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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.2 運用手引書テープバックアップ連携編

5.1.3 Suspend/Resume機能を使用したバックアップの処理

Suspend/Resume機能とは、ECによる等価性維持状態を一時中断(Suspend)/再開(Resume)する機能です。当機能を使用し、一時中断状態からの差分コピーを行うことによって、より高速な同期型バックアップ運用が可能です。

Suspend/Resume機能は、ECを利用する同期型高速バックアップの一つです。

通常の同期型高速バックアップでは、14.2.2.11 acmstartsync(バックアップ同期処理開始コマンド)でECによるコピーを開始し、コピー完了後に等価状態を保持します。その後、14.2.2.1 acmbackup(バックアップ実行コマンド)を実行してECを解除することでバックアップを行います。テープへのコピーは、通常の同期型高速バックアップと同様に、バックアップボリュームからコピーを行います。

Suspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップでは、サスペンド指定をして14.2.2.1 acmbackup(バックアップ実行コマンド)を実行すると、ECを一時停止してバックアップ完了となりますが、ECセションは保持されます。次回の14.2.2.11 acmstartsync(バックアップ同期処理開始コマンド)によるEC再開時は、一時停止以降に更新されたデータのみをコピーするので、バックアップ準備時間の短縮を図ることが可能となります。

通常の同期型高速バックアップとSuspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップの比較を、以下に示します。

図5.5 通常の同期型高速バックアップとSuspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップの比較

Suspend/Resume機能を使用して同期型高速バックアップを行うには、同期処理開始後、等価性維持状態に達したら、14.2.2.1 acmbackup(バックアップ実行コマンド)をサスペンド指定で実行し、同期処理を一時停止(Suspend)します。その後、世代溢れや履歴情報削除の実行によって履歴が削除されると、バックアップボリュームは履歴のないサスペンド状態になります。このとき、新たに同期処理を開始すると、履歴のないサスペンド状態のバックアップボリュームが優先的に選択され、差分コピーが開始されます。前回サスペンド時からの変更データのみをコピーするため、高速に等価性維持状態に達することができます。

Suspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップ運用の流れを、以下に示します。

図5.6 Suspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップ運用