アドバンスト・コピーは、サーバのCPUを使用せずにストレージだけで高速にコピーを作成する機能で、ある時点の業務ボリュームのデータを、短時間で同じディスクアレイ内の別のボリュームにコピーします。
コピーが完了し、業務ボリュームと同じ内容になったコピー先ボリューム(以降では、複製ボリュームと称します)は、業務ボリュームと切り離されるため、業務を継続しても書き換えられることはありません。
したがって、複製ボリュームのデータを使えば、業務を継続しながらある時点の業務ボリュームのデータをテープ装置へバックアップすることができます。
アドバンスト・コピーの方法
アドバンスト・コピーは、3つのクローンコピー機能(EC、OPC、QuickOPC)と、1つのスナップショットコピー機能(SnapOPC+)を提供します。
クローンコピーは、オリジナルのデータを完全にコピーする機能です。
スナップショットコピーは、オリジナルのデータを仮想的にコピーする機能です。
常に業務ボリュームの更新と同期した複製を作成する機能です。(二重切り離し方式)
同期コピーしている業務ボリュームと複製ボリュームを必要な時点で切り離し、業務ボリュームで業務を継続しながら複製ボリュームをテープ装置へバックアップすることが可能です。また、2回目以降のコピーは更新分だけ行うサスペンド・レジューム機能を提供しています。
任意のタイミングで業務ボリュームのすべての複製を作成する機能です。(バックグラウンド・コピー方式)
必要になった時点で業務ボリュームから複製ボリュームに、短時間でデータを論理コピーします。そのため、物理コピーの完了を待つことなく、業務ボリュームで業務を継続しながら、複製ボリュームをテープ装置へバックアップすることが可能です。
一度、業務ボリュームの全データの複製を作成し、その後更新分(差分)だけを複製ボリュームにコピーする機能です。(バックグラウンド・コピー方式)
バックアップ時間の短縮が求められる大規模データベースなどのバックアップに適しています。
データの更新時に、更新前のデータだけを複製する機能です。(コピー・オン・ライト方式)
クローンコピーに比べ容量をおさえることができるので、比較的更新量の少ないファイルサーバなどのシステムのバックアップに最適です。
どのコピー方法も、ある時点のデータの状態をコピーしますが、それぞれ異なる特長、メリット、およびデメリットを持ちます。
各方式の比較を、以下に示します。詳細は各機能の記述を参照してください。
コピータイプ | クローンコピー | スナップショットコピー | ||
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機能名 | EC | OPC | QuickOPC | SnapOPC+ |
コピー方式 | 二重化切り離し方式 | バックグラウンド・コピー方式 | バックグラウンド・コピー方式 | コピー・オン・ライト方式 |
物理コピーの | 二重化切り離し前 | コピー命令発行後 | コピー命令発行後 | なし |
コピー中のコピー元アクセスに対する影響 | なし | 軽微 | 軽微 | あり |
コピー後のコピー先アクセスに対する影響 | なし | バックグラウンド・コピー中は小 | バックグラウンド・コピー中は小 | あり |
コピーセションの存在期間 | 等価状態を停止するまで | バックグラウンド・コピー完了まで | セションを停止し、コピーが完了するまで | セションを停止するまで |
コピー先の容量 | コピー元と同容量 | コピー元と同容量 | コピー元と同容量 | 更新分容量のみ |
リストア操作時のコピー動作 |
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| コピー済み分のみをコピー | リストア不可 |
適した用途 |
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注意
上記は、各コピー機能の仕組みを考慮した、一般的な比較です。
実際の各適用シーンでは、サーバへの影響の有無は異なります。