

計画承認

変更マネージャ

立案された変更計画を承認します。

-

-

-

3

管理番号採番

(自動)

申請された変更要求(RFC)に応じた管理番号を自動採番します。

-

-

-

4

変更計画詳細取得

(自動)

変更計画から自動で詳細情報を取得します。

-

-

-

5

開発番号採番

(自動)

申請された変更要求(RFC)に応じた開発番号を自動採番します。

-

-

-

6

開発作業

開発担当

変更要求(RFC)に応じたアプリケーションを開発します。

-

-

-

7

開発承認

開発マネージャ

開発が完了したアプリケーションを確認し、開発作業が完了したことを承認します。

-

-

-

8

テスト作業

テスト担当

テスト作業を実施し、完了次第承認します。

-

-

-

9

展開計画

リリース担当

変更要求(RFC)に応じたアプリケーションの展開作業を計画します。

-

-

-

10

展開計画承認

リリースマネージャ

立案された展開計画を承認します。

-

-

-

11

展開情報登録

(自動)

展開計画情報を自動的に登録します。

-

更新

-

12

展開結果確認

リリース担当

完了した展開作業の結果を確認します。

-

-

-

13

展開確定

(自動)

承認された展開結果作業を設計レコードに反映します。

更新

14

変更結果報告

変更マネージャ

業務システムに対する変更の結果を確認し、変更結果をまとめます。

参照

参照

参照

15

変更結果承認

申請者

業務システムに対する変更の結果を承認します。

参照

参照

参照


子フォーム

変更要求(アプリ)の電子フォームについて、説明します。

電子フォーム (申請)

