MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合
クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。
レプリケーションコマンド実行中にフェイルオーバが発生した場合、12.4.3.1 swsrprecoverres(資源整合コマンド)を使用して整合性がとれるようにリカバリ対処が必要です。
クラスタ運用を行う場合、AdvancedCopy Managerはクラスタグループに組み込まれており、クラスタグループの一部として動作するため、レプリケーション運用はクラスタグループの運用系で実施する必要があります。
待機状態となっているノードや、別のクラスタグループからレプリケーションを行うことはできません。
複写先のボリュームがクラスタのディスクリソースとして登録されている場合は、OPCを利用したスナップショット型のレプリケーションを行ってください。
注意
複写先のボリュームがクラスタのディスクリソースとして登録されている場合、パーティション単位のコピーを推奨します。
クラスタのディスクリソースを対象としてLogical Unit単位でコピーを行い、ディスクの管理情報であるシグネチャ(MBRディスク形式の場合)またはGUID(GPTディスク形式の場合)が変更された場合、複写先のディスクリソースがクラスタから認識できなくなる事があります。
Logical Unit単位のコピーを実施する際は「Logical Unit(ディスク)単位コピーを実施する場合の注意事項」を参照して下さい。
レプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。
ポイント
物理ディスクリソースの保守モード状態を確認するためには、以下の構文を使用したコマンドを入力してください。
cluster [ClusterName] res DiskResourceName /maint |
「状態」が「オンライン」と表示される場合は、保守モードは“OFF”になっています。
「状態」が「オンライン(保守)」と表示される場合は、保守モードは“ON”になっています。
複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。
> cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on |
複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。
> cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on |
レプリケーションを実行します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed > |
複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。
> cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off |
複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。
> cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off |
ECを利用する場合は、複製先を非クラスタのStorageサーバに接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはOPCを利用したスナップショット型レプリケーションを使用してください。
ECを利用したレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。
同期処理を開始します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed > |
等価性維持状態を確認します。
物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをONにします。
> cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on |
レプリケーションを実行します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed > |
物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをOFFにします。
> cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off |
RECを利用する場合も、複製先を非クラスタのStorageサーバに接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはRECを利用した同期型レプリケーションを使用します。
RECを利用した逆方向のレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。
物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをONにします。
> cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on |
同期処理を開始します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed > |
等価性維持状態を確認します。
レプリケーションを実行します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed > |
物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをOFFにします。
> cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off |
同期処理中(手順2から手順4の間)に物理ディスクリソースがいったんオフラインになると、オンラインにすることができなくなるため、注意してください。
同期処理中に物理ディスクリソースがオフラインになってしまった場合は、以下の手順で対処してください。
非クラスタのStorageサーバから同期処理を停止します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpcancel -m From-Volume-Name To-Volume-Name FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpcancel completed > |
物理ディスクリソースをオンラインにしてから逆方向のレプリケーションを再実行します。
SafeCLUSTERでクラスタ運用している場合
クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。
レプリケーションコマンド実行中にフェイルオーバが発生した場合、12.4.3.1 swsrprecoverres(資源整合コマンド)を使用して整合性がとれるようにリカバリ対処が必要です。
