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ETERNUS SF Storage Cruiser 14.2 ユーザーズガイド仮想ストレージ管理編

3.1.2 各ノードの環境設定

個々の運用管理サーバで必要な環境設定について説明します。


3.1.2.1 システム構成ファイルの変更

運用管理サーバと仮想化スイッチとの間は、IP(Internet Protocol)のTCP(Transmission Control Protocol)を使用して通信するため、以下のシステム構成ファイルを変更する必要があります。

/etc/hostsファイル

/etc/hostsファイルに仮想化スイッチのhost名と仮想化管理用EthernetポートのIPアドレスを登録します。

仮想化スイッチのhost名の先頭4文字は“vsce”固定です。その後ろに1から128の数字を昇順に付加します。

仮想化スイッチが冗長LAN構成の場合は、仮想化スイッチに設定された代表の仮想化管理用EthernetポートのIPアドレスを記述します。

/etc/hostsファイルの記述例

仮想化スイッチのそれぞれのIPアドレスが192.168.1.2と192.168.1.3の場合、/etc/hostsファイルへの記述例を以下に示します。

192.168.1.2    vsce1                  # VS900 Model 300 No.1
192.168.1.3    vsce2                  # VS900 Model 300 No.2

/etc/servicesファイル

/etc/servicesファイルにservice名とポート番号を登録します。

以下の2つのserviceを登録します。

service名

port番号

protocol

ssvscme

7420

tcp
udp

service名は変更できません。

ポート番号 7420が、すでに他のサービスで使用されている場合、ポート番号を変更できます。この場合、動作設定ファイルの“VSCE_PORT”で指定するポート番号と仮想化スイッチに設定したポート番号も変更します。ポート番号は、すべてのサーバ装置、周辺装置などのシステムを考慮して一意のポート番号を指定します。

/etc/servicesファイルの記述例

以下に、/etc/servicesファイルの記述例を示します。

ssvscme         7420/tcp           # VSC Manager - VSC Engine(TCP)
ssvscme         7420/udp           # VSC Manager - VSC Engine(UDP)

3.1.2.2 動作設定ファイルの作成

動作設定ファイルは、/etc/opt/FJSVssmgr/current/FJSVssvsc.ini です。

なお、動作設定ファイルのひな形は、/opt/FJSVssmgr/lib/sample/vsc/FJSVssvsc.ini.sample にあります。

#
# All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2004
#
# Storage Software Virtual Storage Conductor
#
# FJSVssvsc.ini: configuration file
#
########################################################

LOG_LEVEL=4

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER=2

動作設定ファイルを作成しなかった場合、すべての設定項目は、省略値が指定されたものとみなされます。

注意

動作設定ファイルの変更について

マネージャーが動作している状態では、動作設定ファイルの内容を変更できません。必ず、マネージャーを停止してから、動作設定ファイルの変更を行ってください。

動作設定ファイルを変更する手順は、以下のとおりです。


記述形式

動作設定ファイルの記述形式は以下のとおりです。

設定項目

動作設定ファイルの設定項目を、以下の表に示します。

表3.1 動作設定項目一覧

項目

項目名

項目の設定概要

項目省略

LOG_LEVEL

ログレベル

メッセージの出力レベルを指定します。

可能

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER

コピー履歴世代数

コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。

可能

LOG_LEVEL

出力するメッセージのエラー種類を指定します。

メッセージは、syslogd(1M)を経由して出力します。したがって、メッセージが実際に出力されるか否か、または出力されるファイルなどは/etc/syslog.confの設定で決まります。/etc/syslog.confの設定方法は、syslog.conf(4)を参照してください。

当項目を省略した場合、メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージが出力されます。

形式

LOG_LEVEL={1 | 2 | 3 | 4}

オペランドの説明

1: メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージを出力します。

2: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”のメッセージを出力します。

3: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、および、“INFO”のメッセージを出力します。

4: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、“INFO”、および、“DEBUG”のメッセージを出力します。

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER

コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。

当項目を省略した場合、世代数は2となります。

形式

COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER={2|3|4|5}

オペランドの説明

2から5の数値で指定します。


3.1.2.3 コミットスクリプトの作成

VSCマネージャーに対して何らかの操作を実行し、仮想ストレージの構成情報が変更となった場合、VSCマネージャーは、仮想化ストレージの構成情報のバックアップ、または複製を作成することを目的としたプログラム、またはスクリプトを実行します。これを「コミットスクリプト(Commit Script)」と呼びます。

仮想ストレージの構成情報が何らかの原因で失われた場合、業務サーバに対して仮想ディスクを供給できなくなります。このような不測の事態が発生した場合は、仮想ストレージの構成情報を復元し、運用を再開させなければなりません。コミットスクリプトは、不測の事態に備えて、仮想ストレージの構成情報のバックアップ、または複製を作成します。

コミットスクリプトは、/etc/opt/FJSVssmgr/current/VscCommitScript に作成し、実行権を付与しなければなりません。
コミットスクリプトのひな形は /opt/FJSVssmgr/lib/sample/vsc/VscCommitScript.sample にあります。


コミットスクリプトのひな形

#!/bin/sh
#
# All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2004
#
# Storage Software Virtual Storage Conductor
#
# CommitScript Sample
#
########################################################
CURRENT_DIR=/var/opt/FJSVssmgr/current
BKUP_DIR=/var/opt/FJSVssmgr/current/vsclog/VSCCOMPOSE_BAK
COMPOSE_DIR=vsccompose

if [ ! -d $BKUP_DIR ]; then
        mkdir -p $BKUP_DIR
fi
if [ $? -eq 0 ]; then
        cd $CURRENT_DIR
        tar cf $BKUP_DIR/compose.BAK.tar ./$COMPOSE_DIR
        if [ $? -eq 0 ]; then
                echo "Backup Complete."
                exit 0
        fi
fi
echo "Backup failed."
exit 1

注意事項

使用上の留意点