旧バージョン(V2以前)のネーミングサービスを使用する場合の注意事項について説明します。
(1) ネーミングサービスに登録するバインディング名の指定について
OD_or_adm、odlistnsコマンドで指定するネーミングサービスに登録するバインディング名の指定方法がCORBAの標準にあわせることにより一部が変更されました。
コマンド入力時、新しい指定方法でバインディング名を指定してください。
ネーミングサービスの資産には影響はありません。新しいバインディング名の指定方法は、“9.4 文字列表記のバインディング名”を参照してください。
V2までのバインディング名の指定は以下のとおりです。
ネーミングコンテキストを含むオブジェクトリファレンスを階層で指定することが可能です。この場合、先頭を'/'とするフルパスで指定し、'/'で区切ります。先頭が'/'の場合には、バインディング名がコンパウンド名とみなされるため、“/name”はエラーとなります。
(2) 旧バージョンのINTERSTAGEとの混在運用について
ネーミングサービスの拡張機能のサポートにより、ネーミングサービスのインタフェース名が変更されました。このため、以下の運用形態でネーミングサービスのイニシャルサービスへ登録する場合は、従来のインタフェースIDで再度初期化を行う必要があります。
従来のインタフェースIDでネーミングサービスを初期化することは、拡張機能を使用しない設定となります。この設定を行った場合には、拡張機能を使用することはできません。
1) V2以前のパッケージがインストールされているマシンのJavaクライアントから、V3以降のネーミングサービスにアクセスする場合。
2) V3以降のサーバパッケージがインストールされているマシンから、以下のいずれかのネーミングサービスにアクセスする場合。
V2以前のサーバパッケージがインストールされているマシンのネーミングサービス
V3以降のサーバパッケージがインストールされているマシンの拡張機能を使用しない設定で初期化されているネーミングサービス
以下に示す2つのオペレーションを実行してください。
1) isinit、またはodadminコマンドによるネーミングサービスの設定後、odsetnsコマンドでネーミングサービスの再登録を行ってください。odsetnsコマンドについては、備考を参照してください。
2) nsconfigファイルのパラメタ“ext_intf”に“no”を指定してください。
ネーミングサービスの拡張機能とは、CosNaming::NamingContextExtインタフェースで提供されるto_string、to_name、to_url、resolve_strの4つのオペレーションです。
odsetnsコマンドについて、以下に説明します。なお、本コマンドの投入時には、CORBAサービスが起動されている、かつネーミングサービスが停止されている必要があります。また、isinit、odadminコマンドを実行するごとに実行する必要があります。
odsetns [ -l | -r -h host -p port] [ -L code ] [ -M system ]
ローカルホストのネーミングサービスを使用します。
リモートホストのネーミングサービスを使用します。
リモートホストのホスト名を指定してください。
リモートホストのポート番号を指定してください。
日本語を使用する場合、データベースに格納するコード系としてSJIS、EUCのどちらかを指定してください。
拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
odsetnsコマンドで起動時に表示されるメッセージと意味を以下に示します。下記以外のエラーが発生した場合、技術員に連絡してください。
odsetns : error occured code = 101
odsetns : reason = IDL:FJ/ImplementationBusy:1.0
ネーミングサービスが起動されています。ネーミングサービスを停止後、再度本コマンドを実行してください。
odsetns : error occured code = 1
odsetns : reason = IDL:CORBA/StExcep/UNKNOWN:1.0
CORBAサービスが起動されていません。CORBAサービスを起動後、再度本コマンドを実行してください。
(3) 旧バージョンのホスト上のネーミングサービスのリンク方法
V2以前のネーミングサービスをV3以降のネーミングサービスにリンクする機能を提供します。
OD_or_admコマンドを以下の形式で実行してください。
OD_or_adm -c IDL:CosNaming/NamingContext:1.0 -h host -p port -r context.root -n name [-L code]
以下のパラメタ以外は、上記の例のとおり指定してください。
リンクさせたいネーミングサービスが存在するホスト名を指定してください。
リンクさせたいネーミングサービスが存在するポート番号を指定してください。
登録したいバインディング名を指定してください。
日本語を使用する場合、データベースに格納するコード系としてSJIS,EUCのどちらかを指定してください。