Symfoware Server Mirroring Controller セットアップガイド
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付録F DBミラーリングシステムの環境を設定するファイル

F.1 DBミラーリング動作環境ファイルの編集

DBミラーリングシステムの動作環境や、データベースの監視・切替えに関する定義は、DBミラーリング動作環境ファイルに定義します。
DBミラーリング動作環境ファイルは、UNIX系ファイルで作成します。

[表:DBミラーリング動作環境ファイルの定義種別]

種別

パラメタ名

定義内容

省略可否

環境定義

OWN_NODE_ADDRESS

自側のホスト名、またはIPアドレス

不可

OTHER_RDBSYSTEM_NAME

相手側のRDBシステム名

不可

OTHER_NODE_ADDRESS

相手側のホスト名、またはIPアドレス

不可

OTHER_PORTNO

相手側のポート番号

不可

DX_MANAGE_PATH

モニタ管理ファイルの配置先の絶対パス名

不可

DX_CORE_PATH

モニタデーモンのダンプ出力先ディレクトリの絶対パス名

不可

ノード間の監視設定

POLL_TIME

ノード間のポーリング監視の間隔

POLL_WAITOUT

ポーリング監視のタイムアウトの時間および動作

データベースの無応答監視の設定

DB_TIMEOUT

データベースの無応答監視の設定(タイムアウト時間および動作)

データベースの閉塞の監視設定

DB_INH_OBSERVE

DB監視資源定義ファイルの絶対パス名


DBミラーリングシステムの運用開始後に各パラメタを変更する場合の手順は、“運用ガイド”の“DBミラーリング動作環境ファイルの変更手順”を参照してください。

DBミラーリング動作環境ファイルのひな型は、/opt/FJSVsymdx/demo/sysconfig.dxです。
本ファイルを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイルを/opt/FJSVsymdx/etcに配置してください。そのとき、ファイル名を“RDBシステム名”.dx(RDBシステム名を付けた運用の場合)、またはsysconfig.dx(RDBシステム名をつけない運用の場合)としてください。

■DBミラーリング動作環境ファイルの構文規

DBミラーリング動作環境ファイルは、UNIX系ファイルで作成します。
利用者は、エディタを使用して、このテキストファイルに各パラメタを定義します。記述形式は、以下のとおりです。
なお、行の先頭が番号記号“#”の場合、その行はコメント行として扱われます。また、行の途中に番号記号“#”を指定することはできません。

定義指示文<改行>
:

各行の定義指示文の記述形式は、次のとおりです。

定義種別 = [指定値1],[指定値2],・・・

■各パラメタの説明

OWN_NODE_ADDRESS

モニタデーモンがノード間通信を行うための自側のホスト名、またはIPアドレスを指定します。
なお、モニタデーモンのノード間通信は、DBミラーリングサービスの運用を確実にするため、管理用のLANを設定します。

OWN_NODE_ADDRESS =自側のホスト名、またはIPアドレス

本定義は省略できません。
IPv6アドレスを使用する場合は、グローバルアドレスのみ使用可能です。

OTHER_RDBSYSTEM_NAME

相手側のRDBシステム名を設定します。なお、RDBシステム名を付けない運用の場合は、ハイフン (“-”)を設定してください。
記述形式は、以下のとおりです。

OTHER_RDBSYSTEM_NAME =相手側のRDBシステム名

本定義は省略できません。

RDBシステム名の詳細は“Symfoware Server セットアップガイド”を参照してください。

OTHER_NODE_ADDRESS

モニタデーモンがノード間通信を行うための相手側のホスト名、またはIPアドレスを指定します。
なお、モニタデーモンのノード間通信は、DBミラーリングサービスの運用を確実にするため、管理用のLANを設定します。

OTHER_NODE_ADDRESS =相手側のホスト名、またはIPアドレス

本定義は省略できません。
IPv6アドレスを使用する場合は、グローバルアドレスのみ使用可能です。

OTHER_PORTNO

モニタデーモンがノード間通信を行うための相手側のポート番号を指定します。
ポート番号は、1024〜9999を指定します。

OTHER_PORTNO = 相手側のポート番号

本定義は省略できません。

DX_MANAGE_PATH

モニタ管理ファイルを配置する格納先ディレクトリの絶対パス名を256バイト以内で指定します。
記述形式は、以下のとおりです。

DX_MANAGE_PATH = モニタ管理ファイルを配置する格納先ディレクトリの絶対パス名

本定義は省略できません。

モニタ管理ファイルは以下のファイルで構成されます。モニタ管理ファイルを配置する格納先ディレクトリの見積りを行ってください。

[表:モニタ管理ファイルの構成]

種別

目的

ファイル名

容量

モニタ制御情報

以下を管理します。

  • 自側、相手側のデータベース監視情報

  • 自側のモニタ制御情報

“MON_CNTL_FILE” [+ RDBシステム名] + “.sys”

6Kbyte

モニタ状態管理情報

自側のモニタ状態管理情報を管理します。各コンポとの情報交換にも利用します。

“MON_STATE_FILE” [+ RDBシステム名] + “.sys”

