管理サーバでセットアップを行います。
セットアップの流れを以下に示します。
図B.2 マネージャサービスのセットアップの流れ
以下の手順で、マネージャのクラスタサービス(クラスタアプリケーション)のセットアップを行います。
セットアップは、OSの管理者権限で行ってください。
インストール時に、イメージファイル格納ディレクトリをデフォルトディレクトリ(/var/opt/FJSVscw-deploysv/depot)から変更している場合は、手順6.のa.でイメージファイル格納ディレクトリも共用ディスク上に配置されるように変更してください。
クラスタアプリケーションの停止(プライマリノード)
既存の業務(クラスタアプリケーション)に追加する場合
マネージャを既存の業務(クラスタアプリケーション)に追加する場合は、クラスタシステムの運用管理ビュー(Cluster Admin)を使用して業務(クラスタアプリケーション)を停止します。
共用ディスク、引継ぎ論理IPアドレスの設定(プライマリノード/セカンダリノード)
共用ディスクの設定
PRIMECLUSTER GDSを使用して、共用ディスクの設定を行います。
詳細については、PRIMECLUSTER Global Disk Servicesのマニュアルを参照してください。
引継ぎ論理IPアドレスの設定
PRIMECLUSTER GLSを使用して、引継ぎ論理IPアドレスの設定を行います。
引継ぎ論理IPアドレスは、後続の手順で活性化する必要があるため、この段階ではPRIMECLUSTERへのリソース登録(/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc createコマンドの実行)は行わないでください。
既存の業務(クラスタアプリケーション)に追加する場合
既存の引継ぎ論理IPアドレスを利用する場合は、PRIMECLUSTER GLSの仮想インタフェース情報を、PRIMECLUSTER用のリソースから削除してください。
詳細については、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。
共用ディスクのマウント(プライマリノード)
マネージャ用の共用ディスクをプライマリノードにマウントします。
引継ぎ論理IPアドレスの活性化(プライマリノード)
プライマリノードで、マネージャ用の引継ぎ論理IPアドレスを活性化します。
詳細については、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。
マネージャの起動設定の変更(プライマリノード)
マネージャの起動処理が、OSではなく、クラスタシステムに制御されるように設定します。
プライマリノードで、以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVrcvmr/cluster/bin/rcxclchkconfig setup <RETURN> |
動的ディスクのファイルコピー(プライマリノード)
マネージャ用の共用ディスクに、プライマリノードのマネージャの、動的ディスクのファイルをコピーします。
共用ディスクにディレクトリ"共用ディスクのマウント先/RCoordinator"を作成します。
プライマリノードのローカルディスクのディレクトリとファイルを、作成したディレクトリ配下にコピーします。
以下のコマンドを実行します。
# tar cf - コピー元 | tar xf - -C 共用ディスクのマウント先/RCoordinator/ <RETURN> |
注意
tarコマンド実行時に以下のメッセージが出力される場合があります。動作に影響はないため無視してください。
tar: メンバ名から先頭の `/' を取り除きます
tar: ファイル名: ソケットは無視します
コピーするディレクトリ・ファイル
/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx/rcxdb.pwd
/etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
/etc/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx_secret.key
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf
/var/opt/FJSVrcvmr
/etc/opt/FJSVscw-common
/var/opt/FJSVscw-common
/etc/opt/FJSVscw-tftpsv
/var/opt/FJSVscw-tftpsv
/etc/opt/FJSVscw-pxesv
/var/opt/FJSVscw-pxesv
/etc/opt/FJSVscw-deploysv
/var/opt/FJSVscw-deploysv
/etc/opt/FJSVscw-utils
/var/opt/FJSVscw-utils
コピーした以下のディレクトリ名とファイル名を変更します。
以下のコマンドを実行します。変更先ファイル名(またはディレクトリ名)には、必ず、変更元ファイル名(またはディレクトリ名)_oldの名前を指定してください。
# mv -i 変更元ファイル名(またはディレクトリ名) 変更先ファイル名(またはディレクトリ名) <RETURN> |
/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx/rcxdb.pwd
/etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
/etc/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx_secret.key
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf
/var/opt/FJSVrcvmr
/etc/opt/FJSVscw-common
/var/opt/FJSVscw-common
/etc/opt/FJSVscw-tftpsv
/var/opt/FJSVscw-tftpsv
/etc/opt/FJSVscw-pxesv
/var/opt/FJSVscw-pxesv
/etc/opt/FJSVscw-deploysv
/var/opt/FJSVscw-deploysv
/etc/opt/FJSVscw-utils
/var/opt/FJSVscw-utils
共用ディスクへのシンボリックリンク作成(プライマリノード)
