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Systemwalker Service Quality Coordinator 解説書

3.2.1 Agent

Agentは、被監視サーバの性能情報を収集するコンポーネントです。

Agentには、以下の二つの形式があります。

なお、本マニュアルでは、単に“Agent”と表現している場合、インストール型Agentを指しています。


インストール型Agentとインストールレス型Agentの機能の違いは以下の通りです。

機能

インストール型

Agent

インストールレス型

Agent

性能情報収集

OS、Web、AP、DBの性能情報を収集する (注)

収集間隔は、1分~10分(OSの場合、1分)

AgentとManagerが同期して動作するため、ほぼリアルタイムで収集され、サマリ画面に情報が表示される

ある程度、Agentのサーバのシステム負荷が高くても性能情報を収集できる。

OSのサマリ情報(CPU、メモリ、ディスクなど)、仮想資源の性能情報を収集する

収集間隔は、5分

AgentとManagerが非同期で動作するため、10分~15分程度かかって収集され、サマリ画面に情報が表示される

システム負荷が高くなり、telnetやsshで通信できなくなると、性能情報を収集できなくなる場合がある。

しきい値監視

Centric Manager連携

しきい値アラームの発生元サーバがAgentになる

しきい値監視の定義はAgent側で行う

しきい値アラームの発生元サーバがAgentになる

しきい値監視の定義はManager/Proxy Manager側で行う

イベントログ/syslog

しきい値アラームの発生元サーバがManager/Proxy Managerになる

しきい値監視の定義はManager/Proxy Manager側で行う

メール

トラップ

ユーザー任意のコマンド実行

Troubleshootログ

出力する

出力しない

注)収集できる項目は、インストール種別によって異なります。


3.2.1.1 インストール型Agent

インストール型Agentでは、OSまたはミドルウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集しています。


Agent上で収集された情報は、サマリデータとリソースデータに加工されて、Managerに送信されます。

サマリデータは、システムの状況を大まかに把握するためのサマライズされたデータです。たとえば、システム全体のCPU使用率やメモリ量などがこれに該当します。

リソースデータは、リソース単位に収集された詳細データです。たとえば、プロセッサごとのCPU使用率やプロセスごとのデータなどがこれに該当します。リソースデータは、さらに、表示の目的別に、3種類のデータに加工されて、Managerに送信されます。


次に、Agentが動作する上で使用する、ディレクトリの役割について説明します。

DsaForwarder/DsaForwarder_sumディレクトリ

Managerに送信するデータを、一時的に保持しておくためのディレクトリです。DsaForwarderディレクトリにはリソースデータが、DsaForwarder_sumディレクトリにはサマリデータがそれぞれ保持されます。なお、Managerが二重化運用されている場合には、DsaForwarder2、DsaForwarder2_sumのディレクトリも使用されます。

Managerとの通信が途絶えた場合、通信が再開されるまでは、このディレクトリ配下にデータが蓄積されることになります。

注意

不通の状態が長く続くと、未送信データでディスクが圧迫されます。ディスクの空き量が少なくなると、ワーニングイベント、エラーイベントを出力し、最後にAgentのDCMサービスまたはdcmdプロセスが停止します。

ただし、ディスクの空き容量が十分あっても未送信データのファイル数が一定量(約30000 ファイル)を超えた場合には、DISK の使用量を抑えるために、60 分間隔で日付の古いファイルから自動的に削除します。ファイルが削除された場合、削除した期間の性能データに抜けが発生します。


蓄積されたファイルが不要となり、手動で削除したい場合は、導入手引書「6.8 Agent/Proxy Managerの未送信データの削除」を参照してください。


なお、本ディレクトリの具体的な位置は以下のとおりです。

Windows版】

<可変ファイル格納ディレクトリ>\transfer\DsaForwarder

<可変ファイル格納ディレクトリ>\transfer\DsaForwarder_sum


UNIX版】

/var/opt/FJSVssqc/temp/DsaForwarder

/var/opt/FJSVssqc/temp/DsaForwarder_sum


Troubleshootディレクトリ

Agentが収集したサーバ性能情報を、CSVファイルの形に加工したログデータが格納されます。Managerのデータベースに格納されている情報より、さらに詳細な情報が記録されています。より詳細なトラブルシューティングを行うことを目的に保存しています。

なお、本ディレクトリの具体的な位置は以下のとおりです。

Windows版】

<可変ファイル格納ディレクトリ>\spool\Troubleshoot1


UNIX版】

/var/opt/FJSVssqc/Troubleshoot1


3.2.1.2 インストールレス型Agent

インストールレス型Agentでは、Managerからリモートで接続し、被監視サーバのOSまたは仮想化ソフトウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集します。被監視サーバには、Agentはインストールされません。


収集された情報は、Managerでサマリデータとリソースデータに加工されて、PDBに格納されます。


リモートで性能情報を収集するときの、監視サーバと被監視サーバ(インストールレス型Agent)の通信方式は、telnetかsshを選択することができます。