RDBディクショナリの再配置、追加割当てまたは容量拡張について説明します。
データベースの定義変更を繰り返すことによって、RDBディクショナリのシステム表内に空き領域が生じる場合があります。この場合、システム表内の領域を再配置することによって、システム表の領域を有効に使用できるようになります。
運用のRDBシステムに対して、以下の手順で作業します。
(1)スタンバイクラス配下の業務を完全に停止します。 (2)スタンバイクラスのクラスタサービスを停止します。 ―――― クラスタ運用管理 ビューまたは clstopsvcコマンド (3)Symfoware/RDBが正常に停止されたか確認します。 Symfoware/RDBを配置している各ノードのイベントログ およびメッセージログファイルにSymfoware/RDBの停止 メッセージが出力されるので、正常に停止していること を確認します。 (4)ディスクリソースを活性状態にします。 ディスクリソースの活性手順は、 “5.1.2 ディスクリソースを活性状態にする” を参照してください。 (5)Symfoware/RDBを起動します。 ―――― rdbstartコマンド (6)再配置での異常に備えて、RDBディクショナリの退避 ―――― rdbdmpdicコマンド データを取得します。 (再編成での異常発生に備えてRDBディクショナリを バックアップします。) (7)RDBディクショナリに“参照更新抑止”の利用規定を ―――― rdbrtrコマンド 設定します。 (rrwオプション かつzオプション) (8)RDBディクショナリを再編成します。 ―――― rdbgcdicコマンド 正常終了 ⇒(14) 異常終了(メモリ不足発生時) ⇒(9) 異常終了(入出力障害など、上記以外) ⇒(11) (9)メモリ不足の原因を取り除きます。 (10)RDBディクショナリの再編成を再実行します。 ―――― rdbgcdicコマンド (Rオプション) 正常終了 ⇒(14) 異常終了(メモリ不足発生時) ⇒(9) 異常終了(入出力障害など、上記以外) ⇒(11) (11)Symfoware/RDBを停止します。 ―――― rdbstopコマンド (12)異常原因を取り除きます。 (13)退避データよりRDBディクショナリとRDBディレクトリファ―――― rdbrcvdicコマンド イルをリカバリします。 (Lオプションかつ fオプションかつ zオプション) (14)RDBディクショナリの“参照更新抑止”の利用規定を解除 ―――― rdbrlsコマンド します。 (rrwオプション かつzオプション) (15)Symfoware/RDBを停止します。 ―――― rdbstopコマンド (16)Symfoware/RDBを起動します。(動作確認) ―――― rdbstartコマンド (17)Symfoware/RDBを停止します。(動作確認) ―――― rdbstopコマンド (18)ディスクリソースを非活性状態にします。 ディスクリソースの非活性手順は、 “5.1.4 ディスクリソースを非活性手順状態にする” を参照してください。 (19)スタンバイクラスのクラスタサービスを起動します。 ―――― クラスタ運用管理 ビューまたは clstartsvcコマンド (20)RDBディクショナリの退避データを取得します。 ―――― rdbdmpdicコマンド (21)業務を再開します。
RDBディクショナリの追加割当てを行うかまたは容量拡張を行うかはRDBディクショナリの拡張契機の見積りにより判断します。
データベースの運用を行っていく過程では、RDBディクショナリの領域が不足する可能性があります。このような状況が発生すると運用が停止してしまうため、未然に状況を把握し対処する必要があります。そこで、データベースの定義変更後には、RDBディクショナリの領域の使用率を取得します。何回かの定義変更後に取得した情報をもとに、使用率の遷移を求め、拡張の契機を予測します。RDBディクショナリの領域の使用率は、rdbprdicコマンドにより情報を出力します。以下に、rdbprdicコマンドの出力形式について説明します。
参照
rdbprdicコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。
rdbprdicコマンドが出力する情報をもとに、RDBディクショナリの追加割当てを行うかまたは容量拡張を行うかを判断します。
rdbprdicコマンドの出力形式を以下に示します。
> rdbprdic
Database space : RDBII_SYSTEMDIC
Device : \\.\DICTIONARY (1)
Size : 10240K (2)
Static allocate size
total : 5120K (3)
Dynamic allocate size
total : 3072K (4)
Free size
total : 2048K (5)
System table used rate
max : 80 % ( 1024K) (6)((7))
total : 60 % ( 8192K) (8)((9))
(1) RDBディクショナリを作成したローデバイス名
(2) RDBディクショナリの全体サイズ(単位はキロバイト)
(3) rdbcrdicコマンドでシステム表に割り付けたサイズ(単位はキロバイト)
(4) rdbaldicコマンドでシステム表に追加したサイズの合計(単位はキロバイト)
(5) RDBディクショナリの未使用サイズ(単位はキロバイト)
(6) RDBディクショナリ内で最も使用率の高いシステム表の使用率(単位は%)
(7) RDBディクショナリ内で最も使用率の高いシステム表のサイズ(単位はキロバイト)
