ここでは、マルチサーバ管理機能について、以下を説明します。
■Interstage Application Server V9.0での変更内容
Interstage Application Server V9.0(Interstage V9.0)での変更内容を説明します。
デフォルトのプロトコルの変更
管理サーバと管理対象サーバ間のデフォルトの通信プロトコルが、RMIからHTTPSに変更されました。管理サーバと管理対象サーバ間の通信プロトコルの詳細については、“運用ガイド(基本編)”の“管理サーバから管理対象サーバの操作”を参照してください。
■Interstage Application Server 8.0での変更内容
Interstage Application Server 8.0(Interstage 8.0)での変更内容を説明します。
管理対象サーバでの機能の追加と削除の禁止
Interstage 8.0以降では、管理対象サーバにおいて、現在インストールされている機能の追加と削除(インストール機能の選択状態の変更)を行うことができなくなりました。管理対象サーバに対してインストール機能の選択状態を変更する場合は、サイトから削除して行ってください。
isaddadminfuncコマンドの動作の変更
Interstage 8.0以降のスタンドアロンサーバでisaddadminfuncコマンドを実行すると、以下のメッセージが出力されて、“y”/“n”の入力が求められるように変更されました。
Switching from the Admin Server to Standalone Server is not possible... Are you sure to switch from the Standalone Server to the Admin Server? [y,n]:
サポートするエディションの変更
Interstage 8.0以降では、管理サーバ機能および管理対象サーバ機能が使用可能となるエディションが以下のように変更されました。
機能 | 製品バージョン | サポートエディション |
---|---|---|
管理サーバ機能 | - |
|
管理対象サーバ機能 | Interstage 8.0以降 |
|
Interstage V7.0 |
|
サーバグループへ異なるJDK/JRE構成のサーバの追加禁止
従来は、サーバグループへのサーバ追加時に、追加するサーバにインストールされているJDK/JREのバージョンがサーバグループ内のサーバと異なっていても追加することができました。しかし、Interstage 8.0以降では、サーバグループへのサーバ追加時にエラーが発生して追加に失敗します。
追加時にエラーが発生した場合は、エラーメッセージからエラーの原因を判断し、上記についてサーバグループと同一のサーバを選択して、再度実行してください。
■旧バージョンからの移行手順
旧バージョンで構築したマルチサーバ管理環境を本バージョンに移行する手順を説明します。
Interstage V7.0以前のWebサーバ(InfoProvider Pro)を使用している場合は、Interstage 8.0以降では、Interstage HTTP Serverに移行する必要があります。移行方法の詳細については、“4.1.2 V7.0以前のInfoProvider Proからの移行”を参照してください。
Interstage V6.0以前のServletサービス、またはEJBサービスを使用している場合は、Interstage 8.0以降では、IJServerを再作成して配備する必要があります。詳細については、“6.2 J2EEアプリケーションの移行”、“6.4 Servletサービスの移行”、および“6.5 EJBサービスの移行”を参照してください。
管理サーバのみの移行手順
バックアップ、およびリストアにより移行します。リストアの作業については“運用ガイド(基本編)”の“管理サーバのバックアップ/リストア”を参照してください。
管理サーバをInterstage 8.0以降に移行した場合でも、管理対象サーバは移行前のバージョンでの運用が可能です。
管理サーバおよび管理対象サーバの移行手順
IJServerを使用したサイト環境にある、旧バージョンの管理対象サーバ(または共存サーバ)を、本バーバョンの環境に移行するためには、以下の手順で操作を行う必要があります。
管理対象サーバ資源のバックアップ
Interstage Application Serverのバージョンアップ
管理対象サーバ資源のリストア
サイト環境の再構築
IJServerの結合
Webサーバコネクタの分離
