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ETERNUS SF Storage Cruiser 14.2 ユーザーズガイド仮想ストレージ管理編

3.2.2 各ノードの環境設定

個々の運用管理サーバで必要な環境設定について説明します。


3.2.2.1 システム構成ファイルの変更

運用管理サーバと仮想化スイッチとの間は、IP(Internet Protocol)のTCP(Transmission Control Protocol)を使用して通信するため、以下のシステム構成ファイルを変更する必要があります。

%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hostsファイル

%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts ファイルに仮想化スイッチのhost名と仮想化管理用EthernetポートのIPアドレスを登録します。

仮想化スイッチのhost名の先頭4文字は“vsce”固定です。その後ろに1から128の数字を昇順に付加します。

仮想化スイッチが冗長LAN構成の場合は、仮想化スイッチに設定された代表の仮想化管理用EthernetポートのIPアドレスを記述します。

%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts ファイルの記述例

仮想化スイッチのそれぞれのIPアドレスが192.168.1.2と192.168.1.3の場合、%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts ファイルへの記述例を以下に示します。

192.168.1.2    vsce1                  # VS900 Model 300 No.1
192.168.1.3    vsce2                  # VS900 Model 300 No.2

%SystemRoot%\system32\drivers\etc\servicesファイル

%SystemRoot%\system32\drivers\etc\services ファイルにservice名とポート番号を登録します。

以下の2つのserviceを登録します。

service名

port番号

protocol

ssvscme

7420

tcp
udp

service名は変更できません。

ポート番号 7420が、すでに他のサービスで使用されている場合、ポート番号を変更できます。この場合、動作設定ファイルの“VSCE_PORT”で指定するポート番号と仮想化スイッチに設定したポート番号も変更します。ポート番号は、すべてのサーバ装置、周辺装置などのシステムを考慮して一意のポート番号を指定します。

%SystemRoot%\system32\drivers\etc\services ファイルの記述例

以下に、%SystemRoot%\system32\drivers\etc\servicesファイルの記述例を示します。

ssvscme         7420/tcp           # VSC Manager - VSC Engine(TCP)
ssvscme         7420/udp           # VSC Manager - VSC Engine(UDP)

3.2.2.2 動作設定ファイルの作成

動作設定ファイルは、$ENV_DIR\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\FJSVssvsc.ini です。
($ENV_DIR は、マネージャーをインストールした時の「環境設定ディレクトリ」です。)

なお、動作設定ファイルのひな形は、$ENV_DIR\Manager\opt\FJSVssmgr\lib\sample\vsc\FJSVssvsc.ini.sample にあります。

#
# All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2006
#
# Storage Software Virtual Storage Conductor
#
# FJSVssvsc.ini: configuration file
#
########################################################

LOG_LEVEL=4

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER=2

動作設定ファイルを作成しなかった場合、すべての設定項目は、省略値が指定されたものとみなされます。

注意

動作設定ファイルの変更について

マネージャーが動作している状態では、動作設定ファイルの内容を変更できません。必ず、マネージャーを停止してから、動作設定ファイルの変更を行ってください。

動作設定ファイルを変更する手順は、以下のとおりです。


記述形式

動作設定ファイルの記述形式は以下のとおりです。

設定項目

動作設定ファイルの設定項目を、以下の表に示します。

表3.2 動作設定項目一覧

項目

項目名

項目の設定概要

項目省略

LOG_LEVEL

ログレベル

メッセージの出力レベルを指定します。

可能

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER

コピー履歴世代数

コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。

可能

LOG_LEVEL

出力するメッセージのエラー種類を指定します。

メッセージは、syslogd(1M)を経由して出力します。したがって、メッセージが実際に出力されるか否か、または出力されるファイルなどはイベントログの設定で決まります。イベントログの設定方法は、syslog.conf(4)を参照してください。

当項目を省略した場合、メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージが出力されます。

形式

LOG_LEVEL={1 | 2 | 3 | 4}

オペランドの説明

1: メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージを出力します。

2: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”のメッセージを出力します。

3: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、および、“INFO”のメッセージを出力します。

4: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、“INFO”、および、“DEBUG”のメッセージを出力します。

