Symfoware/RDBの運用に必要なローデバイスを確保します。RDBディクショナリ、ロググループ管理ファイル、ログ管理ファイル、テンポラリログファイル、アーカイブログファイル、データベースおよび監査ログデータベースを格納するローデバイスを作成します。ローデバイスは、資源ごとに作成する必要があります。
アーカイブログファイルを格納するローデバイスと、データベースを格納するローデバイスは、異なるディスク上に作成してください。同じディスク上に作成した場合に媒体破壊が発生すると、データベースをリカバリすることができなくなります。
以下のファイルは、同じローデバイスに作成することができます。
ロググループ管理ファイル
ログ管理ファイル
システムロググループのログ管理ファイルは、ロググループ管理ファイルと同一のローデバイスに作成することはできません。
テンポラリログファイル
ログインデックス域は、ログ管理ファイルと同じローデバイスに作成することができます。
AIログ域とBIログ域は、ログインデックス域と同じローデバイスに作成することができます。
使用可能なログファイルの配置構成を以下に示します。
Solarisにおいて、スライス0にロググループ管理ファイル、ログ管理ファイルおよびテンポラリログファイルを作成します。Linuxの場合は“スライス0”を“パーティション1”に読みかえてください。
ローデバイスの作成方法について説明します。
ディスクから必要な大きさのパーティションを切り出してローデバイスを作成します。ローデバイスの作成は、formatユーティリティで、パーティションを切り出すディスクの番号を入力したあと、“partition”を選択し、メニューの指示に従って行います。
なお、ローデバイスに対して初期化を行う必要はありません。
注意
ローデバイス作成時に、シリンダ0は指定しないでください。
スライス2は、ディスク全体を表すため、ローデバイスとして使用しないでください。
Symfoware/RDBで使用するローデバイスは、formatユーティリティで作成したものを使用してください。Symfoware/RDBの運用に必要なローデバイスに対してリンクを作成しないでください。
マルチパスディスクやPRIMECLUSTER GDSを使用する場合は、マルチパスディスク制御やPRIMECLUSTER GDSで作成した文字型特殊ファイル名を使用してください。それらの文字型特殊ファイル名に対してリンクを作成しないでください。
OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。
参照
ローデバイスの作成方法およびformatユーティリティの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
ローデバイスの作成方法について説明します。
RHEL-AS4の場合
ディスクから必要な大きさのパーティションを切り出してローデバイスを作成します。ローデバイスは、rawコマンドで設定して使用します。以下に作成手順を示します。
以下の機能を利用してパーティションまたはボリュームを作成します。
OS機能のpartedコマンド
PRIMECLUSTER GDS
/etc/sysconfig/rawdevicesを編集します。
OS機能で作成したパーティションの場合、デバイス名としてudevにより作成される固定のデバイス名を指定してください。
by-id名を使用してください。
by-path名を使用してください。
PRIMECLUSTER GDSのボリュームの場合、ブロック特殊ファイルを指定してください。
修正例を以下に示します。
/dev/raw/raw12 /dev/disk/by-path/pci-0000:09:01.0-scsi-2:0:0:19p1 /dev/raw/raw13 /dev/disk/by-path/pci-0000:09:01.0-scsi-2:0:0:19p2 /dev/raw/raw30 /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0001 /dev/raw/raw31 /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0002
udevによりローデバイスのアクセス権が正しく設定されるように、/etc/udev/permissions.d/ディレクトリにある追加パーミッションルールファイルを必要に応じて編集します。
ntsysvコマンドを実行し、“rawdevices”を選択します。すでに“rawdevices”が有効になっている場合は、以下のコマンドを実行して/etc/sysconfig/rawdevicesファイルの変更内容を反映してください。
$ /sbin/service rawdevices restart
なお、ローデバイスに対して初期化を行う必要はありません。
注意
udevのブロックデバイスはパーティションを指定してください。パーティション番号のないハードディスクデバイスは、ディスクラベル(パーティションテーブル)を含んでいるため、使用しないでください。
Symfoware/RDBで使用するローデバイスは、rawコマンドで作成したものを使用してください。Symfoware/RDBの運用に必要なローデバイスに対してリンクを作成しないでください。
OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。
参照
partedコマンド、rawコマンド、ntsysvコマンド、udevおよびシステムファイルの編集の詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
PRIMECLUSTER GDSの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。
アクセス権の設定方法について説明します。
複数の動作環境を作成する場合は、ほかのSymfoware/RDB環境とローデバイスを二重に使用しないよう注意が必要です。ローデバイスの作成後に、各システムの起動ユーザしかアクセスできないようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用して、アクセス権の設定を行ってください。
参照
chownコマンドおよびchmodコマンドの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
注意
デバイスのアクセス権はudevによって設定されます。udevの設定ファイルにより、ローデバイスのアクセス権を設定してください。
Symfoware/RDBの起動ユーザをsymfo、グループをrdbとし、ローデバイスとして /dev/raw/raw10を使用する場合、以下の内容で、/etc/udev/permissions.d/48-raw.permissions ファイルを作成します。