クラスタ運用を行う場合、AdvancedCopy Managerはクラスタサービスに組み込まれており、クラスタサービスの一部として動作するため、レプリケーション運用はクラスタサービスの運用系で実施する必要があります。
待機状態となっているノードや、別のクラスタサービスからレプリケーションを行うことはできません。
注意
同期型レプリケーションを使用する場合、12.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)で運用を開始する前に以下の作業を必ず実施してください。
コピー先ボリュームをディスクグループに登録した後、コピー先ボリュームのドライブ文字を解除してください。この作業はプライマリノード、セカンダリノードのそれぞれで実施する必要があります。
上記作業は、SafeCLUSTERがフェイルオーバ時に実施するドライブ文字割当て処理を、同期処理中のコピー先ボリュームに対して実施しないようにするため必要です。したがって、同期処理のサスペンド中にコピー先ボリュームにドライブ文字を割り当てた場合は、ボリュームの使用後にドライブ文字を必ず解除してください。
なお、サーバ間レプリケーションでコピー先サーバがSafeCLUSTERの仮想サーバでない場合は、上記作業を実施する必要はありません。また、スナップショット型レプリケーションを使用する場合も、上記作業を実施する必要はありません。
SafeCLUSTER環境下で同期型レプリケーション運用をしている場合、フェイルオーバが発生すると運用中ノードが停止する場合があります。その際は待機側ノードを手動にて起動してください。
<フェイルオーバによりノード停止が発生する契機>
同期処理が行われている場合
クラスタ運用でのExchange2003/2007データベースのバックアップとリストアについては、以下の注意事項があります。
Exchange連携機能をMSCSで運用する場合は、以下を実施してください。
Exchange業務とAdvancedCopy Manager業務を同一クラスタグループ内に作成してください。
Exchange Server 2003の場合
論理IPアドレスをExchange ServerとAdvancedCopy Managerで共用しないようにしてください。
Exchange Server 2007の場合
論理IPアドレスをExchange ServerとAdvancedCopy Managerで共用するようにしてください(Exchange業務を作成した後、AdvancedCopy Manager業務を作成してください)。
AdvancedCopy Managerのコマンドを実行する際は、環境変数SWSTGNODEにAdvancedCopy Managerの論理ノード名を事前に設定してください。
AdvancedCopy ManagerのExchange連携コマンド(swsrpXXX_exchange,swsrpXXX_ex2k3)を実行する際は、evsオプションを使用し、その引数には、Exchange Serverの仮想サーバ名を指定してください。
デバイスマップファイルはプライマリノード、セカンダリノードの双方から参照できるように配置してください(共用ディスク上に配置するか、または、両ノードのローカルディスク上に配置してください)。
注意
Windows Server 2008上で動作するExchange Serverのデータベースについては、AdvancedCopy Managerでバックアップ/リストアすることはできません。
クラスタ運用でのSQL Serverデータベースのバックアップとリストアについては、以下の注意事項があります。
SQL Serverバックアップ機能をMSCSまたはWSFCでクラスタ運用する場合は、以下を実施してください。
SQL Server業務とAdvancedCopy Manager業務を同一クラスタグループ内に作成してください(論理IPアドレスをSQL ServerとAdvancedCopy Managerで共用しないようにしてください)。
12.6.2.1 swsrpbackup_sql(SQL Serverバックアップ実行コマンド)を実行する際は、環境変数SWSTGNODEにAdvancedCopy Managerの論理ノード名を事前に設定してください。
12.6.2.1 swsrpbackup_sql(SQL Serverバックアップ実行コマンド)、12.6.2.2 swsrprestore_sql(SQL Serverリストア実行コマンド)を実行する際は、Xserverオプションを使用し、その引数には、SQL Serverの仮想サーバ名を指定してください。
デバイスマップファイルはプライマリノード、セカンダリノードの双方から参照できるように配置してください(共用ディスク上に配置するか、または、両ノードのローカルディスク上に配置してください)。
MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合
AdvancedCopy Managerが属するクラスタグループが稼働している場合、稼働ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、クラスタグループが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。
ただしクラスタグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。
注意
以下のリソースを起動(オンライン)できない場合、レプリケーション運用を行うことはできません。
AdvancedCopy ACL Service(Storage管理サーバ業務のみ)
AdvancedCopy GUI Service (Storage管理サーバ業務のみ)
SymfoWARE RDA RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)
Windows Server 2008およびWindows Server 2008 R2の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。
SymfoWARE RDB RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)
AdvancedCopy COM Service_論理ノード名
IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース
AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(Storage管理サーバ業務のみ)
レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)
以下の手順にて、クラスタグループ停止中のレプリケーション運用を行います。
両ノードでクラスタグループが停止(offline)していることを確認します。
クラスタグループを停止する方法については、「第2章 サービスの起動と停止」を参照してください。
運用に必要なリソースを起動(online)にします。
