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Interstage Application Server MessageQueueDirector説明書

14.2.4 クラスタシステムの環境を作成する

  MQDをSafeCLUSTERのクラスタシステムで動作させるための環境を作成する手順について、以下の順番で説明しています。

14.2.4.1 MQDの基本機能用の状態遷移プロシジャを登録する

  SafeCLUSTER上で動作するMQDでは、状態遷移プロシジャを利用して、MQDの起動や停止を行います。状態遷移プロシジャとは、クラスタ制御からの状態遷移指示を受け取り、リソースの活性化や非活性化を制御(アプリケーションの起動や停止など)するものです。状態遷移プロシジャの詳細に関しては、“SafeCLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

  状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明しています。

状態遷移プロシジャファイルを修正する

  MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。MQD基本機能用のひな型は以下のファイルで提供しています。

  /opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQD_INTERSTAGE

  状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。

  複数のMQDシステムを使用する場合は、状態遷移プロシジャをMQDシステムごとに用意する必要がありますので、ひな型を複写して使用してください。

  なお、状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約に従ってください。

  MQDシステム名.MQD_INTERSTAGE

  例えば、MQDシステム名が“MQDSYS01”の場合には、“MQDSYS01.MQD_INTERSTAGE”となります。

  また、上記以外の設定でMQDシステムの起動と停止を行う場合は、ひな型の修正が必要です。
  状態遷移プロシジャファイルの修正内容の例を以下に示します。

MQDシステム名がMQDABCの場合

SYSNAME="MQD001"

SYSNAME="MQDABC"

MQD起動時に拡張機能を連動して起動する場合

START_OPT="-s $SYSNAME -p"

START_OPT="-s $SYSNAME"

MQD起動時にMQD資源を回収しMQDを起動する場合

START_OPT="-s $SYSNAME -p"

START_OPT="-s $SYSNAME -p -r"

状態遷移プロシジャファイルを格納する

  各ノードに状態遷移プロシジャファイルを格納します。状態遷移プロシジャファイルの格納は、状態遷移プロシジャファイル格納コマンドを実行することにより行います。-cオプションでBasicApplicationを指定してください。コマンドの詳細は“SafeCLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。以下に、clsetprocコマンドの入力例を示します。

-----------------------------------------------------------------------------------
   clsetproc  -c  BasicApplication  /opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQD_INTERSTAGE
-----------------------------------------------------------------------------------

状態遷移プロシジャをリソース登録する

  各ノードにMQD基本機能用の状態遷移プロシジャをリソース登録します。

  状態遷移プロシジャをリソース登録するには、MQDより提供する状態遷移プロシジャ登録用のシェルスクリプトを実行します。MQD基本機能用の状態遷移プロシジャをリソース登録するためのシェルスクリプトのひな型は、以下のファイルで提供しています。

  /opt/FJSVmqd/sample/ADDPROC_MQD_INTERSTAGE

  シェルスクリプトのひな型は、以下の内容に設定しています。

  登録する状態遷移プロシジャファイルに合わせて、シェルスクリプトを修正します。

状態遷移プロシジャファイル名がMQDABC.MQD_INTERSTAGEの場合

PROC_NAME="MQD001.MQD_INTERSTAGE"

PROC_NAME="MQDABC.MQD_INTERSTAGE"

起動優先度を変更したい場合

PRIORITY="100"

PRIORITY="150"

14.2.4.2 MQDの拡張機能用の状態遷移プロシジャを登録する

  MQDの拡張機能を使用する場合は、MQDの拡張機能(以下、サービスと呼びます)ごとに状態遷移プロシジャを登録します。サービスを使用しない場合は登録する必要はありません。

  状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明しています。

  なお、ACM連携サービスを使用する場合、IDCMの起動/停止/切替えやDPCF通信パスの確立/解放などの処理については、使用者が状態遷移プロシジャを作成する必要があります。状態遷移プロシジャについては、“SafeCLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。また、IDCMは引継ぎ後、ACM連携サービスを起動する前に再起動する方式となるため、リソースはACM連携サービスの状態遷移プロシジャファイル“MQDシステム名.MQDACOM.INTERSTAGE”の前に呼ばれるように起動優先度を設定してください。DPCF通信パスの確立は業務形態に合わせて任意の契機で実行するように優先度(IDCMのリソースの起動優先度より低い値)を設定してください。

  IDCMの環境設定については、運用ノードと待機ノードで同様の設定を行ってください。IDCMの環境設定については、“IDCM使用手引書”を参照してください。

  イベントチャネル連携サービスを使用する場合、イベントサービスの起動/停止/切替えやイベントチャネルの起動/停止などの処理については、使用者が状態遷移プロシジャを作成する必要があります。状態遷移プロシジャについては、“SafeCLUSTER/Standard 導入運用ガイド”を参照してください。また、イベントサービスは、イベントチャネル連携サービスを起動する前に起動している必要があるため、リソースはイベントチャネル連携サービスの状態遷移プロシジャの前に呼ばれるように起動優先度を設定してください。