項目

説明

入力担当者

必須

変更要求

変更番号

このRFCに対応するプロセスIDがRFC番号として自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

展開番号

このRFCに対応する展開番号が自動で設定されます。

-

変更計画

申請

申請者

RFC発行者の名前が自動で設定されます。

-

申請日

RFC申請日が自動で設定されます。

-

件名

変更要求内容の件名を入力します。

申請者

変更内容

変更内容を入力します。

緊急度

計画の緊急度を選択します。

この変更に対する緊急度を設定します。

以下の値から選択します。

・高

・中

・低

変更詳細

変更内容の詳細が記載された資料を添付する場合に指定します。

計画詳細

開発

開発が必要

開発作業が必要である場合にチェックします。本チェックを入れた場合、変更管理フローは開発フェーズを経由します。

テスト

テストが必要

テスト作業が必要である場合にチェックします。本チェックを入れた場合、変更管理フローはテストフェーズを経由します。

変更希望日

変更希望日を入力します。

計画承認

承認者

承認者が自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

承認日

承認日が自動で設定されます。

-

承認理由

承認理由を入力します。

変更マネージャ

CAB

開催判断

変更計画時に開催したCABのCAB種別を選択します。

以下の値から選択します。

・定期CAB

・緊急CAB

・CABなし

開催日時

変更計画時に開催したCAB開催日時

を入力します。

議事録

変更計画時に開催したCABの内容が記載された議事録などを添付する場合に指定します。

開発/テスト

開発作業

完了者

開発完了者が自動で設定されます。

-

確認日

確認日が自動で設定されます。

-

開発対象

開発対象を設定・参照します

開発担当

完了コメント

開発完了のコメントを入力します。

開発承認

承認者

承認者が自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

承認日

承認日が自動で設定されます。

-

テスト作業

完了者

完了者が自動で設定されます。

-

確認日

確認日が自動で設定されます。

-

完了コメント

テスト完了のコメントを入力します。

テスト担当

展開

展開計画

作成者

展開計画作成者が自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

作成日

展開計画作成日が自動で設定されます。

-

展開先

展開先を設定・参照します。

リリース担当

配付方法

オンライン

オンラインでアプリケーションを配付する場合にチェックします。

オフライン

オフラインでアプリケーションを配付する場合にチェックします。

展開日

展開日を指定します。

展開時刻

展開時刻を指定します。

展開方法

自動

アプリケーションを自動で展開する場合にチェックします。

手動

アプリケーションを手動で展開する場合にチェックします。

ディスカバリ方法

自動

展開完了後に自動的にディスカバリをする場合にチェックします。

手動

展開完了後手動でディスカバリをする場合にチェックします。

留意点

展開作業に関連する留意事項を入力します。

展開計画承認

承認者

承認者が自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

承認日

承認日が自動で設定されます。

-

承認理由

承認理由を入力します。

リリースマネージャ

展開結果確認

確認者

確認者が自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

確認日

確認日が自動で設定されます。

-

結果を確認

展開結果を確認します。

リリース担当

確認コメント

確認コメントを入力します。

結果報告

結果報告

報告者

報告者が自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

報告日

報告日が自動で設定されます。

-

結果概要

展開結果の概要を入力します。

変更マネージャ

結果詳細

結果詳細が記載された資料などを添付する場合に指定します。

結果承認

承認者

承認者が自動で設定されます。

(自動的に設定)

-

承認日

承認日が自動で設定されます。

-

承認理由

承認理由を入力します。

申請者

2.2.3.1.2 カテゴリ

変更管理テンプレートは、テンプレートが提供する運用フローをグルーピングする以下のカテゴリ(業務定義)を提供しています。


表2.1 提供するカテゴリ(業務定義)

業務名

業務コード

業務の機能ID

変更管理

pm-chg-biz

pm-chg-apply-biz

また、カテゴリ(業務定義)に対応した以下のメニュー定義も提供しています。

表2.2 提供するメニュー

メニュー名

メニューアイテムID

親メニューアイテムID

メニューの権限ID

変更管理

pm-chg-apply-biz

apply-CGYA

access-user

変更要求

pm-chg-slip

pm-chg-apply-biz

access-user

図2.1 メニューの表示イメージ


参照

業務定義、およびメニュー定義の詳細については、"Systemwalker IT Change Manager 管理者ガイド"の"業務定義管理"および"メニュー定義管理"を参照してください。


2.2.3.1.3 ユーザー

変更管理テンプレートは、テンプレートを使用するユーザーに関する以下の定義を提供しています。


ユーザーが必要とする権限

変更管理テンプレートを使用するユーザーは、テンプレートが提供する役割に対して、以下の使用権限を必要とします。

役割

使用権限

運用フロー使用者

承認権限

申請権限

構成更新権限

構成参照権限

変更担当

変更マネージャ

開発マネージャ

開発担当

テスト担当

リリース担当

リリースマネージャ

CABメンバ

参照

利用者区分や使用権限の詳細については、"Systemwalker IT Change Manager 管理者ガイド"の"利用者に関する知識"を参照してください。

承認グループ

変更管理テンプレートは、役割に合わせた以下の承認グループを提供しています。

承認グループ

グループID

割り振られている権限

変更担当

pm-chg-chgmem

承認権限(access-assignee)
構成更新(access-config-admin)

変更マネージャ

pm-chg-chgmgr

承認権限(access-assignee)
構成更新(access-config-admin)

開発マネージャ

pm-chg-devmgr

承認権限(access-assignee)
構成更新(access-config-admin)

開発担当

pm-chg-devmem

承認権限(access-assignee)
構成更新(access-config-admin)

テスト担当

pm-chg-testmem

承認権限(access-assignee)
構成参照(access-config-user)

リリースマネージャ

pm-chg-rlsmgr

承認権限(access-assignee)
構成更新(access-config-admin)

リリース担当

pm-chg-rlsmem

承認権限(access-assignee)
構成更新(access-config-admin)

参照

承認グループの詳細については、"Systemwalker IT Change Manager 管理者ガイド"の"利用者に関する知識"を参照してください。

サンプルユーザー

変更管理テンプレートは、テンプレートが提供するユーザーモデルに則った以下の部門およびユーザーのサンプルを用意しています。

表2.3 提供するサンプル部門

部門名

部門コード

変更管理部門

pm-chg-dpt1

リリース管理部門

pm-chg-dpt2

開発担当部門

pm-chg-dpt4

表2.4 提供するサンプルユーザー

所属

役割

サンプルユーザー

ユーザーID

ユーザー

利用者区分

変更管理部門

変更マネージャ

pm-chg-01

富士通  紅子

運用フロー使用者

(承認権限、構成更新権限)

