Agentは、被監視サーバの性能情報を収集するコンポーネントです。
Agentには、以下の二つの形式があります。
インストール型Agent
被監視サーバ上にAgentをインストールし、OSまたはミドルウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集しています。
インストールレス型Agent
インストールレス型Agentでは、Managerからリモートで接続し、被監視サーバのOSまたは仮想化ソフトウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集します。被監視サーバには、Agentはインストールされません。
なお、本マニュアルでは、単に“Agent”と表現している場合、インストール型Agentを指しています。
インストール型Agentとインストールレス型Agentの機能の違いは以下の通りです。
機能 | インストール型 Agent | インストールレス型 Agent | |
---|---|---|---|
性能情報収集 | OS、Web、AP、DBの性能情報を収集する (注) 収集間隔は、1分~10分(OSの場合、1分) AgentとManagerが同期して動作するため、ほぼリアルタイムで収集され、サマリ画面に情報が表示される ある程度、Agentのサーバのシステム負荷が高くても性能情報を収集できる。 | OSのサマリ情報(CPU、メモリ、ディスクなど)、仮想資源の性能情報を収集する 収集間隔は、5分 AgentとManagerが非同期で動作するため、10分~15分程度かかって収集され、サマリ画面に情報が表示される システム負荷が高くなり、telnetやsshで通信できなくなると、性能情報を収集できなくなる場合がある。 | |
しきい値監視 | Centric Manager連携 | しきい値アラームの発生元サーバがAgentになる しきい値監視の定義はAgent側で行う | しきい値アラームの発生元サーバがAgentになる しきい値監視の定義はManager/Proxy Manager側で行う |
イベントログ/syslog | しきい値アラームの発生元サーバがManager/Proxy Managerになる しきい値監視の定義はManager/Proxy Manager側で行う | ||
メール | |||
トラップ | |||
ユーザー任意のコマンド実行 | |||
Troubleshootログ | 出力する | 出力しない |
注)収集できる項目は、インストール種別によって異なります。
インストール型Agentでは、OSまたはミドルウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集しています。
Agent上で収集された情報は、サマリデータとリソースデータに加工されて、Managerに送信されます。
サマリデータは、システムの状況を大まかに把握するためのサマライズされたデータです。たとえば、システム全体のCPU使用率やメモリ量などがこれに該当します。
リソースデータは、リソース単位に収集された詳細データです。たとえば、プロセッサごとのCPU使用率やプロセスごとのデータなどがこれに該当します。リソースデータは、さらに、表示の目的別に、3種類のデータに加工されて、Managerに送信されます。
次に、Agentが動作する上で使用する、ディレクトリの役割について説明します。
■DsaForwarder/DsaForwarder_sumディレクトリ
Managerに送信するデータを、一時的に保持しておくためのディレクトリです。DsaForwarderディレクトリにはリソースデータが、DsaForwarder_sumディレクトリにはサマリデータがそれぞれ保持されます。なお、Managerが二重化運用されている場合には、DsaForwarder2、DsaForwarder2_sumのディレクトリも使用されます。
Managerとの通信が途絶えた場合、通信が再開されるまでは、このディレクトリ配下にデータが蓄積されることになります。
注意
不通の状態が長く続くと、未送信データでディスクが圧迫されます。ディスクの空き量が少なくなると、ワーニングイベント、エラーイベントを出力し、最後にAgentのDCMサービスまたはdcmdプロセスが停止します。
ただし、ディスクの空き容量が十分あっても未送信データのファイル数が一定量(約30000 ファイル)を超えた場合には、DISK の使用量を抑えるために、60 分間隔で日付の古いファイルから自動的に削除します。ファイルが削除された場合、削除した期間の性能データに抜けが発生します。
蓄積されたファイルが不要となり、手動で削除したい場合は、導入手引書「6.8 Agent/Proxy Managerの未送信データの削除」を参照してください。
なお、本ディレクトリの具体的な位置は以下のとおりです。
【Windows版】
<可変ファイル格納ディレクトリ>\transfer\DsaForwarder <可変ファイル格納ディレクトリ>\transfer\DsaForwarder_sum |
【UNIX版】
/var/opt/FJSVssqc/temp/DsaForwarder /var/opt/FJSVssqc/temp/DsaForwarder_sum |
■Troubleshootディレクトリ
Agentが収集したサーバ性能情報を、CSVファイルの形に加工したログデータが格納されます。Managerのデータベースに格納されている情報より、さらに詳細な情報が記録されています。より詳細なトラブルシューティングを行うことを目的に保存しています。
なお、本ディレクトリの具体的な位置は以下のとおりです。
【Windows版】
<可変ファイル格納ディレクトリ>\spool\Troubleshoot1 |
【UNIX版】
/var/opt/FJSVssqc/Troubleshoot1 |
過去のログファイル
Troubleshootディレクトリ配下に、以下のファイルが出力されます。
troubleshoot1_%SYSTEM%_%N%.txt |
%SYSTEM% : システム名
%N% : ファイル番号
本ログファイルは、24時間間隔で新たに生成されます。ただし、ファイル番号(%N%)が1~<Troubleshootの保持期間>の間で、サイクリックに使用されます。
当日格納中のログファイル
Troubleshootディレクトリ配下に、以下のファイルが出力されます。
troubleshoot1.wrt |
注意
troubleshoot1.wrtファイルは、現在格納中のファイルのため、当日格納中のログデータを表示する場合は、troubleshoot1.wrtファイルを別のファイル名でコピーし、コピーしたファイルの内容を表示してください。
ポイント
本ログファイルは、CSV形式のファイルになっています。データ形式は、リファレンスマニュアル「4.3 ログデータ(Troubleshoot)情報」を参照してください。
インストールレス型Agentでは、Managerからリモートで接続し、被監視サーバのOSまたは仮想化ソフトウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集します。被監視サーバには、Agentはインストールされません。
収集された情報は、Managerでサマリデータとリソースデータに加工されて、PDBに格納されます。
リモートで性能情報を収集するときの、監視サーバと被監視サーバ(インストールレス型Agent)の通信方式は、telnetかsshを選択することができます。