VMホストの登録の流れは次のとおりです。
VMホストでのリソース情報収集設定
管理サーバへのVMホストの登録
リソース情報収集の設定は、管理対象サーバ上のVMホストに対して行います。VMホストとは、仮想マシンを動作させるためにサーバ上で動作するサーバ仮想化ソフトウェアです。例えばVMwareでは、VMware ESXがこれに相当します。
設定の手順は仮想化ソフトウェアにVMware、Hyper-V、Xenのどれを使うかによって異なります。該当する仮想化ソフトウェアの項を参照して設定を行ってください。
VMwareの場合
VMware vSphere Clientで管理対象のVMware ESXに直接ログインします。「IPアドレス」にVMware ESX のホスト名もしくはIPアドレス、「ユーザー名」に"root"、「パスワード」にrootアカウントのパスワードを入力し「ログイン」ボタンをマウスでクリックします。
証明書に関するセキュリティ警告の画面が出た場合は、「無視」をマウスでクリックします。
VMware vSphere Clientの画面で「ユーザーおよびグループ」タブ(VMwareのバージョンが4.1の場合は「ローカル ユーザーおよびグループ」)をマウスでクリック後、「ユーザー」をマウスでクリックします。
ユーザーテーブル上でマウスを右クリックして「追加」を選択します。
「新規ユーザの追加」ダイアログで「ログイン」にsqcsqc001(初期値)、「ユーザー名」にsqcsqc001(初期値)、「パスワード」にsqcsqc001(初期値)を入力後、「このユーザーへのシェルアクセスを許可」にチェックを入れ、OKボタンをクリックします。
ユーザーテーブル上に、ユーザー「sqcsqc001」が追加されます。
ポイント
VMwareのバージョンが4.1の場合は、上記で追加したユーザー「sqcsqc001」にsshを用いるためのアクセス権を設定する必要があります。以下の手順に従ってアクセス権を設定してください。
VMware vSphere ClientでSSHサーバの設定を自動実行に変更します。
VMware vSphere Clientの「構成」タブを選択します。
画面左側の「ソフトウェア」-「セキュリティプロファイル」を選択します。
画面右上の「プロパティ」をクリックします。
「ファイアウォールのプロパティ」ダイアログが開くので、「SSHサーバ」の行を選択し、左のチェックボックスにチェックを入れます。
「SSHサーバ」の行を選択した状態で右下の「オプション」ボタンをクリックします。
「SSHサーバ(sshd)オプション」ダイアログが開くので、「起動ポリシー」の「いずれかのポートが開くと自動的に開始し、すべてのポートが閉じると停止」を選択します。「サービスコマンド」で「開始」をクリックしてサービスを開始します。すでにサービスが開始している場合は「開始」が押せない状態になっているのでそのままでかまいません。
「OK」をクリックして、「SSHサーバ(sshd)オプション」ダイアログ、「ファイアウォールのプロパティ」ダイアログを閉じます。
VMware ESXにrootアカウントでログインします。
/etc/pam.d/sshdを開き、最下行に以下の記述を追加します。
account required pam_access.so
/etc/security/access.confを開き、以下の行を追加します。
+:<追加したユーザー名>:<管理サーバのIPアドレス>.
注意
"-:ALL:ALL"という行が既にある場合には必ずその行より前の行に追加してください。"-:ALL:ALL"より後の行に追加すると設定が有効になりません。
IPアドレスの最後には必ず"."を付けてください。
(変更前の例) +:root:ALL +:vpxuser:ALL +:vslauser:ALL -:ALL:ALL (変更後の例:下線行を追加) ※追加したユーザーがsqcsqc001、管理サーバのIPアドレスが192.168.1.142の場合 +:root:ALL +:vpxuser:ALL +:vslauser:ALL +:sqcsqc001:192.168.1.142.
