ファイル送受信の場合に、Information Integratorで利用できる相手側システム(収集元システム、配付先システム)との接続について説明します。
ファイル送受信(ファイル受信、ファイル送信)で扱える通信プロトコルを以下の表に示します。相手側システムの環境に合わせて、利用するプロトコルを選択してください。
通信プロトコル(※1) | 説明 | |
---|---|---|
TCP/IP | FTP+ | 標準FTPにファイルの送信、受信確認などを拡張した富士通独自の通信プロトコルです。 以下の特長があります。
本プロトコルを利用する場合、相手側システムにLinkexpressが必要です。 相手側システムにLinkexpressが導入されている場合は、本プロトコルの利用を推奨します。 |
FTP | TCP/IPのファイル通信プロトコルです。 相手側システムにLinkexpressが導入されていない場合、利用してください。 | |
FTPM | 相手側システムがASPの場合に利用する富士通独自の通信プロトコルです。 本プロトコルを利用する場合は、相手側システムに、DTSが必要です。 | |
HTTP | TCP/IPのハイパーテキスト通信プロトコルです。 システムのセキュリティポリシーにより、FTP+/FTPプロトコルを使用できない場合に本プロトコルを利用します。DMZゾーンとイントラネット間のファイル転送などで利用してください。 本プロトコルを利用する場合、収集元システムに、Linkexpressが必要です。なお、本プロトコルを利用する場合は、収集元システム、配付先システムの両方にLinkexpressの導入を推奨します。 | |
HICS(FNA) | 富士通独自の通信プロトコルFNAのファイル通信プロトコルです。 FNA3手順の1次側をサポートしているグローバルサーバ/PRIMEFORCE、およびASPと、FNA接続する場合に利用します。 | |
SAN | ディスクアレイ装置を利用したSAN環境上で使用する富士通独自のファイル通信プロトコルです。 LANを利用しないため、大容量ファイル転送、およびセキュリティ保持に優れます。 本プロトコルを利用する場合、相手側システムに、Linkexpressが必要です。 | |
HULFT | 相手側システムがHULFTの場合のファイル通信プロトコルです。 |
※1:利用するプロトコルによって、使用できる機能が異なります。プロトコルごとの機能範囲については、“A.1 通信プロトコルごとの利用可能機能一覧”を参照してください。
注意
Linuxでは、HICS(FNA)、SANは、利用できません。
なお、すべての転送プロトコルは、冗送設計となっています。冗送設計とは、ファイル送受信の起動側システム(ファイル送受信の要求側)と応答側システムで正常/異常の判断が異なる場合、起動側システムで異常を検知します。起動側システムで異常を検知した場合、ファイル送受信のリトライ処理が可能となり、応答側システムでは二重(冗送)でデータを受信することがあります。
このため、冗送が発生することを考慮して、システム運用の設計を行ってください。
ただし、FTPプロトコルを除くその他のプロトコルでは、最終応答電文の通知に失敗した場合のみ冗送が発生します。最終応答電文の通知失敗は非常に稀なタイミングです。
製品名称 | プラットフォーム | プロトコル一覧(※1) | 備考 | ||||||
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FTP+ | FTP | FTPM | HTTP | HICS (FNA) | SAN | HULFT | |||
Linkexpress | Windows | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | × | |
Linkexpress Advanced Edition | Windows | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | |
Linkexpress SAN option | Windows | × | × | × | × | × | ○ | × | |
Linkexpress Standard Edition | Windows | ○ | × | ○ | × | ○ | × | × | |
Linkexpress Enterprise Edition | Windows | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | |
Linkexpress File Transfer | OS IV/MSP | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × | |
DTS | OS IV/MSP | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × | FTPMプロトコルは、BFTPと表現しています。 |
ASP | × | × | ○ | × | × | × | × | ||
HICS | OS IV/MSP | × | × | × | × | ○ | × | × | |
ASP | × | × | × | × | ○ | × | × | ||
HULFT | - | × | × | × | × | × | × | ○ | |
標準FTPツール ※2 | - | × | ○ | × | × | × | × | × |
※1:利用する通信プロトコルによって、使用できる機能が異なります。通信プロトコルごとの機能範囲については、“A.1 通信プロトコルごとの利用可能機能一覧”を参照してください。
※2:Information IntegratorがサポートするFTPコマンドの範囲で接続する必要があります。Windows上で動作するFTPクライアントツールは、接続できません。Information IntegratorがサポートするFTPコマンドの範囲は、“付録D Information IntegratorがサポートするFTPのコマンド”を参照してください。
Information Integratorサーバのインストールディレクトリ、およびInformation Integratorサーバがアクセスする送受信ファイルの格納ディレクトリ(相手側システム)のファイルシステムの留意事項について説明します。
Windowsの場合
Windowsの場合について説明します。
Information Integratorがサポートしているファイルシステムは、NTFSです。FAT32ファイルシステムは、利用できません。
圧縮属性のドライブ、フォルダ、およびファイルは利用しないでください。圧縮属性の場合、通常のI/O処理と比較して、性能上のオーバヘッドが発生します。このため、I/O量に依存してOSリソースの不足によるアクセスエラーが発生することがあります。
※圧縮属性は、エクスプローラ上で該当のドライブ、フォルダ、およびファイルのプロパティで、確認、変更できます。
暗号化属性のフォルダ、およびファイルは利用しないでください。暗号化属性の場合、Information Integratorサーバの実行者とフォルダ、およびファイルの作成者が異なるためアクセスエラーが発生します。
※暗号化属性は、エクスプローラ上で該当のフォルダ、およびファイルのプロパティでの確認、変更できます。
Solarisの場合
Solarisの場合について説明します。
ZFSファイルシステムは、利用できません。