(8) すべてのシステム表に対する領域の使用率(単位は%)
(9) すべてのシステム表のサイズの合計(単位はキロバイト)
rdbprdicコマンドで出力されるシステム表の最大使用率(出力形式の[6])とRDBディクショナリ全体の使用率([8])から追加割当てを行うかまたは容量拡張を行うかを判断します。ここでは、判断するときの目安を示します。
ただし、データベースの定義や削除を頻繁に行うと、システム表内に空き領域が多く存在する場合があるので、追加割当てや容量拡張の判断を行う前にRDBディクショナリの再配置を行ってください。再配置を行った結果が、以下のようであれば、追加割当てまたは容量拡張を実行してください。
あるシステム表の領域使用率([6])が大きいときは、追加割当てまたは容量拡張が必要です。
RDBディクショナリの拡張契機の見積りにより、あるシステム表の領域が不足すると判断した場合には、RDBディクショナリの追加割当てを行います。RDBディクショナリの追加割当てでは、システム表として使用する領域の追加割当てを行い、その領域をシステム表ごとに適切に配分することにより、各システム表の空き容量の比率を均等にします。
運用のRDBシステムに対して、以下の手順で作業します。
(1)スタンバイクラスの配下の業務を完全に停止します。 (2)追加割当てでの異常に備えて、RDBディクショナリの ―――― rdbdmpdicコマンド 退避データを取得します。 (3)スタンバイクラスのクラスタサービスを停止します。 ―――― クラスタ運用管理 ビューまたは clstopsvcコマンド (4)Symfoware/RDBが正常に停止されたか確認します。 Symfoware/RDBを配置している各ノードのイベントログ およびメッセージログファイルに、Symfoware/RDBの停止 メッセージが出力されるので、正常に停止していること を確認します。 (5)ディスクリソースを活性状態にします。 ディスクリソースの活性手順は、 “5.1.2 ディスクリソースを活性状態にする” を参照してください。 (6)RDBディクショナリを追加割当てします。 ―――― rdbaldicコマンド (aオプション) 正常終了 ⇒(9) 異常終了 ⇒(7) (7)異常原因を取り除きます。 (8)退避データよりRDBディクショナリとRDBディレクトリファ―――― rdbrcvdicコマンド イルをリカバリします。 (Lオプションかつ fオプションかつ zオプション) (9)Symfoware/RDBを起動します。(動作確認) ―――― rdbstartコマンド (10)Symfoware/RDBを停止します。(動作確認) ―――― rdbstopコマンド (11)ディスクリソースを非活性状態にします。 ディスクリソースの非活性手順は、 “5.1.4 ディスクリソースを非活性手順状態にする” を参照してください。 (12)スタンバイクラスのクラスタサービスを起動します。 ―――― クラスタ運用管理 ビューまたは clstartsvcコマンド (13)RDBディクショナリの退避データを取得します。 ―――― rdbdmpdicコマンド (14)業務を再開します。
RDBディクショナリの拡張契機の見積りにより、RDBディクショナリ全体の領域が不足すると判断した場合は、RDBディクショナリの容量拡張を行います。RDBディクショナリの容量拡張では、新規に確保した容量の大きなローデバイスに現在のRDBディクショナリの内容を複写し、システム表の領域の拡張を行います。そのため、容量拡張を行う前に、RDBディクショナリの容量見積りを行い、新規にローデバイスを確保してください。
運用のRDBシステムに対して、以下の手順で作業します。
(1)スタンバイクラスの配下の業務を完全に停止します。 (2)容量拡張での異常に備えて、RDBディクショナリの ―――― rdbdmpdicコマンド 退避データを取得します。 (3)スタンバイクラスのクラスタサービスを停止します。 ―――― クラスタ運用管理 ビューまたは clstopsvcコマンド (4)Symfoware/RDBが正常に停止されたか確認します。 Symfoware/RDBを配置している各ノードのイベントログ およびメッセージログファイルに、Symfoware/RDBの停止 メッセージが出力されるので、正常に停止していること を確認します。 (5)ディスクリソースを活性状態にします。 ディスクリソースの活性手順は、 “5.1.2 ディスクリソースを活性状態にする” を参照してください。 (6)新規にローデバイスを用意し、RDBディクショナリを容量 ―――― rdbaldicコマンド 拡張します。 (aオプションかつ eオプションかつ rオプション) 正常終了 ⇒(9) 異常終了 ⇒(7) (7)異常原因を取り除きます。 (8)退避データよりRDBディクショナリとRDBディレクトリファ―――― rdbrcvdicコマンド イルをリカバリします。 (Lオプションかつ fオプションかつ zオプション) RDBディクショナリは、容量拡張前のローデバイスにリカバリします。⇒(6) (9)Symfoware/RDBを起動します。(動作確認) ―――― rdbstartコマンド (10)Symfoware/RDBを停止します。(動作確認) ―――― rdbstopコマンド (11)ディスクリソースを非活性状態にします。 ディスクリソースの非活性手順は、 “5.1.4 ディスクリソースを非活性手順状態にする” を参照してください。 (12)スタンバイクラスのクラスタサービスを起動します。 ―――― クラスタ運用管理 ビューまたは clstartsvcコマンド (13)RDBディクショナリの退避データを取得します。 ―――― rdbdmpdicコマンド (14)業務を再開します。