-:ALL:ALL
上記VMware ESXにrootアカウントでログインします。
visudoコマンドを実行しsudoersファイルを編集します。
sudoersファイルの最後に以下の行を追加して保存します。以下は接続アカウントが「sqcsqc001」(初期値)の例です。接続アカウントにあわせて適宜変更してください。
【設定例】
sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/bin/esxtop sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-vmhbadevs sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/vdf sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-nics sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-vswitch sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /bin/egrep sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-scsidevs
参考
管理サーバから管理対象サーバにログインできる環境であれば、管理サーバから接続アカウント(例:sqcsqc001)でログインして「sudo -l」コマンドを実行することで、sudoersファイルの編集が正しく行われたかどうかを確認できます。以下の画面が表示されればsudoersファイルの編集は正しく行われています。
【実行結果例】
$ sudo -l User sqcsqc001 may run the following commands on this host: (ALL) NOPASSWD: /usr/bin/esxtop (ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-vmhbadevs (ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/vdf (ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-nics (ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-vswitch (ALL) NOPASSWD: /bin/egrep (ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/esxcfg-scsidevs
Hyper-Vの場合
注意
今版のSystemwalker Service Catalog ManagerではHyper-Vからの情報収集は制限となります。
Xenの場合
管理対象サーバにスーパーユーザーでログインし、リソース情報を収集するためのユーザーを作成します。作成したユーザーにはパスワードを設定してください。
sshデーモンを自動起動に設定します。
sshがインストールされていない環境では、sshをインストールしてください。
インストール方法やデーモンの起動、設定方法は、sshのマニュアルを参照してください。
管理対象サーバに任意のアカウントでログイン後、スーパーユーザーになります。
visudoコマンドを実行しsudoersファイルを編集します。
sudoersファイルの最後に以下の行を追加して保存します。以下は接続アカウントが「sqcsqc001」の場合の設定例です。接続アカウントにあわせて変更してください。
【設定例】
sqcsqc001 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/xentop
参考
管理サーバから管理対象サーバにログインできる環境であれば、管理サーバから接続アカウント(例:sqcsqc001)でログインして「sudo -l」コマンドを実行することで、sudoersファイルの編集が正しく行われたかどうかを確認できます。以下の画面が表示されればsudoersファイルの編集は正しく行われています。
【実行結果例】
$ sudo -l User sqcsqc001 may run the following commands on this host: (ALL) NOPASSWD: /usr/sbin/xentop
Systemwalker Service Catalog Managerの管理サーバを構築したマシン上でVMホストの登録コマンドを実行します。
コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。
> cd (Systemwalker Service Catalog Managerのインストールフォルダ)\SWCTMG\Dashboard\bin > addVMHostInfo -h <host_address> -u <username> -p <password> -v <vm_type>
以下のコマンドを実行します。
# cd /opt/FJSVctdsb/bin/ # ./addVMHostInfo.sh -h <host_address> -u <username> -p <password> -v <vm_type>
パラメーター
パラメーター | 説明 |
---|---|
-h <host_address> | 管理対象サーバのVMホストのIPアドレス、または、ホスト名を指定します。 |
-u <username> | 「3.2.1.1 VMホストでのリソース情報収集設定」で追加したユーザー名を指定します。 |
-p <password> | 「3.2.1.1 VMホストでのリソース情報収集設定」で追加したユーザー名に対するパスワードを指定します。 |
-v <vm_type> | 管理対象サーバの仮想化ソフトウェアの種類を指定します。仮想化ソフトウェアの種類に従って以下のいずれかを指定してください。
注)HYPERVはWindows版のみ、XENはLinux版のみで指定可能です。 |
実行例
(インストールフォルダがC:\Fujitsu\Systemwalkerの場合) > cd C:\Fujitsu\Systemwalker\SWCTMG\Dashboard\bin > addVMHostInfo -h 192.168.1.100 -u sqcsqc01 -p sqcsqc01 -v VMWARE
# cd /opt/FJSVctdsb/bin # ./addVMHostInfo.sh -h 192.168.1.100 -u sqcsqc01 -p sqcsqc01 -v VMWARE
注意
コマンドを実行した後は、必ず「3.2.3 登録情報の反映」に示す手順で登録情報の反映を行ってください。反映を行わないと登録した機器の情報がダッシュボードに表示されません。