コピーしたディレクトリ・ファイルへのシンボリックリンクを作成します。
プライマリノードのローカルディスク上のディレクトリとファイルから、共用ディスク上のディレクトリとファイルに対するシンボリックリンクを設定します。
以下のコマンドを実行します。
# ln -s 共用ディスク ローカルディスク <RETURN> |
共用ディスクには、「表B.8 リンクするディレクトリ」または「表B.9 リンクするファイル」の共用ディスクを指定します。
ローカルディスクには、「表B.8 リンクするディレクトリ」、「表B.9 リンクするファイル」のローカルディスクを指定します。
共用ディスク | ローカルディスク |
---|---|
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate | /etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf | /etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/var/opt/FJSVrcvmr | /var/opt/FJSVrcvmr |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVscw-common | /etc/opt/FJSVscw-common |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/var/opt/FJSVscw-common | /var/opt/FJSVscw-common |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVscw-tftpsv | /etc/opt/FJSVscw-tftpsv |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/var/opt/FJSVscw-tftpsv | /var/opt/FJSVscw-tftpsv |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVscw-pxesv | /etc/opt/FJSVscw-pxesv |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/var/opt/FJSVscw-pxesv | /var/opt/FJSVscw-pxesv |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVscw-deploysv | /etc/opt/FJSVscw-deploysv |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/var/opt/FJSVscw-deploysv | /var/opt/FJSVscw-deploysv |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVscw-utils | /etc/opt/FJSVscw-utils |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/var/opt/FJSVscw-utils | /var/opt/FJSVscw-utils |
共用ディスク | ローカルディスク |
---|---|
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx/rcxdb.pwd | /opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx/rcxdb.pwd |
共用ディスクのマウント先/RCoordinator/etc/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx_secret.key | /etc/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx_secret.key |
イメージファイル格納ディレクトリを変更する場合、以下を行ってください。
イメージファイル格納ディレクトリを変更する場合は、「ServerView Resource Coordinator VE コマンドリファレンス」の「5.5 rcxadm imagemgr」を参照し、イメージファイル格納ディレクトリのパスを変更してください。
また、変更後のイメージファイル格納ディレクトリは、共用ディスク上のディレクトリを指定してください。
マネージャの管理LANのIPアドレス変更(プライマリノード)
マネージャの管理LANのIPアドレスを変更します。
以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm mgrctl modify -ip IPアドレス <RETURN> |
IPアドレス には、手順4.で活性化した管理LANのIPアドレスを指定します。
引継ぎ論理IPアドレスの非活性化(プライマリノード)
プライマリノードで、マネージャ用の引継ぎ論理IPアドレスを非活性化します。
詳細については、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。
共用ディスクのアンマウント(プライマリノード)
マネージャ用共用ディスクをプライマリノードからアンマウントします。
共用ディスクのマウント(セカンダリノード)
マネージャ用共用ディスクをセカンダリノードにマウントします。
マネージャの起動設定の変更(セカンダリノード)
マネージャの起動処理が、OSではなく、クラスタシステムに制御されるように設定します。
セカンダリノードで、手順5.と同じコマンドを実行します。
共用ディスクへのシンボリックリンクの作成(セカンダリノード)
手順6.のc.に記載されているディレクトリ名とファイル名を変更します。
共用ディスクへのシンボリックリンクを設定します。
セカンダリノードのローカルディスク上のディレクトリとファイルから、共用ディスク上のディレクトリとファイルに対するシンボリックリンクを設定します。
シンボリックを設定するディレクトリ・ファイルは、「表B.8 リンクするディレクトリ」と「表B.9 リンクするファイル」と同じです。
共用ディスクのアンマウント(セカンダリノード)
マネージャ用共用ディスクをセカンダリノードからアンマウントします。
