ここでは、マネージャのアップグレードについて説明します。
マネージャをクラスタで運用している場合は、アップグレードインストールによる移行はできません。手動でアップグレードしてください。
移行資産
マネージャ上で移行の対象になる資産は以下のとおりです。
本製品の設定情報(旧バージョン環境で構築された本製品の設定情報)
証明書
システムイメージとクローニングマスタ(イメージファイル格納フォルダ配下のファイル)
また、アップグレードインストールによる移行では、以下の資産も移行対象になります。
ポート番号の設定
消費電力データ
イベント連携機能のバッチファイル/スクリプトファイル
アップグレードインストールにより移行資産が以下のフォルダに退避されます。アップグレードが完了するまで、以下のフォルダは決して削除しないでください。
【Windows】
ドライブ名\Program Files\RCVE-upgradedata
【Linux】
/var/opt/RCVE-upgradedata
/var/opt/backupscwdir
事前準備
アップグレードする前に、以下の準備と確認を行ってください。
本バージョンのマネージャが動作可能な環境であるか確認してください。
動作環境については、「第1章 動作環境」を参照してください。
何らかの原因でアップグレードが異常終了した場合の復旧に備え、管理サーバのバックアップを行ってください。管理サーバのバックアップについては、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 運用ガイド」または旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「付録B 管理サーバのバックアップ・リストア」を参照してください。
管理サーバのバックアップに加え、以下の情報を退避(コピー)してください。
ポート番号の設定
【Windows】
ドライブ名\WINDOWS\system32\drivers\etc\services
【Linux】
/etc/services
イベント連携機能のバッチファイル/スクリプトファイル
【Windows】
インストールフォルダ\Manager\etc\trapop.bat
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/trapop.sh
V13.2、V13.3から手動でアップグレードする場合、またはクラスタで運用しているマネージャを手動でアップグレードする場合は、以下の準備と確認を行ってください。
アップグレード完了後の確認のため、VMゲストが存在するVMホストを登録している場合は、旧バージョンのリソースコーディネータVE画面またはRCコンソールからすべてのVMゲストが表示されているか確認、記録しておいてください。
サーバ切替えの設定を行っている場合、予備サーバに切り替わった状態ではアップグレードできません。アップグレード作業を開始する前に復旧させてください。復旧方法については、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 運用ガイド」、または旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」のサーバ切替えの記事を参照してください。
以下の情報は、移行されません。アップグレード時に再設定が必要です。旧バージョンのリソースコーディネータVE画面またはRCコンソールから設定情報を記録しておいてください。
ユーザアカウント情報
各管理対象サーバのエージェント登録状態、および保守モードの設定状態
予備サーバ設定(VMホストを予備サーバとして設定している場合)
以下の資産は移行されません。
消費電力データ
V13.3以降の旧バージョンで電力監視を行っている場合、採取した消費電力データは移行されません。必要な場合は消費電力データをCSV形式で出力し保存してください。出力方法については「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 運用ガイド」の「11.2 消費電力データの出力」、または旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」を参照してください。
アップグレードインストールによるアップグレード
V2.1.0以降から本バージョンへのアップグレードは、本製品のインストーラによるアップグレードインストールを利用できます。以下の手順で、アップグレードを行ってください。
注意
アップグレード作業が完了するまで、マネージャ、エージェント、その他機器のハードウェア設定、および構成を変更しないでください。
アップグレードインストール時は、旧バージョンのインストール先フォルダ、および配下のフォルダやファイルを、コマンド プロンプト、エクスプローラまたはエディタなどで参照しないでください。
参照している場合、アップグレードインストールが失敗します。
アップグレードインストールに失敗した場合は、参照を中止して再度アップグレードインストールを実行してください。
アップグレードインストールに失敗した場合は、失敗した原因を取り除き、再度アップグレードインストールを実行してください。再度アップグレードインストールを実行しても問題が解決しない場合は、当社技術員に連絡してください。
アップグレードを中止し、旧バージョンを復旧する場合は、事前準備でバックアップした情報を元に復旧してください。
復旧する場合、旧バージョンまたは本バージョンのマネージャがインストールされている場合は、アンインストールしてください。
復旧後、移行資産を退避したフォルダが存在する場合は削除してください。管理サーバの復旧(リストア)については、旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」を参照してください。
アップグレードインストールにより、旧バージョンに適用されていた修正は削除されます。
