IPCOMと連携することにより、サーバマシンの負荷分散を行うことができます。
IPCOMでIIOPの負荷分散を行うには、IIOP負荷分散に対応した機種を選択する必要があります。IIOP負荷分散に対応しているIPCOMの機種については“IPCOMのマニュアル”を参照してください。
■負荷分散対応プロトコル
Interstageの通信プロトコルには以下の2つがあります。
HTTPプロトコル
IIOPプロトコル
IPCOMとの連携においては、これらの2つの通信プロトコルに対応しています。
ここでは、IIOPの負荷分散について記述しています。HTTPの負荷分散については、“IPCOMのマニュアル”で説明されています。
■負荷分散ポリシー
以下の負荷分散ポリシーにより負荷分散を行うことができます。
IPCOM標準の負荷分散ポリシー 注)
ラウンドロビン方式
負荷計測(CPU、メモリ、ディスクI/O)方式
負荷計測(コネクション数、レスポンス時間)方式
負荷計測(データ通信量)方式
静的重み付け方式
注)以下のタイプのIJServerに配備されたEJBアプリケーションに対する負荷分散が可能です。
EJBアプリケーションのみ運用
IPCOM標準の負荷分散ポリシーについては、“IPCOMのマニュアル”で説明されています。
■振り分け上限に到達時の動作
負荷計測項目値が振り分け上限値に到達した場合、そのサーバへの振り分けが行われなくなります。
すべての振り分け対象サーバの負荷計測項目値が振り分け上限に達した場合、それ以降、サーバへの振り分け処理は行われなくなります。この場合、クライアントからの要求は、通信エラー(COMM_FAILURE)で復帰します。
負荷計測項目値が復旧値を下回った時、そのサーバへの振り分けが再開されます。
■ワークユニットに対する負荷分散
ワークユニットとして運用するアプリケーションに対する負荷分散では、アプリケーション単位に、以下の2種類の方式を選択できます。
ただし、IJServerワークユニットのEJBアプリケーションに対する負荷分散においては、メソッド呼出し単位の負荷分散のみ実施することができます。
メソッド呼び出し単位の負荷分散
メソッド呼び出しごとに、負荷分散を行います。
一問一答形式の通信を行う場合に使用できます。
EJBアプリケーションの場合、IJServerを運用するサーバである負荷分散対象サーバと、負荷分散対象サーバを管理する負荷分散サーバが必要になります(負荷分散が可能なIJServerのタイプは、“■負荷分散ポリシー”を参照してください)。
なお、EJBアプリケーションはHomeインタフェースのメソッド(createメソッドなど)実行時に負荷分散されます。Remoteインタフェースのメソッド実行時は同一のサーバにアクセスされるため、最適なタイミングでHomeインタフェースのメソッドを実行して負荷分散してください。
ネーミングサービスのオブジェクトリファレンス獲得時点の負荷分散
ネーミングサービスのオブジェクトリファレンスを獲得する時点で負荷分散を行います。本方式では、ネーミングサービスのオブジェクトリファレンス獲得要求が振り分けられたサーバに対して、その後の通信が行われます。
同一クライアントからの一連の要求を、同一サーバに振り分けたい場合に使用します。
セション継続のような運用が可能です。
ワークユニットに対する負荷分散においては、任意の監視対象ワークユニットが停止した時に、そのサーバを負荷分散対象サーバから切り離した縮退運用が行えます。
詳細については、“第3章 IPCOMを利用した負荷分散”を参照してください。
負荷分散対象となるサーバマシンにはネーミングサービスが配置されている必要があります。