  イベントサービスの環境設定については、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”を参照してください。

状態遷移プロシジャファイルを修正する

  MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。サービス用のひな型は、以下のファイルで提供しています。

  /opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQDSVC_INTERSTAGE

  状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。

  状態遷移プロシジャファイルを、使用するサービスに合わせて修正します。状態遷移プロシジャファイルは、サービスごとに必要ですので、複数のサービスを使用する場合は、ひな型を複写して使用してください。

  状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約に従ってください。

  MQDシステム名.MQDサービス名_INTERSTAGE

  例えば、MQDシステム名が“MQDSYS01”で、ACM連携サービスの場合は、“MQDSYS01.MQDACOM_INTERSTAGE”となります。

  状態遷移プロシジャファイルの修正内容の例を以下に示します。

MQDシステム名がMQDABCの場合

SYSNAME="MQD001"

SYSNAME="MQDABC"

サービス名がACOMの場合

SERVICE="SERVICE"

SERVICE="ACOM"

サービス起動時に定義反映を行う場合

START_OPT="-s $SYSNAME $SERVICE"

START_OPT="-s $SYSNAME -n $SERVICE"

状態遷移プロシジャファイルを格納する

  各ノードに状態遷移プロシジャファイルを格納します。状態遷移プロシジャファイルは、状態遷移プロシジャファイル格納コマンドを実行することにより格納します。コマンドは、-cオプションとBasicApplicationを指定してください。コマンドの詳細は“SafeCLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。以下に、clsetprocコマンドの入力例を示します。

-----------------------------------------------------------------------------------
   clsetproc  -c  BasicApplication  /opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQDSVC_INTERSTAGE
-----------------------------------------------------------------------------------

状態遷移プロシジャをリソース登録する

  各ノードにMQDサービス用の状態遷移プロシジャをリソース登録します。

  状態遷移プロシジャをリソース登録するには、MQDより提供する状態遷移プロシジャ登録用のシェルスクリプトを実行します。MQDのサービス用の状態遷移プロシジャをリソース登録するためのシェルスクリプトのひな型は、以下のファイルで提供しています。

  /opt/FJSVmqd/sample/ADDPROC_MQDSVC_INTERSTAGE

  シェルスクリプトのひな型は、以下の内容に設定しています。

  登録する状態遷移プロシジャファイルに合わせて、シェルスクリプトを修正します。

状態遷移プロシジャファイル名がMQD001.MQDACOM_INTERSTAGEの場合

PROC_NAME="MQD001.MQDSVC_INTERSTAGE"

PROC_NAME="MQD001.MQDACOM_INTERSTAGE"

起動優先度を変更したい場合

PRIORITY="200"

PRIORITY="180"

14.2.4.3 MQDのリソースを登録する

  MQDをSafeCLUSTERで動作させるために、MQD関連のリソースを登録します。登録は、クラスタ運用管理ビューを使用して行います。クラスタ運用管理ビューの詳細については“SafeCLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。表14.2 MQDのリソース一覧に登録するリソースの一覧を示します。
  なお、必要に応じて、業務アプリケーションなどのリソースも登録してください。

表14.2 MQDのリソース一覧

リソース

リソースクラス

切替えディスク

DISK

MACアドレス

MAC_Address

ネットノード名

NetNodename

IPアドレス

IP_Address

MQDの基本機能用状態遷移プロシジャ

BasicApplication

MQDの拡張機能用状態遷移プロシジャ (注)

BasicApplication

注) MQDの拡張機能用状態遷移プロシジャの登録は、拡張機能を使用しない場合は不要です。

14.2.4.4 MQDクラスタサービスを設定する

  クラスタ運用管理ビューを使用して、サービスの設定を行います。クラスタ運用管理ビューの詳細については“SafeCLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

MQDクラスタサービスの設定内容

  MQDクラスタサービスの設定内容は表14.3 サービス設定内容のとおりです。

表14.3 サービス設定内容

設定項目

設定内容

サービス名

任意

運用形態

Standby

ノード

運用ノード

運用インスタンスを登録するノード

待機ノード

待機インスタンスを登録するノード

リソース

表14.2 MQDのリソース一覧を参照

アプリケーション依存関係

図14.9 リソース起動優先度 リソース起動優先度を参照

共用ディスク装置の使用種別

切替えディスク

起動優先度

  サービスを構成するアプリケーションが複数からなり起動優先度を設定する必要がある場合は、起動順番の優先度を設定します。図14.9 リソース起動優先度に、MQDに関するリソースの起動優先度を示します。使用するリソースについて、以下の順に起動するように優先度を設定します。

図14.9 リソース起動優先度