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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

13.1.7 クラスタ運用でのレプリケーション運用の注意事項

MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

複写先のボリュームがクラスタのディスクリソースとして登録されている場合は、OPCを利用したスナップショット型のレプリケーションを行ってください。

注意

複写先のボリュームがクラスタのディスクリソースとして登録されている場合、パーティション単位のコピーを推奨します。

クラスタのディスクリソースを対象としてLogical Unit単位でコピーを行い、ディスクの管理情報であるシグネチャ(MBRディスク形式の場合)またはGUID(GPTディスク形式の場合)が変更された場合、複写先のディスクリソースがクラスタから認識できなくなる事があります。

Logical Unit単位のコピーを実施する際は「Logical Unit(ディスク)単位コピーを実施する場合の注意事項」を参照して下さい。

レプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

ポイント

物理ディスクリソースの保守モード状態を確認するためには、以下の構文を使用したコマンドを入力してください。

cluster [ClusterName] res DiskResourceName /maint
  • 「状態」が「オンライン」と表示される場合は、保守モードは“OFF”になっています。

  • 「状態」が「オンライン(保守)」と表示される場合は、保守モードは“ON”になっています。

  1. 複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  2. 複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  3. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    >
  4. 複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off
  5. 複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

ECを利用する場合は、複製先を非クラスタのStorageサーバに接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはOPCを利用したスナップショット型レプリケーションを使用してください。

ECを利用したレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

  1. 同期処理を開始します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed
    >
  2. 等価性維持状態を確認します。

  3. 物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  4. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    >
  5. 物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

RECを利用する場合も、複製先を非クラスタのStorageサーバに接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはRECを利用した同期型レプリケーションを使用します。

RECを利用した逆方向のレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

  1. 物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  2. 同期処理を開始します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed
    >
  3. 等価性維持状態を確認します。

  4. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    >
  5. 物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

同期処理中(手順2から手順4の間)に物理ディスクリソースがいったんオフラインになると、オンラインにすることができなくなるため、注意してください。

同期処理中に物理ディスクリソースがオフラインになってしまった場合は、以下の手順で対処してください。

  1. 非クラスタのStorageサーバから同期処理を停止します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpcancel -m From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpcancel completed
    >
  2. 物理ディスクリソースをオンラインにしてから逆方向のレプリケーションを再実行します。

SafeCLUSTERでクラスタ運用している場合

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

注意

  • 同期型レプリケーションを使用する場合、12.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)で運用を開始する前に以下の作業を必ず実施してください。

    • コピー先ボリュームをディスクグループに登録した後、コピー先ボリュームのドライブ文字を解除してください。この作業はプライマリノード、セカンダリノードのそれぞれで実施する必要があります。

    上記作業は、SafeCLUSTERがフェイルオーバ時に実施するドライブ文字割当て処理を、同期処理中のコピー先ボリュームに対して実施しないようにするため必要です。したがって、同期処理のサスペンド中にコピー先ボリュームにドライブ文字を割り当てた場合は、ボリュームの使用後にドライブ文字を必ず解除してください。

    なお、サーバ間レプリケーションでコピー先サーバがSafeCLUSTERの仮想サーバでない場合は、上記作業を実施する必要はありません。また、スナップショット型レプリケーションを使用する場合も、上記作業を実施する必要はありません。

  • SafeCLUSTER環境下で同期型レプリケーション運用をしている場合、フェイルオーバが発生すると運用中ノードが停止する場合があります。その際は待機側ノードを手動にて起動してください。

    <フェイルオーバによりノード停止が発生する契機>

    同期処理が行われている場合

13.1.7.1 Exchange2003/2007データベースでの注意事項

クラスタ運用でのExchange2003/2007データベースのバックアップとリストアについては、以下の注意事項があります。

Exchange連携機能をMSCSで運用する場合は、以下を実施してください。

注意

Windows Server 2008上で動作するExchange Serverのデータベースについては、AdvancedCopy Managerでバックアップ/リストアすることはできません。

13.1.7.2 SQL Serverデータベースでの注意事項

クラスタ運用でのSQL Serverデータベースのバックアップとリストアについては、以下の注意事項があります。

SQL Serverバックアップ機能をMSCSまたはWSFCでクラスタ運用する場合は、以下を実施してください。

13.1.7.3 クラスタグループ停止時のレプリケーション

MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合

AdvancedCopy Managerが属するクラスタグループが稼働している場合、稼働ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、クラスタグループが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしクラスタグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

