アプリケーションの稼働監視を行うための設定について説明します。運用管理サーバ、または運用管理クライアントから設定します。
各サーバでの作業内容は以下のとおりです。詳細については、以降で説明します。
運用管理サーバ/運用管理クライアント
監視対象アプリケーションの作成と業務への登録
スクリプトの配付
運用管理サーバ
監視対象アプリケーションの定義
運用管理サーバ側での設定
[Systemwalkerコンソール]-[編集]で、監視対象のアプリケーションを作成し、運用管理サーバへ登録します。
業務サーバ上で監視対象となる、WWWサーバアプリケーション(Apache)の作成例を以下に示します。
【Windows版】
“c:\apache\apache.exe”を監視する場合
実行ファイル登録
基本情報-表示名:Apache |
アプリケーションの定義
インストール情報-インストールディレクトリ:c:\apache |
【UNIX版】
業務サーバ上で動作するApacheの実行アプリケーションのhttpdプロセスを監視します。
ps -efで表示したときに“/usr/local/apache/httpd”と表示される場合
実行ファイル登録
基本情報-表示名:Apache |
アプリケーションの定義
インストール情報-インストールディレクトリ:/usr/local/apache/ |
アプリケーション作成の詳細は、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”を参照してください。
作成したアプリケーションを、監視を行う業務管理ツリーに登録します。
[Systemwalkerコンソール]-[編集]を選択します。
ツリー選択ボックスから[業務管理]を選択します。
[ファイル]メニューから[監視ツリーの選択]を選択し、アプリケーションを監視するツリーを選択します。ツリーがない場合は、ツリーを作成します。
ここでは、ツリー作成の手順を説明します。
[ファイル]メニューから[監視ツリーの作成]を選択します。
→[監視ツリーの作成-業務管理]ダイアログボックスが表示されます。
以下の項目を設定し、[OK]ボタンをクリックします。
[表示名]:ここでは、“A社業務”と入力します。
[作成方法]:[新規作成]を選択します。
業務を作成します。
ツリーの頂点、または任意の業務フォルダを選択し、[オブジェクト]メニューから[業務の作成]を選択します。
→[業務作成]ダイアログボックスが表示されます。
[基本情報]タブを選択します。
以下の項目を設定し、[OK]ボタンをクリックします。
[表示名]:ここでは、“経理”と入力します。
作成した業務に、アプリケーションを登録します。
[Systemwalkerコンソール]で、[オブジェクト]メニューから[追加]-[アプリケーションの追加]を選択します。
→[パッケージ追加]ダイアログボックスが表示されます。
[フォルダ]-[アプリケーション]-[実行ファイル一覧]から、業務に追加するアプリケーションを選択し、[追加]ボタンをクリックします。選択したアプリケーションが、[追加するオブジェクト一覧]に追加されます。
[追加するオブジェクト一覧]に追加されたことを確認し、[OK]ボタンをクリックします。
→[Systemwalkerコンソール]に、業務へ追加したアプリケーションが表示されます。
登録するスクリプトファイルと監視対象アプリケーションの情報を設定するための定義ファイルを、共通管理用ディレクトリにコピーします。
すでに定義ファイルを作成している場合は、コピーすると定義内容が失われるので注意してください。
登録するスクリプトファイルの格納先は以下のとおりです。
【Windows版】
Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\mpsc\sample\apaMonitorAppli.swt |
【UNIX版】
/etc/opt/FJSVssc/sample/apaMonitorAppli.swt |
登録する定義ファイルの格納先は以下のとおりです。
【Windows版】
Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\mpsc\sample\apaMonitorAppli.ini.swt |
【UNIX版】
/etc/opt/FJSVssc/sample/apaMonitorAppli.ini.swt |
