本製品にストレージ管理製品やVM管理製品を登録すると、ストレージ管理製品やVM管理製品が制御するストレージ情報が自動的に取得され、ストレージリソースとして検出されます。
仮想ストレージリソース
仮想ストレージリソースは、ディスクリソースを切り出すことができます。
ストレージ管理製品が制御するRAIDグループなどや、VM管理製品が制御するVMゲスト用のファイルシステムを、仮想ストレージリソースとして共通の操作で管理できます。
ディスクリソース
ストレージ管理製品で事前に作成したディスクを、ディスクリソースとして共通の操作で管理できます。
検出された仮想ストレージリソースおよびディスクリソースは、ストレージプールへの登録が必要です。
ストレージプールへの登録については、「5.3.3 ストレージリソース」を参照してください。
ストレージ管理製品やVM管理製品を操作してストレージの追加や変更を行った場合も、ストレージ管理製品やVM管理製品に対して定期的に問合せが行われ、ストレージの構成や状態の変化が検出されます。定期更新する間隔は、ストレージリソースの数によって変化します。
なお、RCコンソールのオーケストレーションツリーでストレージリソースを右クリックし、表示されたメニューで[更新]を選択すると、定期的な問合せを待たずに、ストレージ管理製品やVM管理製品からストレージの構成や状態をすぐに取得できます。
そのあと、ストレージプールへの登録を行ってください。
SANストレージのポート組合せ定義ファイル
【Windows/Linux】
事前に以下の定義ファイルを作成し、L-Serverのディスクにアクセスする場合に利用されるストレージ装置の、ポートの組合せを定義します。
本製品はSANストレージのポート組合せ定義ファイルを元にストレージ装置のポートにLUNマスキングを設定します。
ストレージ装置がETERNUSの場合、ファイバーチャネルスイッチのゾーニングもSANストレージのポート組合せ定義ファイルを元に設定します。
ストレージ装置を追加し、ストレージソースをリソースプールに追加する場合も、以下のファイルを定義します。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
storage_portset.rcxprop
1行に1台のストレージの情報を以下の形式で行頭から記述します。改行して記述はできません。
storage_unit_ipaddr,"portX:portY","portX:portY",... |
ETERNUSストレージの場合
storage_unit_ipaddr
ESCで管理しているETERNUSストレージの運用管理用LANポートのIPアドレスを指定します。
同一IPアドレスを複数行で指定した場合、最初に定義した行が有効になります。
ポートセット
L-Serverのディスクにアクセスする場合に利用されるETERNUSストレージのFC-CAポートの組合せを、FC-CAポートのWWPNで表したものです。
FC-CAポートの組合せをコロン(":")で区切られた2つのWWPN(16桁の16進形式)で指定します。最大64個の組合せを指定できます。
ETERNUSストレージのコントローラー故障時に、L-Serverが利用しているFC-CAポートが両方閉塞することを避けるために、同じコントローラー配下のFC-CAポートを2つ組み合わせないでください。
ファイバーチャネルケーブルを接続しないFC-CAポートのWWPNは指定できません。
すでに定義したWWPNは、ほかのポートセットに指定できません。
LUNマスキングおよびゾーニングは以下のHBAとストレージ装置のポートの組合せで設定されます。HBAとストレージ装置のポート間のファイバーチャネルケーブルが接続されているか確認してください。
HBA Port1と1つ目に定義したストレージ装置のポート
HBA Port2と2つ目に定義したストレージ装置のポート
注意
本製品は、以下の順にアクセスパスを定義します。
portXで定義したストレージ装置のポートとHBA Port1
portYで定義したストレージ装置のポートとHBA Port2
EMC CLARiXストレージの場合
storage_unit_ipaddr
EMC CLARiXストレージのSPのIPアドレスを指定します。
同一IPアドレスを複数行で指定した場合、最初に定義した行が有効になります。
ポートセット
L-Serverのディスクにアクセスする場合に利用されるEMC CLARiXストレージのSPポートの組合せを、SPポート名で表したものです。
