デバイス・クラスの設定について説明します。
設定は、TSMのコマンドで行います。デバイス・クラスはTSMが使用できるデバイス・タイプを表します。TSMは、どのタイプの装置、テープを使用するか、デバイス・クラスを使用して判別します。デバイス・クラスの設定方法は以下のとおりです。
なお、コマンドの詳細については、TSMのマニュアル『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』を参照してください。
tsm> define devclass <デバイス・クラス名> devtype=<デバイス・タイプ> format=<フォーマット> library=<ライブラリ名> <マウント関連オプション> driveencryption=off |
デバイス・クラス名
デバイス・クラスを識別するための任意の名前を指定します。
デバイス・タイプ
デバイスの種別を指定します。
フォーマット
テープに記録する際の記録フォーマットを指定します。デフォルトは drive です。
同じライブラリ内でドライブが混合して使用されている場合は、drive の指定は避けてください。
例えば、他のドライブより高位の記録フォーマットをサポートする特定のドライブを含むライブラリでは、drive は使用しないでください。
使用するカートリッジによって指定する値が異なります。
以下のように指定してください。
Ultrium1カートリッジを使用する場合は“ultriumc”を指定。
Ultrium2カートリッジを使用する場合は“ultrium2c”を指定。
Ultrium3カートリッジを使用する場合は“ultrium3c”を指定。
Ultrium4カートリッジを使用する場合は“ultrium4c”を指定。
ライブラリ名
ライブラリ定義で設定したライブラリ名を指定します。
マウント関連オプション
テープをドライブ装置にマウントする際のオプションを指定します(省略可)。代表的なオプションは、以下のとおりです。
mountlimit
デバイス・クラスに関連付けされたライブラリ装置に搭載されているドライブ装置において、TSMが同時にドライブを使用する(同時にテープをマウントできる)上限値を指定します。2つドライブ装置を持つライブラリ装置では、「mountlimit=2」とします。省略した場合は1です(1つ以上のドライブを同時に使用できません)。
mountretention
一度マウントされたテープをTSMがアンマウントするまでの時間を指定します。この機能によって、一度マウントされたテープに対して再度マウント要求が発生した場合に、マウント時間の節約ができます。省略した場合、60分となります。テープを使用した後直ぐにアンマウントしたい場合は、「mountretention=0」(0分)にセットします。
mountwait
TSMがマウント要求をライブラリ装置に発行してから、実際にテープがマウントされるまでに、この時間以上経過すると、そのマウント要求をエラーとして返します。省略した場合、60分となります。
driveencryption={on|off}
ETERNUS LTシリーズで、Ultrium Generation 4対応ドライブを使う場合で、ドライブ暗号化機能を有効にする場合には、onを、利用しない場合もしくは暗号化に未対応ドライブを使用する場合には、off を指定します。
ドライブ暗号化を利用する場合、暗号鍵情報がTSMのデータベースに格納されます。復号にはこのデータベースの情報から行うため、データベースが破損した場合に、バックアップデータからレストアができなくなってしまう恐れがあります。このため、TSMのデータベースは定期的にバックアップをしておく必要があります。
また、NASバックアップとの混在の場合には、ドライブ暗号化の機能を利用できません。
以下は、ライブラリ名に「LT160」、デバイス・タイプに「LTO」、フォーマットに「drive」、デバイス・クラス名に「DRIVECLASS1」を設定する場合の例です。
tsm> define devclass DRIVECLASS1 devtype=LTO format=drive library=LT160 driveencryption=off |
デバイス・クラスは、以下のコマンドで確認できます。
tsm> query devclass format=detail |