変更担当

pm-chg-02

富士通  藤子

運用フロー使用者
(承認権限、構成更新権限)

テスト担当

pm-chg-03

富士通  葉子

運用フロー使用者
(承認権限、構成参照権限)

リリース管理部門

リリースマネージャ

pm-chg-11

富士通  睦月

運用フロー使用者
(承認権限、構成更新権限)

リリース担当

pm-chg-12

富士通  如月

運用フロー使用者
(承認権限、構成更新権限)

開発担当部門

開発マネージャ

pm-chg-41

富士通  秋彦

運用フロー使用者
(承認権限、構成更新権限)

開発担当

pm-chg-42

富士通  春夫

運用フロー使用者
(承認権限、構成更新権限)


参照

部門およびユーザーの詳細については、"Systemwalker IT Change Manager 管理者ガイド"の"利用者に関する知識"を参照してください。

2.2.3.2 カスタマイズ範囲の決定

変更管理テンプレートが提供している運用フローや変更作業における役割をそのまま使用して変更管理作業を実施するか、既存の変更管理プロセスに合わせて変更管理テンプレートをカスタマイズするかを決定します。

カスタマイズするかどうかを決定する対象には、以下の項目があります。

参照

  • 変更管理テンプレートが提供する運用フローおよび電子フォームの内容については、"変更要求フロー"を参照してください。

  • 変更管理テンプレートが提供する役割については、"ユーザー"を参照してください。

  • 変更管理テンプレートのカスタマイズの詳細については、"カスタマイズ"を参照してください。

2.2.3.3 ユーザーの決定

変更管理プロセスにおける変更作業をどのユーザーが行うかを設計します。

変更管理テンプレートでは、変更作業における担当者を役割としており、この役割にどのユーザーを割り当てるかを決定します。

ポイント

1ユーザーで複数の役割を兼任することは可能ですが、運用上問題のない兼任にしてください。
例えば、計画立案および承認の兼任は、責任範囲の不明確化を招くため、好ましくありません。

参照

  • 変更管理テンプレートが提供する役割については、"ユーザー"を参照してください。

  • 役割へのユーザーの割り当て方法については、"ユーザーの登録"を参照してください。


2.2.3.4 判断基準の規定

変更管理テンプレートを適用して変更作業を実施するには、運用開始までに、変更作業に関する以下の判断基準を規定しておく必要があります。


緊急

緊急度は、変更の緊急度・効果・リスク・コストに基づいた変更の優先順位で、変更諮問緊急委員会(CAB/EC)開催の判断基準や、変更承認の優先順位などに使用されます。

変更管理テンプレートでは、以下の優先度のレベルを用意しています。
業務システムの運用に応じて、各レベルの判断基準を規定しておく必要があります。


表2.5 緊急度のレベルと規定例

レベル

レベルの規定例

  • 複数の利用者に影響を与える深刻なエラーやインパクトを与える変更

  • 緊急ではない場合や、インパクトが大きくない変更であるが、次回の予定されたリリースや、定期メンテナンスまで待つことのできない変更

  • 次回の予定されたリリースや、定期メンテナンスまで待つことができる変更

変更承認ルート

変更承認ルートは、変更を承認する責任者(組織)を規定します。

変更管理テンプレートでは、以下の変更承認ルートを用意しています。
業務システムの運用に応じて、各承認ルートの判断基準を規定しておく必要があります。

表2.6 変更承認ルートと規定例

承認ルート

説明

規定例

定期CAB

定期に開催されている変更諮問委員会(CAB)で変更を承認します。

優先度が即時/緊急でなく、分類が軽微でない場合

緊急CAB

変更諮問緊急委員会(CAB/EC)を開催して、変更を承認します。

優先度が即時/緊急の場合

CABなし

変更諮問委員会(CAB)を開催しないで、変更マネージャの判断で変更を承認します。

優先度が即時/緊急でなく、分類が軽微の場合