記述形式
FCOPYSVR.EXE /S:SourceName [/SU:SourceUserName] |
機能説明
サーバ間でのファイルの転送を行うコマンドです。Windowsのディレクトリ共有を利用したファイル転送(Windows共有方式)、またはFTPによるファイル転送(FTP方式)を行います。ファイル転送のみを行う場合は、Systemwalker Operation Managerがインストールされていない転送先のサーバにも転送できます。
パラメタ
/S:SourceName
転送元のファイルのパス名をファイル名も含めて指定します。ファイル名には、ワイルドカードも指定できます。
SourceNameには、ファイルのパス名を次のいずれかの方法で、URL形式で指定してください。パス名部分は255文字以内で指定し、空白文字を含む場合はダブルクォーテーション(")で囲んでください。
ドライブ名を含んだパスを指定します。
“file://”文字列に続いて、任意のファイルのパス名を指定します。
例 file://C:\DATABASE\DATABASE.DB
“\\コンピュータ名\共有名”の形式でパスを指定します。コンピュータ名はWindowsのコンピュータ名を半角英数字で15文字以内で指定してください。共有名は80バイト以内で指定してください。
“file://”文字列に続いて、任意のファイルのパス名を指定します。
例 file://\\foo\SHARE\DATABASE\DATABASE.DB
FTPサーバに対するパス名を指定します。
パス名は、フルパスまたはFTPでログイン時のカレントディレクトリからの相対パスで指定することができます。“ftp://”文字列に続いて、“サーバ名/任意のファイルのパス名”の形式で指定します。
例)フルパスで指定する場合:
ftp://foo.bar.com//Usr/DataBase/DataBase.DB
相対パスで指定する場合:
ftp://foo.bar.com/DataBase/DataBase.DB
/SU:SourceUserName
SourceNameで指定したファイルにアクセスするためのユーザ名を指定します。
SourceUserNameは、パスワード管理簿にあらかじめ設定したユーザ名を指定します。SourceUserNameに空白文字を含む場合は、ダブルクォーテーション(")で囲んでください。
SourceNameの指定がローカルドライブパスの場合は、本指定は無視されます。ユニバーサルパス指定またはFTPサーバ上のパスで指定した場合は、必ず本指定を行ってください。
ユニバーサルパス指定の場合は、SourceUserNameは“ドメイン名\ユーザ名”または“サーバ名\ユーザ名”のいずれかの形式で指定してください。この場合、ドメイン名またはサーバ名は半角英数字15文字以内で、ユーザ名は半角英数字20文字以内で指定してください。
なお、FTPサーバ上のパス指定の場合は、“ドメイン名\ユーザ名”を指定できません。パスワード管理簿に“ユーザ名@ドメイン名”で登録したユーザまたは、ローカルアカウントを指定してください。
FTPサーバ上のパス指定の場合は、SourceUserNameが半角英数字20文字以内になるように指定してください。
/D:DestName
転送先のファイルのパス名をファイル名も含めて指定します。ファイル名には、ワイルドカードで指定もできます。
ファイルのパス名の指定方法は/S:SourceNameと同様です。/S:SourceNameを参照してください。
既に存在するファイル名を指定した場合は、上書きされます。また、/Sに指定するファイルのパス名(SourceName)と同じパス名を指定しないでください。
/DU:DestUserName
DestNameで指定したファイルにアクセスするためのユーザ名を指定します。
DestUserNameは、パスワード管理簿にあらかじめ設定したユーザ名を指定します。DestUserNameに空白文字を含む場合は、ダブルクォーテーション(")で囲んでください。
DestNameの指定がローカルドライブパスの場合は、本指定は無視されます。ユニバーサルパスまたはFTPサーバ上のパスの場合は、必ず本指定を行ってください。
ユニバーサルパス指定の場合は、DestUserNameは“ドメイン名\ユーザ名”または“サーバ名\ユーザ名”のいずれかの形式で指定する必要があります。この場合、ドメイン名またはサーバ名は半角英数字15文字以内で、ユーザ名は半角英数字20文字以内で指定してください。
なお、FTPサーバ上のパス指定の場合は、“ドメイン名\ユーザ名”を指定できません。パスワード管理簿に“ユーザ名@ドメイン名”で登録したユーザまたは、ローカルアカウントを指定してください。
FTPサーバ上のパス指定の場合は、DestUserNameが半角英数字20文字以内になるように指定してください。
/LG:LoginGroup
パスワード管理簿のログイン定義名を指定します。LoginGroupに、256文字以内でログイン定義名を指定し、空白文字を含む場合はダブルクォーテーション(")で囲んでください。
/SU、/DUの指定をした場合は必ず本指定を行ってください。
/A
ASCIIテキストモードでファイルを転送します。
本指定は、FTPサーバ上のファイルを転送する場合のみ有効となります。
/B
バイナリモードでファイルを転送します。
本指定は、FTPサーバ上のファイルを転送する場合のみ有効となります。