【Linux】
UpdateAdvisor(ミドルウェア)のコマンドを任意の場所で実行するためにPATH変数を設定していない場合、旧バージョンに適用されていた修正は削除されますが、製品情報とコンポーネント情報が削除されません。UpdateAdvisor(ミドルウェア)のマニュアルを参照し、修正適用管理簿から製品情報とコンポーネント情報を削除してください。
マネージャをクラスタで運用している場合は、アップグレードインストールによる移行はできません。手動でアップグレードしてください。
アップグレードインストール
【Windows】
「2.1.2 インストール【Windows】」を参照して、本製品のインストーラを実行します。
本製品のセットアップ画面が表示されます。使用許諾契約などの内容を確認し、<はい(Y)>ボタンをクリックしてください。
旧バージョンから引き継ぐ設定内容が表示されるので確認し、<インストール(I)>をクリックしてください。アップグレードインストールが開始されます。
【Linux】
「2.1.3 インストール【Linux】」を参照して、本製品のインストーラを実行します。
使用許諾契約などの内容を確認し、"y"を入力してください。
旧バージョンから引き継ぐ設定内容が表示されるので確認し、"y"を入力してください。アップグレードインストールが開始されます。
アップグレードインストール終了後の再起動【Windows】
アップグレードインストールが終了したあと、アップグレードを完了させるためにシステムを再起動します。
注意
エージェントのアップグレードを行わずに、システムイメージのバックアップ、およびクローニングマスタの採取を使用する場合は、マネージャのアップグレード完了後に管理対象サーバを再起動するか、"イメージファイルの採取・配付とサーバ起動制御"のサービスの再起動を行ってください。
管理対象サーバ、および"イメージファイルの採取・配付とサーバ起動制御"のサービスの再起動は、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 導入ガイド」の「5.2 エージェント」、または旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「5.2 エージェント」を参照してください。
手動によるアップグレード
V13.2、V13.3またはクラスタで運用している旧バージョンのマネージャから、本バージョンへのアップグレードは、一括設定の構成定義ファイルの読込み(インポート)、および構成定義ファイルの書出し(エクスポート)を利用して行います。以下の手順で、アップグレードを行ってください。
参照
一括設定については、以下のマニュアルを参照してください。
「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 導入ガイド」
「第7章 一括設定」
「付録D 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」
「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」
「第7章 一括設定」
「付録D 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」
注意
V13.2からのアップグレードの場合、手順2.が完了するまでV13.2のクライアントをアンインストールしないでください。
アップグレード作業が完了するまで、マネージャ、エージェント、その他機器のハードウェア設定、および構成を変更しないでください。
クラスタで運用しているマネージャからのアップグレードの場合、以降の手順の中でSystemwalker Resource Coordinator Virtual server Editionのマニュアルを参照している箇所は、旧バージョンのServerView Resource Coordinator VEのマニュアルに読み替えてください。
保守モードの設定
旧バージョンのリソースコーディネータVE画面またはRCコンソールから、すべての管理対象サーバを保守モードに設定してください。
構成定義ファイルの書出し(エクスポート)
旧バージョンの一括設定を利用し、構成定義ファイルをCSV形式で出力します。エクスポート中は、本製品の他の操作を実行しないでください。
出力方法については、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 導入ガイド」を参照してください。
移行資産の退避(コピー)
旧バージョンの証明書の退避(コピー)を行ってください。
以下のフォルダまたはディレクトリを退避(コピー)してください。
【Windows】
V13.2、V13.3の場合
インストールフォルダ\Site Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
インストールフォルダ\Domain Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
インストールフォルダ\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
インストールフォルダ\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
V2.1.0以降の場合
インストールフォルダ\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
インストールフォルダ\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
インストールフォルダ\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
