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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.2 運用手引書

5.1.2 運用設計

Symfowareのバックアップ運用の設計は、以下の手順で行います。

  1. 5.1.2.1 Symfowareデータベースのバックアップ運用設計

  2. 5.1.2.2 バックアップ運用を行うサーバの決定

  3. 5.1.2.3 バックアップ対象の決定

  4. 5.1.2.4 バックアップポリシーの決定

  5. 5.1.2.5 バックアップボリュームの準備

  6. 5.1.2.6 リカバリ制御ファイルと作業ファイルの準備

注意

AdvancedCopy Managerで、Symfowareのデータベーススペース単位、またはロググループ単位のデータベーススペースのバックアップ/リカバリを行う環境を作成するためには、事前にデータベースの管理者が、業務の用途に合わせてSymfowareの動作環境を作成する必要があります。

5.1.2.1 Symfowareデータベースのバックアップ運用設計

Symfoware Serverのマニュアルを参考にして設計を行ってください。

ただし、データベーススペースの配置については以下の制限事項を守って設計を行ってください。

ローデバイス上のデータベーススペース

ローデバイス上にデータベーススペースを配置する場合、AdvancedCopy Manager のコピー単位(ボリューム単位)と、データベーススペース領域は一致するので特に考慮する点はありません。

ローデバイス上にデータベーススペースを作成する方法については、『Symfoware Server RDB運用ガイド(データベース定義編)』を参照してください。

ローデバイス上にデータベーススペースを配置する構成のみをサポートします。ファイルシステム上にデータベーススペースを配置する構成はサポートされません。

注意

AdvancedCopy Managerでバックアップを行う場合、RDBシステム名、ロググループ名に2バイト以上のコード(ひらがな、漢字など)を使用することはできません。

5.1.2.2 バックアップ運用を行うサーバの決定

バックアップ運用を行うサーバを決定します。

バックアップ運用を行うサーバには、次のものがあります。

注意

すべてのStorageサーバには、AdvancedCopy Managerが使用する内部コード系(Storage管理サーバへAdvancedCopy Managerをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。

5.1.2.3 バックアップ対象の決定

バックアップ対象とするSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたパーティションを決定します。

AdvancedCopy Managerでは、バックアップ対象となるSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたパーティションのことを業務ボリュームと呼びます。

注意

  • ロググループ単位でバックアップする場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているパーティションを、それぞれ業務ボリュームとして登録しておく必要があります。ひとつでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップすることができず、データベースのリカバリ時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。

  • システムが格納されているパーティションや、AdvancedCopy Managerがインストールされているパーティションは、バックアップ対象としないでください。

  • LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループは、バックアップ対象としないでください。

5.1.2.4 バックアップポリシーの決定

業務ボリュームまたはロググループに対して設定するバックアップポリシーを決定します。

ロググループに対して設定した場合、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームに対してバックアップポリシーが設定されます。

バックアップポリシーには以下の条件項目があります。

保存世代数

保存世代数とはバックアップを行ったデータを何世代残しておくかを意味します。

スナップショット型高速バックアップは、最初に最古の世代を世代管理より解放します。そのため、バックアップ起動中にシステムダウンなどの障害が発生した場合は、最古世代が削除された状態で、バックアップしたデータが必要世代数分存在しない可能性がありますので、直ちにバックアップを再実行して、必要世代数分のバックアップデータを作成することをお勧めします。

スナップショット型高速バックアップで、保存世代数を1として運用する場合は、バックアップデータをテープなどに退避する運用を併用することをお勧めします。

同期型高速バックアップは、最古の世代を世代管理より解放するのは、最新世代のバックアップを完了してからです。そのため、(保存世代数+1)本のバックアップボリュームが必要です。

間隔日数

バックアップ未実施の警告を表示する基準日数を意味します。

最後にバックアップした日より間隔日数を超えた場合に、業務一覧画面上や10.2.2.11 swstexecstat(実行状態表示コマンド)で遅れが出ていることを表示します。

間隔日数を設定しても、自動的にバックアップが行われるわけではありません。

5.1.2.5 バックアップボリュームの準備

バックアップボリュームを準備します。

AdvancedCopy Managerでは、業務ボリュームのバックアップ先パーティションのことをバックアップボリュームと呼びます。バックアップボリュームは、ETERNUS ディスクアレイに配置する必要があります。

バックアップボリュームのサイズは、バイト単位まで業務ボリュームのサイズと同じである必要があります。また、バックアップボリュームの数は、バックアップの運用によって、以下の様に異なります。

表5.1 バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数

バックアップ運用

必要バックアップボリューム数

スナップショット型高速バックアップ運用の場合

保存世代数 本

同期型高速バックアップ運用の場合

(保存世代数+1)本

すでに複数の業務ボリュームにバックアップポリシーが設定されている状態で、新たに登録された業務ボリュームにバックアップポリシーを登録する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。

表5.2 バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数(バックアップポリシーが設定されている場合)

バックアップ運用

必要バックアップボリューム数

スナップショット型高速バックアップ運用の場合

(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数)本

同期型高速バックアップ運用の場合

(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+登録されている業務ボリューム数+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本

ロググループを指定してバックアップポリシーを設定する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。

表5.3 バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数(ロググループを指定する場合)

バックアップ運用

必要バックアップボリューム数

スナップショット型高速バックアップ運用の場合

(ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数)本

同期型高速バックアップ運用の場合

(ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本

注意

  • システムが格納されているパーティションや、AdvancedCopy Managerがインストールされているパーティションは、バックアップボリュームとしないでください。

  • LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループは、バックアップボリュームとしないでください。

5.1.2.6 リカバリ制御ファイルと作業ファイルの準備

Symfowareのバックアップ運用では、次のディレクトリを設定する必要があります。

リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ

リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリとは、バックアップ時に作成されるリカバリ制御ファイルの格納先です。

リカバリ制御ファイルに必要な容量は、1業務ボリュームを1世代分バックアップすると約1MBになります。

N個の業務ボリュームをM世代保存する場合に必要な容量は、次のようになります。

表5.4 リカバリ制御ファイルに必要な容量

バックアップ運用

必要な容量(単位 MB)

スナップショット型高速バックアップ

N×M

同期型高速バックアップ

N×(M+1)

バックアップ運用開始時にリカバリ制御ファイル出力先ディレクトリを設定していない場合は、以下のディレクトリを使用します。

作業ディレクトリ

作業ディレクトリとは、リストア時にデータベースのリカバリ作業を行うための作業ディレクトリです。

バックアップ運用開始時に作業ディレクトリを設定していない場合は、以下のディレクトリを使用します。

/var/opt/FJSVswsts/SymfoWARE