raw/raw10:symfo:rdb:0660
udevの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
RHEL5の場合
ディスクから必要な大きさのパーティションを切り出してローデバイスを作成します。ブロックデバイスに対してシンボリックリンクを設定することで、ローデバイスとして使用できます。なお、PRIMECLUSTER GDSを使用する場合は、GDSのブロックデバイスを直接使用します。以下に作成手順を示します。
以下の機能を利用してパーティションまたはボリュームを作成します。
OS機能のpartedコマンド
PRIMECLUSTER GDS
PRIMECLUSTER GDSを使用している場合は、上記の作業でローデバイスの作成は完了となります。
以降の作業は、PRIMECLUSTER GDSを使用していない場合に実施してください。
ディスクのパーティションに対応するudevのブロックデバイス名を特定します。
udevのブロックデバイス名には、by-id名とby-path名があり、接続されているディスク装置により、使用するデバイス名が異なります。なお、特定したudevのブロックデバイスとディスクパーティションの情報は対応表などを作成することを推奨します。
by-id名を使用してください。
by-path名を使用してください。
ETERNUS以外のディスク(/dev/sda5)に対するudevのブロックデバイス名の特定をする場合の例を以下に示します。
なお、/dev/sda5のudevのブロックデバイス名は、/dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5となります。
$ cd /dev/disk/by-path
$ ls -l
lrwxrwxrwx 1 root root 9 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0 -> ../../sda
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part1 -> ../../sda1
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part2 -> ../../sda2
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part3 -> ../../sda3
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part4 -> ../../sda4
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5 -> ../../sda5
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part6 -> ../../sda6
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part7 -> ../../sda7
udevのブロックデバイスへシンボリックリンクを作成します。
シンボリックリンクの作成先は、/dev_symfowareディレクトリを作成後、/dev_symfoware配下に作成します。
/dev_symfowareディレクトリのアクセス権は、データベース管理者からアクセス可能なようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用してアクセス権の設定を行ってください。
udevのブロックデバイス(/dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5)へシンボリックリンク(raw1)を作成する場合の例を以下に示します。なお、/dev_symfoware/raw1をローデバイス名と呼びます。
$ cd /dev_symfoware $ ln -s /dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5 raw1 $ ls -l lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 raw1 -> /dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5
なお、ローデバイスに対して初期化を行う必要はありません。
注意
OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。
参照
partedコマンド、udev、chownコマンドおよびchmodコマンドの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
PRIMECLUSTER GDSの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。
アクセス権の設定方法について説明します。
“PRIMECLUSTER Global Disk Services説明書”の“注意事項”を参照して設定してください。
ローデバイスへのアクセス権の設定ルールを記述します。
設定ルールは、“/etc/udev/rules.d/99-symfoware.rules”を作成して記述します。
設定ルールは、すべてのローデバイス分記述します。
ETERNUSのディスクに対してルールを設定する場合
/dev/disk/by-id/scsi-SFUJITSU_MAN3367MC_UFD8P2602PTJ-part1にアクセス権(オーナ:symfo、グループ:symfogrp、アクセス権:0600)を設定する場合の例を以下に示します。
KERNEL=="*[1]", ENV{ID_BUS}=="scsi", ENV{ID_SERIAL}=="SFUJITSU_MAN3367MC_UFD8P2602PTJ", OWNER="symfo", GROUP="symfogrp", MODE="0600"
ETERNUS以外のディスクに対してルールを設定する場合
/dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5にアクセス権(オーナ:symfo、グループ:symfogrp、アクセス権:0600)を設定する場合の例を以下に示します。
KERNEL=="*[5]",ENV{ID_PATH}=="pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0",OWNER="symfo",GROUP="symfogrp", MODE="0600"
参照
udevの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。