インストールフォルダ\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.crt
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.key
旧バージョンのシステムイメージ、クローニングマスタが格納されているフォルダをインストールフォルダとイメージファイル格納フォルダ配下以外の場所に退避(コピー)してください。
デフォルトのイメージファイル格納フォルダを使用している場合は以下のフォルダまたはディレクトリを退避(コピー)してください。
【Windows】
インストールフォルダ\ScwPro\depot\Cloneimg
【Linux】
/var/opt/FJSVscw-deploysv/depot/CLONEIMG
デフォルトから変更している場合は、変更先の"Cloneimg"フォルダまたは"CLONEIMG"ディレクトリを退避(コピー)してください。
注意
マネージャをクラスタで運用している場合、上記のフォルダまたはディレクトリは共有ディスク上に配置されています。配下のファイル、フォルダまたはディレクトリが正しく退避(コピー)されているか確認してください。
なお、退避(コピー)先は共有ディスク上のフォルダまたはディレクトリでも問題ありませんが、マネージャのクラスタサービスのセットアップ時に作成した、"RCoordinator"配下以外の場所を指定してください。
マネージャをクラスタで運用している場合、フォルダまたはディレクトリの退避(コピー)はプライマリノードで実行してください。
システムイメージ、クローニングマスタを退避(コピー)する前に、ディスク容量を確認してください。システムイメージ、クローニングマスタのディスク容量については、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition インストールガイド」を参照してください。システムイメージ、クローニングマスタが格納されているフォルダが存在しない場合、この手順は必要ありません。
旧バージョンのマネージャのアンインストール
「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition インストールガイド」を参照し、旧バージョンのマネージャをアンインストールしてください。
マネージャをクラスタで運用している場合は、旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「B.4 設定解除」を参照し、クラスタサービスの削除、および旧バージョンのマネージャをアンインストールしてください。
注意
「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition インストールガイド」の事前準備に記載されている"サーバの削除"は行わないでください。HBA address renameを利用している管理対象サーバを削除した場合、マネージャのアップグレード完了後に管理対象サーバの再起動が必要です。
マネージャをアンインストールすると、ユーザアカウントの情報も削除されます。手順6.を参照してRCコンソールから再設定してください。
V13.2のマネージャとクライアントが共存している環境の場合、旧バージョンのマネージャをアンインストールしたあとに、V13.2のクライアントをアンインストールしてください。
本バージョンのマネージャのインストール
本バージョンのマネージャをインストールします。
インストールについては、「2.1 マネージャのインストール」を参照してください。
マネージャをクラスタで運用している場合は、「付録B マネージャのクラスタ運用設定・削除」を参照し、マネージャのインストール、およびクラスタサービスのセットアップを行ってください。
注意
マネージャインストール時の[管理LANの選択]画面では、旧バージョンと同一の管理LANを指定してください。
マネージャのインストール後、以下の手順で、手順3.で退避(コピー)した証明書とイメージファイル格納フォルダを復元してください。
マネージャを停止します。
退避(コピー)したイメージファイル格納フォルダをインストール時に指定したフォルダに復元します。
デフォルトのイメージファイル格納フォルダを使用している場合は、以下のフォルダまたはディレクトリに復元してください。
【Windows】
インストールフォルダ\ScwPro\depot\Cloneimg
【Linux】
/var/opt/FJSVscw-deploysv/depot/CLONEIMG
デフォルトから変更している場合は、変更先のフォルダに復元してください。
イメージファイル格納フォルダを退避していない場合、この手順は必要ありません。
退避(コピー)した証明書を、マネージャのインストールフォルダに復元します。
以下のフォルダまたはディレクトリに復元してください。
【Windows】
インストールフォルダ\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
インストールフォルダ\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
インストールフォルダ\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
インストールフォルダ\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.crt
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.key
事前準備で退避した情報を復元します。
ポート番号の設定
退避した情報に従って、ポート番号を変更してください。
ポート番号の変更方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「6.3.1.2 ポート番号の変更」を参照してください。
