ページの先頭行へ戻る
Symfoware Server V10.0.0 クラスタ導入運用ガイド

1.8.3 ロードシェア運用のシステム構成

ロードシェア運用のシステム構成について以下を説明します。

ネットワークとシステム構成

ロードシェア運用でのシステム構成図を以下に示します。

各ノードに配置されたSymfoware Serverを、スケーラブル型のクラスタアプリケーションのリソースとして登録することにより、Symfoware Serverのロードシェア機能を実現しています。これらのRDBシステムは、RDBネットと呼ぶネットワークによって結合されます。また、スケーラブル型のクラスタアプリケーションを構成するRDBシステムは、その役割から管理するシステム“Capitalシステム”と、それ以外のシステム“Satelliteシステム”に分けられます。

Capitalシステムは、RDBネットの結合状態およびデータベース定義を管理するRDBシステムであり、スケーラブル型のクラスタアプリケーションに1つ存在します。このRDBシステムは、“管理システム”とも呼びます。

Satelliteシステムは、Capitalシステム以外のRDBシステムであり、スケーラブル型のクラスタアプリケーションに複数存在します。このRDBシステムは、“一般システム”とも呼びます。

資源の配置

ファイルなどの資源は、各ノードのローカルディスクおよび共用ディスクに配置します。データベースのようにフェイルオーバ運用の切替え後に運用状態を引き継ぐものは共用ディスクに配置し、運用状態を引き継ぐ必要のないものはローカルディスクに配置します。

Symfoware Serverでは、データベーススペースは、DSIを単位として各ノードに分散配置します。また、Capitalシステムには、データベースの定義情報を持つRDBディクショナリを配置します。

CapitalシステムとSatelliteシステムでは、それぞれのRDBシステムに配置する資源が異なります。それぞれに配置する資源について、以下に示します。

ファイル

RDBシステム

Capital

Satellite

RDB構成パラメタファイル

ロードシェア構成パラメタファイル

RDBディクショナリ

×

RDBディレクトリファイル

ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイル

○(注1)

○(注1)

データベーススペース

ロググループ管理ファイル

○(注2)

○(注2)

ログ管理ファイル

テンポラリログファイル

アーカイブログファイル

○(注3)

○(注3)

インダウトログファイル

パフォーマンスデータ格納ファイル

動作環境ファイル(システム用・サーバ用・クライアント用)

ソート作業域

バックアップ制御ファイル

RDBディクショナリの退避データ

×

データベースの退避データ

アーカイブログファイルの退避データ

○(注3)

○(注3)

退避データベーススペース

○(注4)

○(注4)

リカバリ制御ファイル

○(注4)

○(注4)

メッセージログファイル

コアファイル

○ : 必須

× : 不要

注1) スケーラブルディレクトリ運用を行う場合に必要です。

注2) スケーラブルログ運用を行う場合に必要です。

注3) アーカイブログ運用を行う場合に必要です。

注4) Advanced Backup Controllerを利用する場合に必要です。


ロードシェア運用でのSymfoware Serverで使用する主な資源の配置について、以下に示します。

ファイルの配置

ロードシェア運用を行う場合、ファイルは、共用ディスク装置またはローカルディスクに配置します。Symfoware Serverでは、データベースのように切替え後に運用状態を引き継ぐものは、共用ディスク装置に配置します。運用状態を引き継ぐ必要のないファイルは、ローカルディスクに配置します。共用ディスク装置には、共用ディスクまたは切替えディスクがあり、ファイルによって、どちらかに配置します。

Symfoware Serverを構成するファイルの種別と配置先を、以下の表に示します。

表1.4 ロードシェア運用におけるSymfoware Serverを構成するファイルの種別と配置先

ファイル

種別

配置先

RAW

FILE

共用

切替え

ローカル

Symfoware/RDB

RDB構成パラメタファイル

  

  

  

ロードシェア構成パラメタファイル

  

  

  

RDBディクショナリ

  

○(注)

  

RDBディレクトリファイル

  

○(注)

  

ユーザロググループ用RDBディレクトリファイル

  

○(注)

  

データベーススペース

  

○(注)

  

ロググループ管理ファイル

  

○(注)

  

ログ管理ファイル

  

○(注)

  

テンポラリログファイル

  

○(注)

  

アーカイブログファイル

  

○(注)

  

インダウトログファイル

  

○(注)

  

パフォーマンスデータ格納ファイル

  

  

  

動作環境ファイル(システム用・サーバ用・クライアント用)

  

  

  

ソート作業域

  

  

  

rdbgcdsiコマンドの中間退避ファイル

  

  

  

rdbgcdsiコマンドの再編成制御ファイル

  

  

  

RDBコマンドの作業ファイル

  

  

RDBコマンド実行前に取得する退避ファイル

  

  

バックアップ制御ファイル

  

  

  

RDBディクショナリの退避データ

  

  

データベースの退避データ

  

  

アーカイブログファイルの退避データ

  

  

退避データベーススペース

  

○(注)

  

リカバリ制御ファイル

  

  

メッセージログファイル

  

  

  

コアファイル

  

  

  

RAW : ローデバイス

FILE : UNIX系ファイル

共用 : GDS (同時アクセス用共用ディスク)

切替え : 切替えディスク

ローカル : ローカルディスク

○ : 資源の配置が可能

注) 切替えディスクに配置できるのは、スタンバイ機能と併用する場合のみです。

参照

共用ディスク装置に関する定義の方法は、“PRIMECLUSTER導入運用手引書”を参照してください。

ファイル配置の考慮点については、“1.8.4 ファイル配置の考慮点”を参照してください。

資源の配置の詳細については、“セットアップガイド”を参照してください。