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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

4.8.2 物理ディスク単位のバックアップ運用

ボリュームグループの構成が、ボリュームグループ単位での運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することによりバックアップ運用を行うことができます。

物理ディスク単位に運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があることから、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作しなければなりません。

ポイント

同期を取る必要がある物理ボリュームを確認する方法は、「9.3.10 stgxfwcmdispdev(デバイス情報表示コマンド)」または『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「同一のコピー領域を使用するデバイスの表示」を参照してください。

注意

クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成する全てのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)dsk/c#t#d#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。

図4.15 物理ディスク単位の運用を行う構成の例

4.8.2.1 運用設計

複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するためには、複製先ボリュームは複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります

図4.16 業務ボリュームとバックアップボリューム

4.8.2.2 事前準備

4.8.2.2.1 ボリュームグループ構成情報ファイルの退避

バックアップの後処理として、ボリュームグループ構成情報ファイルのリストアを行う必要があります。ボリュームグループ構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。通常は、以下のファイルに退避されています。

/etc/lvmconf/<ボリュームグループ名>.conf
4.8.2.2.2 業務ボリューム/バックアップボリュームの設定

業務ボリューム/バックアップボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。

[例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/dsk/c1t0d10
swstdevinfoset completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/dsk/c1t0d11
swstdevinfoset completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d20 
swstdevinfoset completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d21
swstdevinfoset completed
#
4.8.2.2.3 デバイスマップファイルの例

LVMボリュームのバックアップ運用では、業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつバックアップボリュームを指定する必要があるため、デバイスマップファイルを作成する必要があります。

[デバイスマップファイルの例]

# 業務ボリューム名             出力先バックアップボリューム名
/dev/dsk/c1t0d10               /dev/dsk/c1t0d20
/dev/dsk/c1t0d11               /dev/dsk/c1t0d21

デバイスマップファイルの詳細は、「4.4.10 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。

4.8.2.3 物理ディスク単位のバックアップの実行

ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。

必要な前後処理は、バックアップの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。

[スナップショット型バックアップの例]

(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d10 -Xdvemap /acm/devmap.txt
/dev/dsk/c1t0d10 swstbackup completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d11 -Xdvemap /acm/devmap.txt
/dev/dsk/c1t0d11 swstbackup completed
#

(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う)

[同期型バックアップの例]

(バックアップボリュームに対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/dsk/c1t0d10 -Xdevmap /acm/devmap.txt
/dev/dsk/c1t0d10 swststartsync completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/dsk/c1t0d11 -Xdevmap /acm/devmap.txt
/dev/dsk/c1t0d11 swststartsync completed

(等価性維持状態後)

(業務ボリュームに対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d10
/dev/dsk/c1t0d10 swstbackup completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d11
/dev/dsk/c1t0d11 swstbackup completed
#

(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う)

バックアップの前後で実施する前後処理は以下。

表4.4 バックアップの前後処理

  

前処理

後処理

業務
ボリューム

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

バックアップ
ボリューム

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

  1. ボリュームグループを再構成します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

ボリュームグループの再構成

ボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02
    #
  2. ボリュームグループ構成情報のリストア

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21
    #
  3. ボリュームグループの起動

    [クラスタ運用している場合]
    # /usr/sbin/vgchange -c y /dev/vg02
    # /usr/sbin/vgchange -a e /dev/vg02
    
    [クラスタ運用していない場合]
    # /usr/sbin/vgchange -a y /dev/vg02
    #

共有モードのボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02
    #
  2. ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21
    #
  3. 共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -S y -c y /dev/vg02
    #
  4. ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a s /dev/vg02
    #

4.8.2.4 物理ディスク単位のリストアの実行

ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。

必要な前後処理は、リストアの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。

[リストアの例]

(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/dsk/c1t0d10
/dev/dsk/c1t0d10 swstrestore completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/dsk/c1t0d11
/dev/dsk/c1t0d11 swstrestore completed
#

(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う)

リストアの前後で実施する前後処理は以下。

表4.5 リストア処理

  

前処理

後処理

バックアップ
ボリューム

ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。

後処理の必要はありません。

リストア先
ボリューム

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

  1. ボリュームグループを再構成します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

ボリュームグループの再構成

ボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg01
    #
  2. ボリュームグループ構成情報のリストア

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d10
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d11
    #
  3. ボリュームグループの起動

    [クラスタ運用している場合]
    # /usr/sbin/vgchange -c y /dev/vg01
    # /usr/sbin/vgchange -a e /dev/vg01
    
    [クラスタ運用していない場合]
    # /usr/sbin/vgchange -a y /dev/vg01
    #

共有モードのボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg01
    #
  2. ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d10
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d11
    #
  3. 共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -S y -c y /dev/vg01
    #
  4. ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a s /dev/vg01
    #