Interstage Application Server / Interstage Web Server V9.0(Interstage V9.0)での変更内容を説明します。
■OD_impl_instコマンドについて
OD_impl_instコマンドにおいて、-tオプション、-uオプション、および-gオプションを指定した際の動作が変更されました。また、-axオプションで指定するCORBAアプリケーション情報定義ファイルについて、設定可能な値が変更されました。
管理者権限を持たないユーザがOD_impl_instコマンドを実行した場合、-tオプションにS、Uを指定できません。
同様に、CORBAアプリケーション情報定義ファイルのtypeにshared、unsharedを指定できません。
一般ユーザがOD_impl_instコマンドを実行した場合、-uオプション、-gオプションにはそのユーザの実効ユーザID、実効グループIDのみが指定できます。
同様に、CORBAアプリケーション情報定義ファイルのuid、gidにはそのユーザの実効ユーザID、実効グループIDのみを指定できます。
-uオプション、およびCORBAアプリケーション情報定義ファイルのuidの省略値は、OD_impl_instコマンドを実行したユーザの実効ユーザIDとなります。また、-gオプション、およびCORBAアプリケーション情報定義ファイルのgidの省略値は、OD_impl_instコマンドを実行したユーザの実効グループIDとなります。
■configファイルの移行
以下のパラメタの初期値(省略値)が変更されました。
パラメタ名 | 初期値(省略値) | |
---|---|---|
変更前 | 変更後 | |
period_client_idle_con_timeout | 0 | 96 |
configパラメタにおいて以下の2つの既存定義が削除されました。
iss_uid
iss_gid
また、以下のパラメタが追加されました。
iss_group
なお、これに伴い以下のパラメタの意味が変更されています。
iss_use
新規パラメタおよび変更されたパラメタの意味については“チューニングガイド”を参照してください。
■クライアントにおける無通信監視タイムアウトの動作について
クライアントにおける無通信監視(configパラメタ“period_client_idle_con_timeout”で設定されるタイムアウト監視)の時間を超過した際の動作が変更されました。
変更前
時間超過のタイミングではサーバとのコネクションの切断は行いません。次回リクエスト送信時にサーバとのコネクションの切断・再接続を行います。
変更後
スレッドモードのクライアントアプリケーションについては、時間超過のタイミングでサーバとのコネクションを切断します。次回リクエスト送信時にサーバとのコネクションの再接続を行います。
プロセスモードのクライアントアプリケーションについては、時間超過のタイミングではコネクション切断は行わず、次回リクエスト送信時にサーバとのコネクションの切断・再接続を行います。
■odadmin_exコマンドのデサポートについて
odadmin_exコマンドはInterstage Application Server V9.0以降でデサポートとなりました。CORBAサービスの初期環境設定を行う場合は、Interstage統合コマンドのisinitコマンドを使用するか、Interstage管理コンソールを使用してください。
■インスタンス保持機能使用時の注意事項
CORBAアプリケーション情報定義ファイルに“iswitch=ON”を指定してインスタンス保持機能を使用しているアプリケーションの場合、クライアントにおける無通信監視時間(configパラメタ“period_client_idle_con_timeout”で設定されるタイムアウト監視時間)について注意する必要があります。
Interstage V9.0以降では、“period_client_idle_con_timeout”の初期値が変更されました。これにより、クライアントにおける無通信監視がデフォルトで有効になります。
クライアントにおける無通信監視タイムアウトが発生した場合、サーバとのコネクションが切断され、インスタンスが開放されます。このため、インスタンス保持機能がユーザの意図どおりに動作しない可能性があります。インスタンス保持機能を使用する場合は、クライアントにおける無通信監視タイムアウトが発生しないように、サーバへのリクエスト送信間隔と“period_client_idle_con_timeout”の値についての考慮が必要となります。
■システム資源について
共有メモリに対するシステムパラメタの計算式が変更されました。詳細は“チューニングガイド”を参照してください。
■ファイルの権限について
以下のファイルの権限が変更されました。
ファイル名 | 変更前の権限 | 変更後の権限 |
---|---|---|
<CORBAサービスのインストールパス>/var/log | 0666 | 0644 |
<CORBAサービスのインストールパス>/var/log.old | 0666 | 0644 |
■C++アプリケーションのライブラリについて
Sun WorkShop 4.2でC++のCORBAアプリケーションを開発する際に使用していたlibOMcpp.so、libOMcncpp.so、libOMlbocpp.soは使用できません。Forte Developer 6以降でC++のCORBAアプリケーションを開発する際にはlibOMcpppoa50.so、libOMcncpp50.so、libOMlbocpp50.soを使用してください。詳細は“アプリケーション作成ガイド (CORBAサービス編)”を参照してください。