引継ぎ論理IPアドレスのリソース登録(プライマリノード/セカンダリノード)
PRIMECLUSTER GLSで引継ぎ論理IPアドレスをPRIMECLUSTERのリソースとして登録します。
注意
既存の引継ぎ論理IPアドレスを利用する場合でも、手順2.で一度削除しているため、リソース登録が必要です。
詳細については、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。
クラスタリソース/クラスタアプリケーションの作成(プライマリノード)
クラスタシステムのRMS Wizardを使用して、クラスタサービス(クラスタアプリケーション)上に以下の必要なPRIMECLUSTERのリソースを作成します。
新規にクラスタサービス(クラスタアプリケーション)を作成する場合は、Application-Createを選択してMachines[0]にプライマリノード、Machines[1]にセカンダリノードを指定して作成したあと、作成したクラスタサービス(クラスタアプリケーション)上に以下のリソースを作成します。
RMS Wizardによる設定はクラスタを構成するどれかのノードに対して行います。
詳細については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
Cmdlineリソース
リソースコーディネータ用のCmdlineリソースを作成します。
RMS Wizardで"CommandLines"を選択して以下の設定を行います。
- Startスクリプト: /opt/FJSVrcvmr/cluster/cmd/rcxclstartcmd
- Stopスクリプト: /opt/FJSVrcvmr/cluster/cmd/rcxclstopcmd
- Checkスクリプト: /opt/FJSVrcvmr/cluster/cmd/rcxclcheckcmd
注意
クラスタサービス(クラスタアプリケーション)の属性値StandbyTransitionsについて値なし以外を設定する場合は、ALLEXITCODES(E)、STANDBYCAPABLE(O)のFlagを有効に設定します。
既存の業務(クラスタアプリケーション)に追加する場合
既存の業務(クラスタアプリケーション)に、Cmdlineリソースを追加する場合の起動優先度については、業務(クラスタアプリケーション)に共存する他の製品の制約に合わせて決定してください。
Glsリソース
クラスタシステムで使用する引継ぎ論理IPアドレスを設定します。
RMS Wizardで"Gls:Global-Link-Services"を選択して引継ぎ論理IPアドレスを設定します。
既存の引継ぎ論理IPアドレスを利用する場合は、本作業は必要ありません。
Fsystemリソース
共用ディスクのマウントポイントを設定します。
RMS Wizardで"LocalFileSystems"を選択してファイルシステムを設定します。マウントポイントの定義を行っていない場合は、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照して定義を行ってください。
Gdsリソース
共用ディスク用に作成した設定を指定します。
RMS Wizardで"Gds:Global-Disk-Services"を選択して共用ディスクを設定する。共用ディスク用に作成した設定を指定します。
クラスタアプリケーションの属性を設定します。
新規にクラスタサービス(クラスタアプリケーション)を作成した場合、クラスタシステムのRMS Wizardを使用して属性を設定します。
Machines+Basicsの設定で、AutoStartUpを"yes"に設定します。
Machines+Basicsの設定で、AutoSwitchOverの値を"HostFailure|ResourceFailure|ShutDown"に設定します。
Machines+Basicsの設定で、HaltFlagを"yes"に設定します。
ホットスタンバイ運用を行う場合は、Machines+Basicsの設定でStandbyTransitionsを"ClearFaultRequest|StartUp|SwitchRequest"に設定します。
HBA address rename設定サービスをクラスタシステムに設定する場合は、必ずホットスタンバイ運用を設定してください。
設定完了後、変更を保存してConfiguration-GenerateとConfiguration-Activateを行います。
HBA address rename設定サービスのセットアップ(プライマリノード/セカンダリノード)
HBA address rename設定サービスをクラスタシステムに設定する場合
クラスタシステムにマネージャと共にHBA address rename設定サービスを設定する場合は、本手順を行ってください。
本手順を行うことで、クラスタの待機系ノードでHBA address rename設定サービスが起動します。
HBA address rename設定サービスの起動設定(プライマリノード)
HBA address rename設定サービスの起動設定を行います。
以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVrcvhb/cluster/bin/rcvhbclsetup <RETURN> |
HBA address rename設定サービスの設定(プライマリノード)
HBA address rename設定サービスの設定を行います。
プライマリノードで、以下のコマンドを実行します。
# /opt/FJSVrcvhb/bin/rcxhbactl modify -ip IPアドレス <RETURN> |
マネージャ用の引継ぎ論理IPアドレスを指定します。
マネージャと通信するためのポート番号を指定します。インストール時のポート番号は23461です。
HBA address rename設定サービスの起動設定(セカンダリノード)
HBA address rename設定サービスの起動設定を行います。
セカンダリノードで、手順a.と同じコマンドを実行します。
HBA address rename設定サービスの設定(セカンダリノード)
HBA address rename設定サービスの設定を行います。
セカンダリノードで、手順b.と同じコマンドを実行します。
クラスタアプリケーションの起動(プライマリノード)
クラスタシステムの運用管理ビュー(Cluster Admin)を使用してマネージャのクラスタサービス(クラスタアプリケーション)を開始します。