ASM を PRIMECLUSTER 上で使用する場合は、スタンバイ運用(1:1運用待機)または、スケーラブル運用のみ使用可能です。相互待機やN:1運用待機で ASM を使用することはできません。
スタンバイ運用(1:1運用待機)の場合
ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録してください。
リソース登録された ASM インスタンスは、起動・停止制御のみが行われ監視は行われません。ASM インスタンスに異常が発生した場合でも、Oracle インスタンスリソースで異常を検出しますので、userApplication の切替えが発生し、業務を継続できます。
スケーラブル運用の場合
Oracle RAC で ASM を使用する場合は、ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録しないでください。ASM インスタンスの制御は Oracle Clusterware が行いますので、以降の注意事項は必要ありません。
ASM インスタンスとデータベースの作成/設定
運用ノード
ASM インスタンスとデータベースの作成は運用ノード上からのみ行い、待機ノードでは、運用ノードから作成した共用ディスク上のデータベースを動作させる設定のみ行います。
注意
ASM インスタンス作成時、インスタンス名の先頭に「+」がつくように設定してください。
(デフォルトでは “+ASM” となります)
参照
ASM インスタンス、データベースの作成は、Oracle のマニュアルを参照してください。
待機ノード
ASM インスタンス、データベースを作成した運用側と同一の構成になるように、ディレクトリの作成やファイルのコピー、リンクの設定を行ってください。
$ORACLE_HOME/dbs 配下
$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_SID 配下
$ORACLE_BASE/admin/<ASMインスタンス名> 配下
$ORACLE_BASE/diag/asm (Oracle 11g の場合)
上記で作成したディレクトリとファイルのアクセス権限を運用ノードと同一にしてください。
アーカイブ REDO ログ出力先などの設定を運用ノードで行った場合は、待機ノードでも同一の設定を行ってください。
注意
cloracpy コマンド(「4.4 cloracpy - Oracle 設定ツール(待機ノード用)」参照)を使って運用ノードの必要なファイルを tar 形式にバックアップする場合、ASM インスタンスの定義情報はバックアップされません。以下のファイルは tar などを用いて手動でコピーしてください。
$ORACLE_BASE/admin/<ASMインスタンス名> 配下
ASM 初期化パラメータの確認
ASM インスタンスの初期化パラメータ "ASM_DISKGROUPS" に、Oracle データベースを作成したディスクグループ名が設定されていることを確認してください。
参照
ASM インスタンスの初期化パラメータについては、Oracle のマニュアルを参照してください。
userApplication の作成
userApplication 作成時は、Oracle インスタンスリソースと同様に ASM インスタンスリソースを作成してください。1つの userApplication に ASM インスタンスリソースと Oracle インスタンスリソースを登録してください。
参考
ASM インスタンスをリソース登録する場合の手順については、「2.2.7.1 Oracle リソースの作成と userApplication への登録」の手順“5”を参照してください。
ASM インスタンスリソースのフラグ設定値には、NullDetector 属性のみが自動設定されます。この値を変更することはできません。
ASM インスタンスで使用するディスクグループは、手動でマウント操作 (mount/umount) をしないでください。ディスクグループがマウントされている場合は、ASM リソース活性化時に以下のメッセージがコンソールに出力される場合がありますが、特に対処する必要はありません。
ORA-15032: not all alterations performed
ORA-15017: diskgroup "ディスクグループ名" cannot be mounted
ORA-15030: diskgroup name "ディスクグループ名" is in use by another diskgroup