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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

7.1.2 同期型レプリケーションの処理

ETERNUS ディスクアレイのEC/REC機能を用いて、複写元ボリュームから複写先ボリュームに複製を作成します。

同期型レプリケーションの複製作成方法には、全面コピー(差分コピーではなく、コピー元ボリューム全体をコピーする)による方法と差分コピー(前回の複製作成後の更新分のみコピーする)による方法があります。

同期型レプリケーションは、次のように処理が行われます。

  1. 9.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)で複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理(EC/REC)を開始し、全面コピーを開始します。(図の(1))

  2. 全面コピーが完了し、複写元ボリュームと複写先ボリュームが等価状態になります。この時点以降、複写元ボリュームに対する更新が複写先ボリュームに逐次反映され、データの等価性が常に維持される状態(等価性維持状態)になります。(図の(2)~(3)の状態)

  3. 9.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)で同期処理を一時停止し、複写元ボリュームの複製を作成します。複製作成コマンドでは、複写元のアンマウント/マウントを行います。これにより複製元データを確定させます(詳細については、「付録B レプリケーションの前後処理」で説明します)。複製作成コマンド実行後、複製確立状態となり、複写先ボリュームにアクセスできます。(図の(3)~(4)の状態)

  4. 再度、複製を作成するためには、一時停止されている同期処理を複製開始コマンドで再開します。この場合、差分コピーにより、前回の複製作成時から同期処理再開までの間の複写元ボリュームへの更新(差分)データが複写先ボリュームへコピーされます。(図の(4))
    複製作成後に複写先ボリュームの更新を行っている場合、複写先ボリュームの更新内容はクリアされます。

  5. 更新(差分)データのコピーが完了すると、再び等価性維持状態になります。(図の(5)~(6)の状態)

  6. 等価性維持状態になった後、複製作成コマンドを実行して複製を再作成します。(図の(6))

図7.9 同期型レプリケーションの処理方法

注意

  • 同期型レプリケーションでEC/REC機能を使用する場合は、EC/REC機能が動作可能なETERNUS ディスクアレイが必要です。

  • 複写元ボリュームと複写先ボリュームが等価状態になる前に9.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)を実行することはできません。

  • 複写先ボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にvgchange(1M)コマンドで複写先ボリュームを非アクティブ(deactivate)にしないでください。同期処理実行中に複写先ボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にすることができなくなるばかりでなく、同期処理の停止(複製作成コマンド、同期処理キャンセルコマンド)等の操作が実行不可能な状態になります。もし誤って非アクティブにしてしまった場合は、ETERNUS Web GUI等を使用して同期処理を強制停止した後、複写先ボリュームをアクティブにしてください。