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER

コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。

当項目を省略した場合、世代数は2となります。

形式

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER={2|3|4|5}

オペランドの説明

2から5の数値で指定します。


3.2.2.3 コミットスクリプトの作成

VSCマネージャーに対して何らかの操作を実行し、仮想ストレージの構成情報が変更となった場合、VSCマネージャーは、仮想化ストレージの構成情報のバックアップ、または複製を作成することを目的としたプログラム、またはスクリプトを実行します。これを「コミットスクリプト(Commit Script)」と呼びます。

仮想ストレージの構成情報が何らかの原因で失われた場合、業務サーバに対して仮想ディスクを供給できなくなります。このような不測の事態が発生した場合は、仮想ストレージの構成情報を復元し、運用を再開させなければなりません。コミットスクリプトは、不測の事態に備えて、仮想ストレージの構成情報のバックアップ、または複製を作成します。

コミットスクリプトは、$ENV_DIR\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\VscCommitScript.bat に作成し、実行権を付与しなければなりません。

コミットスクリプトのひな形は、$INS_DIR\Manager\opt\FJSVssmgr\lib\sample\vsc\VscCommitScript.bat.sample にあります。

参考

  • $INS_DIR は、マネージャーをインストールした時の「プログラムディレクトリ」です。

  • $ENV_DIR は、マネージャーをインストールした時の「環境設定ディレクトリ」です。

  • $TMP_DIR は、マネージャーをインストールした時の「作業用ディレクトリ」です。

コミットスクリプトのひな形

@echo off
rem #
rem # All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2006-2010
rem #
rem # Storage Software Virtual Storage Conductor
rem #
rem # CommitScript Sample
rem #
rem ########################################################
setlocal

set VARDIR=$TMP_DIR\Manager
if not exist "%VARDIR%" goto fail
set CURRENT_DIR=%VARDIR%\var\opt\FJSVssmgr\current
set BKUP_DIR=vsclog\VSCCOMPOSE_BAK
set COMPOSE_DIR=vsccompose

set /a listflag=0
set /a delflag=0
set /a copyflag=0

cd "%CURRENT_DIR%"

:: backup check
if not exist "%BKUP_DIR%" mkdir "%BKUP_DIR%"
if errorlevel 1 goto fail

if not exist "%BKUP_DIR%\*.repository" goto allbackup

:: commitlist check
set COMMITLIST_DIR=commitlist
set INSERT_UPDATE_FILE=%COMMITLIST_DIR%\addlist.vsc
set DELETE_FILE=%COMMITLIST_DIR%\deletelist.vsc

if not exist "%COMMITLIST_DIR%" goto allbackup
if not exist "%COMMITLIST_DIR%\*.vsc" goto allbackup

if exist "%INSERT_UPDATE_FILE%" (for %%F in ( %INSERT_UPDATE_FILE% ) do if not %%~zF==0 set /a listflag =  1 && set /a copyflag = 1)
if exist "%DELETE_FILE%" (for %%F in ( %DELETE_FILE% ) do if not %%~zF==0 set /a listflag = 1 && set /a delflag = 1)

if %listflag% == 0 (goto allbackup) else goto diffbackup

:allbackup
if exist "%BKUP_DIR%\*.repository" del "%BKUP_DIR%\*.repository"
copy /y "%COMPOSE_DIR%\*.repository" "%BKUP_DIR%" > nul
if errorlevel 1 goto fail
if errorlevel 0 goto success

:diffbackup
if %delflag% == 1 (for /f "tokens=* delims=" %%F in ( %DELETE_FILE% ) do ((del "%BKUP_DIR%\%%F") & (if exist "%BKUP_DIR%\%%F" goto allbackup)))
if %copyflag% == 1 (for /f "tokens=* delims=" %%F in ( %INSERT_UPDATE_FILE%  ) do ((copy /y "%COMPOSE_DIR%\%%F" "%BKUP_DIR%" > nul) & (if errorlevel 1 goto allbackup)))

:success
if exist "%INSERT_UPDATE_FILE%" (del "%INSERT_UPDATE_FILE%")
if exist "%DELETE_FILE%" (del "%DELETE_FILE%")
echo "Backup Complete."
exit 0

:fail
echo "Backup failed."
exit 1

注意事項

使用上の留意点