6Kbyte

RLC破棄エラー情報

RLC破棄のエラー監視情報

DXOP_MSG_PURGE_rlp名.txt

2Kbyte

ログ抽出エラー情報

ログ抽出のエラー監視情報

DXOP_MSG_EXTRACT_rlp名.txt

2Kbyte

ログ反映エラー情報

ログ反映のエラー監視情報

DXOP_MSG_REFLECT_rlp名.txt

2Kbyte

緊急運用停止エラー情報

緊急運用停止のエラー監視情報

DXOP_MSG_SUSPEND_rlp名.txt

2Kbyte

通常運用停止エラー情報

通常運用停止のエラー監視情報

DXOP_MSG_SWITCH_rlp名.txt

2Kbyte

通常停止用制御情報

通常停止を行うための制御情報

DXOP_CNTL_rlp名.sys

2Kbyte

実行抑止解除情報

実行抑止解除のエラー監視情報

DXOP_MSG_RESUME_RLP名.txt

2Kbyte

DX_CORE_PATH

モニタデーモンのダンプ出力先ディレクトリの絶対パス名を256バイト以内で指定します。
記述形式は、以下のとおりです。

DX_CORE_PATH = ダンプ出力先ディレクトリの絶対パス名

本定義は省略できません。

POLL_TIME

モニタデーモンが正本のデータベースを監視するために、ハートビートを行う間隔を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。

POLL_TIME = 送受信間隔時間(ミリ秒)

送受信間隔時間は500から10000の間の値を指定します。
本定義は省略可能です。省略時は1000が指定されたものとみなします。

POLL_WAITOUT

モニタデーモンが、POLL_TIMEパラメタで指定した送受信間隔を元に、ハートビートの異常を検知するまでの時間(確認データを受信してから、次の確認データが到着するまでのタイムアウト時間)、およびハートビートの異常を検知した場合の動作を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。

POLL_WAITOUT = タイムアウト時間(秒)[,動作指定,再開間隔(秒)]
タイムアウト時間:
0または3〜3600秒の範囲で指定します。この時間までに応答がない場合、無応答として検知します。
0を指定した場合は、無応答監視を行いません。
動作指定:
“MESSAGE”を指定します。
MESSAGE:
タイムアウトを検知した場合、メッセージを出力して、一旦ハートビート処理を停止します。再開間隔で指定した時間が経過するとハートビート処理を再開します。
再開間隔:
0〜3600秒の範囲で指定します。動作指定にMESSAGEを指定した場合に、一旦メッセージが出力されてから本指定値の時間が経過すると、監視処理は再度、メッセージ出力可能な状態となります。0を指定した場合は再開処理を行いません。

本定義は省略可能です。省略時は「タイムアウト時間=5」および「動作指定=“MESSAGE”および再開間隔=10」が指定されたものとみなします。

DB_TIMEOUT

モニタデーモンは、ノード内のデータベースの無応答状態が発生せず正常に動作しているかを3秒間隔で確認します。このとき、データベースの無応答状態を認識するまでの時間および異常を検知した場合の動作を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。

DB_TIMEOUT = タイムアウト時間(秒)[,動作指定,再開間隔(秒)]

タイムアウト時間:
0または3〜3600秒の範囲で指定します。指定した時間が経過しても、データベースから応答がない場合は、無応答として検知します。
0を指定した場合は、無応答監視を行いません。
タイムアウト時間の見積り式を以下に示します。
タイムアウト時間 = 1SQL文の最大レスポンス時間 × (多重度 / CPU数)

(単位:秒)

動作指定:
“MESSAGE”または“FAILOVER”を指定します。
MESSAGE:
メッセージを出力して監視を停止します。
再開間隔を指定している場合は、指定した時間が経過すると監視を再開します。
FAILOVER:
強制的に副本のデータベースを正本に切替えます。

※タイムアウト時間に0を指定した場合、動作指定は不要です。

再開間隔:
0〜3600秒の範囲で指定します。動作指定にMESSAGEを指定した場合に、一旦メッセージが出力されてから本指定値の時間が経過すると、監視処理は再度、メッセージ出力可能な状態となります。0を指定した場合は再開処理を行いません。動作指定にFAILOVERを指定した場合は0が指定されたものと見なします。(指定しても無視されます)

本定義は省略可能です。省略時は「タイムアウト時間=0」が指定されたものとみなします。(無応答監視を行いません)

DB_INH_OBSERVE

監視対象のデータベース資源および監視方法を指定したファイルを、DB監視資源定義ファイルと呼びます。DB_INH_OBSERVEでは、DB監視資源定義ファイルを配置した絶対パス名を256バイト以内で指定します。
本ファイルで指定したデータベース資源の監視方法に該当する事象(DSIの閉塞など)が発生した場合、モニタデーモンは、強制的に副本のデータベースを正本に切替えます。

記述形式は、以下のとおりです。

DB_INH_OBSERVE = DB監視資源定義ファイルの絶対パス名

本定義は省略可能です。省略時は監視対象のデータベース資源が指定されないものとみなします。

■DBミラーリング動作環境ファイルの記述

DBミラーリング動作環境ファイルの記述例を、以下に示します。

OWN_NODE_ADDRESS = NODE01
OTHER_RDBSYSTEM_NAME = rdbsys2
OTHER_NODE_ADDRESS = NODE02
OTHER_PORTNO = 6200
DX_MANAGE_PATH = /work/duplex/def
DX_CORE_PATH = /work/duplex/core_dir
POLL_TIME = 1000
POLL_WAITOUT = 10,MESSAGE,30
DB_TIMEOUT = 0
DB_INH_OBSERVE = /work/duplex/dbdef/db_inh


下へF.1.1 監視データベース資源の指定

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