上記のスクリプトファイルと定義ファイルを、以下のディレクトリにコピーします。スクリプトファイルと定義ファイルをコピーするディレクトリは、必ず同じ場所にしてください。
【Windows版】
Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\mpsc\script\scpol\任意のディレクトリ |
【UNIX版】
/var/opt/FJSVssc/script/scpol/任意のディレクトリ |
監視対象アプリケーションの情報を、apaMonitorAppli.ini.swtに定義します。
【稼働監視間隔】
MonitorInterval=稼働監視間隔 |
監視間隔(分)を入力します。すべてのノード共通の値です。値は、1~1439(1分から23時間59分)の範囲で指定してください。
ノードごとに個別に設定する場合は、ノードの設定の後に監視間隔を設定できるようになっています。ここで監視間隔の設定と、ノードごとの監視間隔の設定が両方とも行われた場合は、ノードごとの設定が優先されます。
監視間隔(分)を入力しない場合、デフォルトで、5(分)が設定されます。
【ノードの設定】
<ノード名> |
複数のノード上にある同じアプリケーションを監視する場合、ノードの設定は必要ありません。項目をすべて削除してください。
また、複数のノードで個別のアプリケーションを監視する場合はノード名を<>の中に設定し、ノードごとに監視するアプリケーションを定義してください。
複数ノードで共通のアプリケーション監視する場合もノードごとに定義してください。
ここで設定したノード名を5.-d).スクリプトの自動起動機能の設定([定義詳細]-[パラメタ])に設定します。
【稼働監視間隔】
MonitorInterval=稼働監視間隔 |
監視間隔(分)を入力します。ここで設定する稼働監視間隔は、ノードごとの個別の設定です。値は1~1439(1分から23時間59分)の範囲で指定してください。
監視間隔(分)を入力しない場合、デフォルトで、5(分)が設定されます。
【監視対象アプリケーションの区切り】
[Policy_x] |
監視するアプリケーションの区切りです。“x”には1から始まる連番を設定してください。
【監視対象アプリケーションのパス】
App_Path=監視対象のパス |
監視するアプリケーションのパスを設定します。
【表示名】
Disp_Name=表示名 |
アプリケーションの表示名を入力してください。
運用管理サーバでアプリケーション定義を行ったときに、設定した表示名と同じものを設定することを推奨します。
ここで設定した表示名が、稼働違反発生時の違反イベントに埋め込まれます。
設定しなかった場合は、ファイル名が自動で入ります。
【プロセス数下限値】
lower=プロセス数下限値 |
監視するアプリケーションの最低起動しているプロセス数を設定します。ここで設定したプロセス数を下回ると稼働違反イベントが発生します。1~999の間で設定してください。また、設定する値は、プロセス数上限値を超えないようにしてください。
プロセス数下限値を設定しない場合、プロセス数下限値監視は行われません。
【プロセス数上限値】
upper=プロセス数上限値 |
監視するアプリケーションプロセス数の最大値を、1~999の間で設定してください。ここで設定したプロセス数を上回ると稼働違反イベントが発生します。設定する値は、プロセス数下限値より大きい値を設定してください。
プロセス数上限値を設定しない場合、プロセス数上限値監視は行われません。
【例】
以下に定義例を示します。
なお、定義するアプリケーションは、運用管理サーバ側の設定手順1.で作成され、設定手順2.で業務管理ツリーに登録されている必要があります。
【Windows版】
監視する条件は以下のとおりです。
ノード“node_1”で、“c:\apache\apache1.exe”(表示名:Apache1)と“c:\apache\apache2.exe”(表示名:Apache2 プロセス数下限値2 上限値3)を、監視間隔10分で監視
ノード“node_2”で、“c:\apache\apache3.exe”(表示名:Apache3 プロセス数下限値3)を監視間隔30分で監視
[Script_MonitorApplication] [Script_MonitorApplication] |
【UNIX版】
監視する条件は以下のとおりです。