ポート番号をデフォルトから変更していない場合、この手順は必要ありません。
イベント連携機能のバッチファイル/スクリプトファイル
以下のファイルを置き換えて復元してください。
【Windows】
インストールフォルダ\Manager\etc\trapop.bat
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/trapop.sh
マネージャを起動します。
マネージャの起動方法と停止方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「5.1 マネージャ」を参照してください。
注意
マネージャをクラスタで運用している場合、以下に注意してください。
イメージファイル格納フォルダと証明書の復元は、共有ディスクがマウントされた状態で、かつプライマリノードで行ってください。
イベント連携機能のバッチファイル/スクリプトファイルの復元は、両ノードで行ってください。
添付パッチの適用
本製品のCD-ROMに同梱されているパッチを適用します。
適用方法については、パッチの修正情報ファイル(README)を参照してください。
ユーザアカウントの設定
事前準備で記録した情報に従って、RCコンソールから、ユーザアカウントの設定を行います。
ユーザアカウントの設定については、「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「第4章 ユーザアカウント設定」を参照してください。
構成定義ファイルの編集
旧バージョンで構築していた環境に応じて、手順2.でエクスポートした構成定義ファイル(CSV形式)を編集します。
すべてのリソースの操作欄を"new"に変更してください。
V13.3以降からアップグレードする場合は、以下のセクションに含まれるリソースの操作欄は"new"に変更しないでください。
ServerAgent
ServerVMHost
Memo
構成定義ファイル(CSV形式)の編集方法については、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 導入ガイド」を参照してください。
注意
予備サーバにVMホストが設定されている場合、"(3)サーバブレードの管理情報"の"サーバ切替え設定"で、すべての項目("予備サーバ名"、"VLAN切替え"、"自動切替え")をハイフン("-")にしてください。
本バージョン環境の構築
構成定義ファイルの読込み(インポート)を行い、本バージョンの環境を構築します。
以下の手順で、本バージョン環境の構築を行ってください。
構成定義ファイルの読込み(インポート)
編集が完了した構成定義ファイルの読込み(インポート)を行います。
読込み方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「7.2 構成定義ファイルの読込み(インポート)」を参照してください。
エージェントの登録
RCコンソールから、事前準備で記録した情報に従って、エージェントを登録します。エージェントの登録は、管理対象サーバのOSが起動した状態で行ってください。
エージェントの登録については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「6.2.3 ソフトウェアのインストールとエージェントの登録」を参照してください。
エージェントの登録完了後、RCコンソールからすべての物理OS、VMホストが表示されているか確認してください。VMゲストが存在するVMホストを登録している場合は、すべてのVMゲストが表示されているか確認してください。
予備サーバ情報の設定(VMホストを予備サーバとして設定している場合だけ)
RCコンソールから、事前準備で記録した情報に従って、予備サーバ情報を登録します。
予備サーバ情報の登録については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「9.6 設定」を参照してください。
ラベル・コメント・連絡先情報の登録
本操作はV13.2からアップグレードする場合は必要ありません。
ラベル、コメント、および連絡先情報を登録していた場合、手順7.で"new"に変更した構成定義ファイル(CSV形式)の操作欄をハイフン("-")に戻し、[Memo]セクションに含まれるリソースの操作欄を"new"に変更してください。
構成定義ファイル(CSV形式)の編集方法については、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 導入ガイド」を参照してください。
編集が完了したら、構成定義ファイルの読込み(インポート)を行います。
読込み方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「7.2 構成定義ファイルの読込み(インポート)」を参照してください。
保守モードの設定
事前準備で記録した情報に従って、アップグレードを行う前に保守モードに設定していた管理対象サーバを、保守モードに設定してください。
保守モードの設定については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「付録F 保守モード」を参照してください。
注意
エージェントのアップグレードを行わずに、システムイメージのバックアップ、およびクローニングマスタの採取を使用する場合は、マネージャのアップグレード完了後に管理対象サーバを再起動するか、「イメージファイルの採取・配付とサーバ起動制御」のサービスの再起動を行ってください。
「イメージファイルの採取・配付とサーバ起動制御」のサービスの再起動については、「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition 導入ガイド」の「5.2 エージェント」を参照してください。