/A、/Bともに指定されていない場合は、バイナリモードでファイルを転送します。
/RC:nn
ファイルの転送でエラーが発生した場合のリトライ回数を指定します。
nnに0~99の整数を指定します。それ以外の値を設定すると、エラーとなります。省略した場合はリトライを行いません。
転送元ファイルまたは転送先ファイルにワイルドカードを指定した場合、失敗したファイルのみリトライが行われます。
/RI:nnnn
エラーが発生した場合のリトライ間隔を指定します。
nnnnに0~9999の整数を秒単位で指定します。それ以外の値を設定した場合は、エラーとなります。省略値は0です。
本パラメタは、/RCパラメタで1以上を指定した場合に有効となります。
復帰値
復帰値 | 意 味 |
---|---|
0 | 正常終了 |
0以外 | 異常終了 |
コマンド格納場所
Systemwalker Operation Managerインストールディレクトリ\MpWalker.JM\bin
記述例
サーバ上のローカルファイル“c:\database\master\database.db”をローカルファイル“d:\database\database.db”へ転送します。転送に失敗した場合は、60秒間隔で最大3回リトライします。
FCOPYSVR.EXE /S:file://c:\database\master\database.db |
処理結果
コマンドの処理が終了すると、終了時の情報を標準出力に出力します。
出力される内容を以下に示します。
[処理開始日時] YYYY-MM-DD HH:MM:SS |
/SU、/DUを指定した場合に出力される情報です。
ワイルドカードが指定された場合、それぞれのファイルについてファイル単位で出力されます。
[発生したエラー]には、正常終了の場合は“なし”が出力されます。強制終了やエラーになった場合はメッセージが出力されます。メッセージ内容については“Systemwalker Operation Manager メッセージ説明書”を参照してください。
ファイルの転送を行う前にエラーが発生した場合は、以下の形式でメッセージが出力されます。
[処理開始日時] YYYY-MM-DD HH:MM:SS |
メッセージ内容については“Systemwalker Operation Manager メッセージ説明書”を参照してください。
使用上の注意
本コマンドを使用する場合は、サーバ上で業務連携サービスを動作させておいてください。
事前にパスワード管理コマンドを使って、パスワード管理簿の設定を行ってください。詳細は“9.3.1 LGMANAGE.EXE パスワード管理コマンド”を参照してください。
ユニバーサルパス指定で接続する場合は、“Windows共有方式”を利用しています。そのため、業務連携コマンドまたはほかのアプリケーション(エクスプローラなど)から、同一のサーバに対して同時に接続するときは、同じ資格情報(ユーザ名/パスワード)を使用してください。
それぞれで異なる資格情報を使用して、コマンドを実行すると、接続エラーとなります。
FTPサーバ上のパス指定でファイルを転送する場合、転送元および転送先の両方をFTPサーバ上のパス指定で転送することはできません。転送元と転送先に指定できる組み合わせは以下のとおりです。いずれかの組み合わせで指定してください。
| 転送元ファイル | 転送先ファイル |
---|---|---|
1 | ローカルパス形式 | ローカルパス形式 |
2 | ローカルパス形式 | ユニバーサルパス形式 |
3 | ローカルパス形式 | FTPサーバパス形式 |
4 | ユニバーサルパス形式 | ローカルパス形式 |
5 | ユニバーサルパス形式 | ユニバーサルパス形式 |
6 | ユニバーサルパス形式 | FTPサーバパス形式 |
7 | FTPサーバパス形式 | ローカルパス形式 |
8 | FTPサーバパス形式 | ユニバーサルパス形式 |
FTPサーバ上のパス指定でファイル転送ができるFTPサーバは、“DIR”コマンドの結果が以下の形式(パーミッション、リンク数、所有者、グループ、サイズ、日付、時刻、ファイル名の順に英数字表記)で表示されるサーバに限ります。
FTPサーバ上のパス指定でファイル転送が可能かどうかの確認は、次の方法で行ってください。
Windowsの場合:
コマンドプロンプト上でftpコマンドを実行します。
UNIXの場合:
サーバコンソールやtelnet接続したコンソール上でftpコマンドを実行します。
以下に、Windows上で確認する場合の手順を示します。
日付・時刻表示が日本語の場合、OSやFTPサーバのマニュアルを参照し英語表示となるように設定してください。
出荷状態の日本語SolarisTM 2.5オペレーティングシステム以上に付属のFTPサーバでは、ディレクトリの日付・時刻が日本語で表示されます。上記の形式で表示するためには、/etc/default/initファイルに以下の記述を追加してください。
LC_TIME=C |
コマンドの強制終了は、1つのファイルの転送が完了した時点で行われます。このため、大きなファイルを転送中に強制終了を行うと、コマンドの終了を待たされる場合があります。
本コマンドの/sパラメタに指定したファイル名に、ワイルドカードを指定した場合は、次の注意が必要です。
一度に処理するファイル数は、同時に実行するほかのサーバ業務連携コマンドで処理するファイル数を含めて、合計500ファイル以下としてください。
1ファイルあたりのサイズは、2GB以下としてください。