リストア、およびサイトの構築については“運用ガイド(基本編)”の“管理対象サーバのバックアップ/リストア”および“サーバグループ/単体運用の管理対象サーバを運用する環境の構築”を参照してください。
管理対象サーバは、管理サーバより上位のバージョンの管理対象サーバは管理できません。管理対象サーバを本バージョンに移行する場合は、管理サーバも合わせて移行する必要があります。
管理対象サーバ資源のバックアップ
管理対象サーバのInterstage Application Server資源のバックアップを行ってください。
サイトに所属しているが、本バージョンへの移行を行わない管理対象サーバについては、操作を行う必要はありません。
管理対象サーバが多階層IJServerの配置先の場合は、それぞれの管理対象サーバがどの多階層IJServerの配置先であったかを記録しておいてください。
管理対象サーバがサーバグループに所属している場合は、それぞれの管理対象サーバのサーバグループ内通番を記録しておいてください。
Interstage Application Serverのバージョンアップ
管理サーバ/管理対象サーバの両方について、旧バージョンのInterstage Application Serverをアンインストールし、本バーバョンのInterstage Application Serverをインストールしてください。
サイトに所属していたが、本バージョンへの移行を行わない管理対象サーバについては、操作を行う必要はありません。
管理対象サーバ資源のリストア
管理対象サーバのみについて、旧バージョンのバックアップ資源を、本バージョンのスタンドアロンサーバにリストアしてください。
サイトに所属していたが、本バージョンへの移行を行わない管理対象サーバについては、操作を行う必要はありません。
サイト環境の再構築
管理対象サーバをサイトに追加してください。また、サーバグループを作成し、管理対象サーバを追加してください。手順の詳細は、“運用ガイド(基本編)”の“サーバグループ/単体運用の管理対象サーバを運用する環境の構築”を参照してください。
移行前の環境で多階層IJServerを構成していたサーバで、WebサーバとIJServerが同一のサーバで運用されていなかった場合は、サーバグループへのサーバ追加に失敗します。その場合はスタンドアロンサーバの状態で、Webサーバコネクタを操作してください。手順の詳細は“運用ガイド(基本編)”の“サーバグループ/単体運用の管理対象サーバを運用する環境の構築”の“IJServerを使用する場合の注意事項”を参照してください。
移行前の環境で多階層IJServerを構成していたサーバで、ServletコンテナとEJBコンテナが同一のサーバで運用されていなかった場合は、EJBコンテナのサーバグループから先にサーバを追加してください。詳細は“運用ガイド(基本編)”の“サーバグループに所属する管理対象サーバについての前提条件と注意事項”の“Interstage”および“IJServer”を参照してください。
サーバグループ内のサーバグループ通番は、サーバグループにサーバが追加された順番で付与されます。しかし、サーバグループに複数の管理対象サーバを一度に追加すると、サーバグループ内通番は自動的に名前のアルファベット順に決定されます。
移行前の環境でサーバグループ間のリレーションがラインだった場合、移行前と同じリレーションを復元するためには、復旧前と同じサーバグループ内通番とする必要があります。そのためには、サーバグループにサーバを1台ずつ追加し、復旧前と同じサーバグループ内通番にするようにしてください。
IJServerの結合
上記までの手順では、多階層IJServerの復元は行えません。上記までの手順が完了した段階では、サイト内のIJServerはすべて単階層のIJServerとなっています。移行前の環境で多階層IJServerを構成していたサーバで、ServletコンテナとEJBコンテナが同一のサーバで運用されていなかった場合は、移行後の環境でIJServerの結合を行い、多階層IJServerを復元してください。手順の詳細については“運用ガイド(基本編)”の“IJServerの結合”を参照してください。
Webサーバコネクタの分離
移行前の環境で多階層IJServerを構成していたサーバで、ServletコンテナとWebサーバコネクタが同一のサーバで運用されていなかった場合は、移行後の環境でWebサーバコネクタの移動を行い、多階層IJServerを復元してください。手順の詳細については“運用ガイド(基本編)”の“Webサーバコネクタの分離”を参照してください。