以下のリソースを起動してください。
AdvancedCopy ACL Service(Storage管理サーバ業務のみ)
AdvancedCopy GUI Service(Storage管理サーバ業務のみ)
SymfoWARE RDA RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)
Windows Server 2008およびWindows Server 2008 R2の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。
SymfoWARE RDB RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)
AdvancedCopy COM Service_論理ノード名
IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース
AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(Storage管理サーバ業務のみ)
レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)
注意
リソースの起動は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じリソースを起動しないでください。
AdvancedCopy COM Service_論理ノード名と業務ディスクは依存関係が設定されているため、AdvancedCopy COM Service_論理ノード名を起動すると依存関係のあるディスクリソースが全て起動されます。
リソースの起動方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
レプリケーション運用を実施します。
クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。
手順2で起動したリソースを全て停止(オフライン)します。
リソースの停止方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
クラスタグループを起動(オンライン)します。
必要に応じて、クラスタグループを起動します。
クラスタグループの起動方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
SafeCLUSTERでクラスタ運用している場合
AdvancedCopy Managerが属するクラスタサービスが稼働している場合、稼働ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、クラスタサービスが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。
ただしクラスタサービスが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。
注意
スケーラブル運用の業務との複合運用を行っている場合は、スケーラブル運用のクラスタサービスのみを停止し、Storage(管理)サーバ業務のクラスタサービスは停止しないでください。
レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)を有効にすることで、通常時と同じレプリケーション運用を行うことができます。
レプリケーション運用ディスクを有効にできない場合、スケーラブル運用のクラスタサービスを停止してのレプリケーション運用はできません。
共有ディスクがSDXオブジェクト(SafeDISK)の場合、クラスタサービスを停止してのレプリケーションはできません。
以下の共有ディスクを有効にできない場合、レプリケーション運用を行うことはできません。
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク
レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)
レプリケーション運用での以下の操作はできません。
Storage管理サーバからのレプリケーション運用の操作 (-h オプション指定によるホストの指示)
複製元/複製先ボリュームの追加削除
-mオプションを指定しないサーバ間レプリケーション
Storage管理サーバ業務兼Storageサーバ業務にてレプリケーション管理の表示系コマンドを実行する場合、コマンドにオプションを指定する必要があります。レプリケーション管理の表示系コマンドについては、「12.6.2 レプリケーション管理機能のコマンド」を参照してください。
以下の手順にて、クラスタサービス停止中のレプリケーション運用を行います。
両ノードでクラスタサービスが停止していることを確認します。
クラスタサービスを停止する方法については、SafeCLUSTERのマニュアルを参照してください。
共有ディスクを有効にします(共有ディスクが既に有効になっている場合、本手順は不要です)。
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク、複製元/複製先ボリュームを有効(オンライン)にします。
注意
共有ディスクの有効は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じ共有ディスクを有効にしないでください。
アプリケーションリソース「AdvancedCopy_COM_Service_論理ノード名」を以下の方法で起動します(アプリケーションリソースが既に起動されている場合、本手順は不要です)。
[コントロールパネル]→[管理ツール]→[サービス]より[サービス]画面を表示します。
システムに登録されているサービスの一覧が表示されます。サービス表示名「AdvancedCopy COM_論理ノード名」のサービスを選択し、[開始]ボタンをクリックしてください。
注意
AdvancedCopy Managerのアプリケーションリソースの起動/停止は、通常、SafeCLUSTERの運用管理ビューから実施する必要があります。[サービス]画面からの起動/停止はクラスタサービス停止状態でのバックアップ/リストア時以外は行わないでください。
レプリケーション運用を実施します。
クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。
手順3で起動したアプリケーションリソースを以下の方法で停止します。
[コントロールパネル]→[管理ツール]→[サービス]より[サービス]画面を表示します。
サービス表示名「AdvancedCopy COM_論理ノード名」のサービスを選択し、[停止]ボタンをクリックしてください。
手順2で有効にした共有ディスクを無効にします。
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク、複製元/複製先ボリュームを無効(オフライン)にします。
クラスタサービスを起動(オンライン)します。
必要に応じて、クラスタサービスを起動します。
クラスタサービスの起動方法については、SafeCLUSTERのマニュアルを参照してください。