ノード“node_1”で、“/usr/local/apache/httpd”(表示名:Apache)を監視間隔10分で監視
ps -efで表示したときに“/usr/local/apache/httpd”と表示される
[Script_MonitorApplication] |
注意
定義ファイルを作成する際の注意事項
定義ファイルの指定項目のうち、“App_Path=”は必ず指定してください。
“Disp_Name=”、“lower=”、および“upper=”は省略できますが、省略する場合は“Disp_Name=”、“lower=”、および“upper=”の部分も含めて省略してください。
apaMonitorAppli.ini.swt(定義ファイル)の“App_Path=”に定義する監視対象アプリケーションは、運用管理サーバの設定で定義した監視対象アプリケーションと、アプリケーション名、およびインストールパスなどが大文字小文字も含めて一致するように定義してください。
ポイント
監視対象のアプリケーションを変更する場合は、運用管理サーバ側で上記の定義ファイルを編集し、ポリシーの再配付を行ってください。
アプリケーションの稼働監視を行うためのスクリプトファイルと監視対象アプリケーションの情報を設定するための定義ファイルを、スクリプト制御に登録し、監視対象の業務サーバへ配付します。
以下に手順を示します。
スクリプトと定義ファイルを登録します。
[Systemwalkerコンソール]の[ポリシー]メニューから[監視]-[監視ポリシー]を選択します。
→[監視ポリシー[管理]]画面が表示されます。
[オプション]メニューの[カスタムモード表示]を選択した後、[設定対象]-[スクリプト]-[動作設定]を選択します。
[操作]-[新規作成]メニュー、または[操作]-[更新]メニューを選択します。
[ポリシー名]、[コメント名]を入力し、[OK]ボタンをクリックします。
→[スクリプト(動作設定)]ダイアログボックスが表示されます。
[追加]ボタンをクリックします。
→[スクリプト追加]ダイアログボックスが表示されます。
スクリプトファイルを選択し、[OK]ボタンをクリックします。
apaMonitorAppli.swt
apaMonitorAppli.ini.swt
→[スクリプト(動作設定)]ダイアログボックスが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
アプリケーションの稼働監視を行うスクリプトを使用するために、スクリプトの自動起動機能の設定を行います。
【運用管理サーバ以外でアプリケーションの監視を行う場合】
[ポリシー]メニューから[監視]-[監視ポリシー]を選択します。
→[監視ポリシー[管理]]画面が表示されます。
[オプション]メニューの[カスタムモード表示]を選択した後、[設定対象]-[スクリプトの設定]を選択します。
[操作]-[新規作成]メニュー、または[操作]-[更新]メニューを選択します。
→[スクリプト(動作設定)]ダイアログボックスが表示されます。
[登録スクリプト一覧]から、“apaMonitorAppli.swt”を選択し、[自動起動する]のチェックボックスをチェックします。
自動起動の詳細な設定をする場合は、[詳細設定]ボタンをクリックし、[スクリプト自動起動設定]ダイアログボックスを起動します。
監視対象アプリケーションの情報を特定するため、定義ファイルで設定したノード名を入力します。
すべての監視ノードに共通の設定で監視を行う場合には、ここでの設定は必要ありません。
必ず、[スクリプトが格納されているディレクトリ]を選択してください。
監視対象アプリケーションの情報を設定するための定義ファイルで、<node_1>と設定した場合の定義例を以下に示します。
自動起動の設定方法については、“Systemwalker Centric Manager API・スクリプトガイド”の“ポリシーの設定”を参照してください。
[パラメタ] |
[OK]ボタンをクリックします。
→[スクリプト動作設定(運用管理サーバ)]メッセージボックスが表示されます。
[はい]ボタンをクリックします。
[ポリシー]メニューから[ポリシーの配付]を選択します。
→[ポリシーの配付]ダイアログボックスが表示されます。
以下の項目を指定し、[OK]ボタンをクリックします。
[ポリシーを適用するタイミング]
[すぐに適用する(配付先のサービスを再起動する)]