SPポートの組合せをコロン(":")で区切られた2つのSPポート名で指定します。最大64個の組合せを指定できます。
ここで指定する2つのポートは、異なるSP配下のSPポートにしてください。EMC CLARiXストレージのSPが故障したとき、同じSP配下のSPポートを指定していると、L-Serverが利用しているSPポートが両方使用できなくなることがあります。
ファイバーチャネルケーブルを接続しないSPポートは指定できません。
すでに定義したSPポート名は、ほかのポートセットに指定できません。
EMC Symmetrix DMXストレージの場合
storage_unit_ipaddr
EMC Symmetrix DMXストレージのSymmetrix IDを指定します。
同一Symmetrix IDを複数行で指定した場合、最初に定義した行が有効になります。
ポートセット
L-Serverのディスクにアクセスする場合に利用される、EMC Symmetrix DMXストレージのポートの組合せを、ディレクター番号 + ポート番号で表したものです。
ポートの組合せをコロン(":")で区切られた2つのポートで指定します。最大64個の組合せを指定できます。
ここで指定する2つのポートは、異なるディレクター配下のポートにしてください。EMC Symmetrix DMXストレージのディレクターが故障したとき、同じディレクター配下のポートを指定していると、L-Serverが利用しているポートが両方使用できなくなることがあります。
ファイバーチャネルケーブルを接続しないポートは指定できません。
すでに定義したディレクター番号 + ポート番号は、ほかのポートセットに指定できません。
例
定義ファイルの例を以下に示します。
ETERNUSストレージを利用した場合
192.168.1.24,"500000E0D00C7006:500000E0D00C7086","500000E0D00C7086:500000E0D00C7087" |
EMC CLARiXストレージを利用した場合
192.168.1.24,"SPAPort0:SPBPort0" |
EMC Symmetrix DMXストレージを利用した場合
000192601264,"07GPort1:08GPort1" |
ESCで管理されている仮想ストレージリソース名、ディスクリソース名の形式の選択
ESCで管理されている仮想ストレージリソース名、ディスクリソース名の形式を選択できます。定義ファイルを編集した場合、マネージャーを再起動してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
storage.rcxprop
定義ファイルでは、1行に1つの設定項目を記述します。各行は、以下の形式で記述します。
指定項目 = 指定値 |
ETERNUS_VOLUME_NAME_TO_DISK_NAME
ESCで管理されているディスクリソース名の形式を選択します。
指定値に"true"を指定した場合、ディスクリソース名はESCのボリューム名になります。ボリューム名の形式がディスクリソース名の形式として不適切な場合、本製品が自動的にボリューム名に準拠したディスクリソース名を設定します。また、"true"が指定されていても、ESCがボリューム名をサポートしていない場合、ディスクリソース名はESCのIPアドレス、RAIDグループ番号、ボリューム番号を連結した名前になります。
指定値に"false"を指定した場合は、ディスクリソース名はESCのIPアドレス、RAIDグループ番号、ボリューム番号を連結した名前になります。
指定しない場合、"false"が設定されます。
ETERNUS_RAIDGROUP_NAME_TO_VSTORAGE_NAME
ESCで管理されている仮想ストレージリソース名の形式を選択します。
指定値に"true"を指定した場合、ディスクリソース名はESCのRAIDグループ名になります。RAIDグループ名の形式が仮想ストレージリソース名の形式として不適切な場合、本製品が自動的にRAIDグループ名に準拠した仮想ストレージリソース名を設定します。また、"true"が指定されていても、ESCがRAIDグループ名をサポートしていない場合は、仮想ストレージリソース名はESCのIPアドレス、RAIDグループ番号を連結した名前になります。
指定値に"false"を指定した場合は、仮想ストレージリソース名はESCのIPアドレス、RAIDグループ番号を連結した名前になります。
指定しない場合、"false"が設定されます。
定義ファイルの例を以下に示します。
ETERNUS_VOLUME_NAME_TO_DISK_NAME = true |