コマンドを使用して、リストアを行う手順を説明します。
ポイント
クラスタ環境の場合は、プライマリノードで実行してください。
リストアを行う前に、「5.3 リカバリーの前に」を参照して、準備作業をすべて完了してください。
注意
リストア処理中は、ターゲットデータベースが停止します。
リスナーが停止している場合、リストアができません。リスナーを起動してから、リストアを行ってください。
リストアでデータベースを復旧した場合、必ずデータベースのログがリセットされ(RESETLOGS)、過去に取得したバックアップが無効となります。そのため、データベース復旧後、すぐにバックアップを取得してください。
データベースがノーアーカイブ・モードの場合は、正常にリカバリーできません。
RAC構成の場合、システムダウンしているクラスタノードがある場合、データベースの復旧ができません。すべてのクラスタノードを起動した後、リストアを行ってください。
クラスタ構成の場合、リストアを行う前に、PRIMECLUSTERのクラスタリソースを復旧させる必要があります。詳細については、「5.3.3 PRIMECLUSTERリソースの確認」を参照してください。
RAC構成の場合、リストア時、リカバリーを行うノードから、すべてのクラスタノードのアーカイブログ出力領域が参照できる必要があります。リストア実行前に、リカバリーを行うノードで、すべてのクラスタノードのアーカイブログ出力領域をリモートマウントするなどの対処を行っておいてください。
RAC構成の場合、クラスタノード間でシステム時刻が合っていることを確認してください。ノード間でシステム時刻がずれていると、リストアが失敗することがあります。その場合は、復元ポイントにログ順序番号を指定してデータベースを復旧してください。
リストア処理が正常に終了した場合でも、リストア後のDBチェックで異常を検知していることがあります。必ず、実行ログの内容を確認してください。実行ログの確認については、「第11章 実行ログ」を参照してください。
rootユーザーでログインします
データベースサーバにrootユーザーでログインします。
root以外のユーザーでログイン後、suコマンドを実行し、rootユーザーに変更することもできます。
リカバリーコマンドを実行します
リカバリーコマンドでリストアを実行してください。
# installdir/bin/rmforecovery confname -f |
installdir : 本製品のインストールディレクトリ
confname : 環境設定名
リカバリー計画を確認します
リカバリー計画が設定され、標準出力に表示されます。
提示されたリカバリー計画内容を確認してください。
ボリュームをマウントしています・・・ リカバリー計画を作成しています・・・ ■ 制御ファイルリストア:する
■ 表領域リストア:する
表領域リストア方法:RMAN
修復対象:
SYSTEM
SYSAUX
UNDOTBS1
USERS
■ 一時ファイル修復:する
修復対象:
TEMP,/oradata/ora11g/datafile/temp01.dbf
■ REDOログ・メンバー修復:しない
■ メディアリカバリー:する
不完全リカバリー
データベースリカバリー
RESETLOGS:あり
■ オフライン復旧
[注意]RESETLOGSが実行されるため、過去に取得したバックアップはすべて無効になります。
■ 復元ポイント:世代指定
指定ポイント:最新世代
データベース復旧地点:2009/01/21 20:48:51
ボリュームをアンマウントしています・・・ RMFO-53000 リカバリー準備処理に成功しました。
注意
リカバリー計画には、提示したリカバリー計画でリストアを実行するに当たっての注意事項や警告メッセージも表示されますので、必ず内容を確認・了承の上、リストアを続行してください。
リストアでは、リカバリー計画に「[注意]RESETLOGSが実行されるため、過去に取得したバックアップはすべて無効になります。」という警告メッセージが出力されます。RESETLOGSが実行されると、リストア時にREDOログがリセットされ、リストア実施前に取得したバックアップがすべて無効になるため、データベース復旧後、すぐにオンラインバックアップを取得する必要があります。
リストア処理を実行します
リカバリー計画が表示された後、以下のメッセージが表示されます。
ok?[y/n]
提示されたリカバリー内容でよければ、「y」を入力してEnterキーを押してください。
リストア処理が実行されます。
ok?[y/n]
y<Enter>
ボリュームをマウントしています・・・
データベースを停止しています・・・
リカバリ・カタログ・データベースを起動しています・・・
データベースを起動しています・・・
制御ファイルをリストアしています・・・
データベースを起動しています・・・
表領域をリストアしています・・・
一時ファイルを削除しています・・・
データベースのリカバリーを行っています・・・
データベースを起動しています・・・
ターゲットデータベースに対して、RESETLOGSが実行されました。
過去に出力されたアーカイブログ、および、過去に取得したバックアップは無効となったため、
再度バックアップを取得するまでは、メディアリカバリーを実行することができません。
データベースを起動しています・・・
一時ファイルを作成しています・・・
リカバリ・カタログ・データベースを停止しています・・・
DBチェックを実行しています・・・
ボリュームをアンマウントしています・・・
RMFO-51000 データベースのリカバリーに成功しました。
リストアを中断する場合は、「n」を入力してEnterキーを押してください。
リストア処理がキャンセルされます。
ok?[y/n] n<Enter> Database Recovery Canceled.
実行結果を確認します
コマンド処理が完了すると、処理終了メッセージが表示されます。
コマンド終了ステータス、および、処理終了メッセージで、コマンドの処理結果を確認してください。コマンド終了ステータスについては、「第10章 コマンドリファレンス」を参照してください。処理終了メッセージについては、「付録B メッセージ」を参照してください。
実行ログを確認して、エラーが発生していないことを確認してください。実行ログについては、「第11章 実行ログ」を参照してください。
注意
リストア処理が異常終了した場合の対処については、「5.7 リカバリー異常終了時の対処について」を参照してください。
オンラインバックアップ
リストア処理中にデータベースのログがリセットされる(RESETLOGS)ため、リストア実行後は過去に取得したバックアップが無効になります。オンラインバックアップを実行して、バックアップを再取得してください。
注意
データファイルバックアップ方法に「OPC」もしくは「QuickOPC」を指定している場合、リストア処理の物理コピーが完了していることを確認し、オンラインバックアップを実行してください。