注意

以下のリソースを起動(オンライン)できない場合、レプリケーション運用を行うことはできません。

  • AdvancedCopy ACL Service(Storage管理サーバ業務のみ)

  • AdvancedCopy GUI Service (Storage管理サーバ業務のみ)

  • SymfoWARE RDA RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)

    Windows Server 2008およびWindows Server 2008 R2の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。

  • SymfoWARE RDB RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)

  • AdvancedCopy COM Service_論理ノード名

  • IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)

  • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース

  • AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(Storage管理サーバ業務のみ)

  • レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)

以下の手順にて、クラスタグループ停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタグループが停止(offline)していることを確認します。
    クラスタグループを停止する方法については、「第2章 サービスの起動と停止」を参照してください。

  2. 運用に必要なリソースを起動(online)にします。
    以下のリソースを起動してください。

    • AdvancedCopy ACL Service(Storage管理サーバ業務のみ)

    • AdvancedCopy GUI Service(Storage管理サーバ業務のみ)

    • SymfoWARE RDA RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)

      Windows Server 2008およびWindows Server 2008 R2の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。

    • SymfoWARE RDB RDBSWTF(Storage管理サーバ業務のみ)

    • AdvancedCopy COM Service_論理ノード名

    • IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース

    • AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(Storage管理サーバ業務のみ)

    • レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)

    注意

    • リソースの起動は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じリソースを起動しないでください。

    • AdvancedCopy COM Service_論理ノード名と業務ディスクは依存関係が設定されているため、AdvancedCopy COM Service_論理ノード名を起動すると依存関係のあるディスクリソースが全て起動されます。

    • リソースの起動方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。

  3. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。

  4. 手順2で起動したリソースを全て停止(オフライン)します。
    リソースの停止方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。

  5. クラスタグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタグループを起動します。
    クラスタグループの起動方法については、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。

SafeCLUSTERでクラスタ運用している場合

AdvancedCopy Managerが属するクラスタサービスが稼働している場合、稼働ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、クラスタサービスが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしクラスタサービスが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

注意

  • スケーラブル運用の業務との複合運用を行っている場合は、スケーラブル運用のクラスタサービスのみを停止し、Storage(管理)サーバ業務のクラスタサービスは停止しないでください。
    レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)を有効にすることで、通常時と同じレプリケーション運用を行うことができます。
    レプリケーション運用ディスクを有効にできない場合、スケーラブル運用のクラスタサービスを停止してのレプリケーション運用はできません。

  • 共有ディスクがSDXオブジェクト(SafeDISK)の場合、クラスタサービスを停止してのレプリケーションはできません。

  • 以下の共有ディスクを有効にできない場合、レプリケーション運用を行うことはできません。

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク

    • レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)

  • レプリケーション運用での以下の操作はできません。

    • Storage管理サーバからのレプリケーション運用の操作 (-h オプション指定によるホストの指示)

    • 複製元/複製先ボリュームの追加削除

    • -mオプションを指定しないサーバ間レプリケーション

  • Storage管理サーバ業務兼Storageサーバ業務にてレプリケーション管理の表示系コマンドを実行する場合、コマンドにオプションを指定する必要があります。レプリケーション管理の表示系コマンドについては、「12.6.2 レプリケーション管理機能のコマンド」を参照してください。

以下の手順にて、クラスタサービス停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタサービスが停止していることを確認します。
    クラスタサービスを停止する方法については、SafeCLUSTERのマニュアルを参照してください。

  2. 共有ディスクを有効にします(共有ディスクが既に有効になっている場合、本手順は不要です)。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク、複製元/複製先ボリュームを有効(オンライン)にします。

    注意

    共有ディスクの有効は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じ共有ディスクを有効にしないでください。

  3. アプリケーションリソース「AdvancedCopy_COM_Service_論理ノード名」を以下の方法で起動します(アプリケーションリソースが既に起動されている場合、本手順は不要です)。

    1. [コントロールパネル]→[管理ツール]→[サービス]より[サービス]画面を表示します。

    2. システムに登録されているサービスの一覧が表示されます。サービス表示名「AdvancedCopy COM_論理ノード名」のサービスを選択し、[開始]ボタンをクリックしてください。

    注意

    AdvancedCopy Managerのアプリケーションリソースの起動/停止は、通常、SafeCLUSTERの運用管理ビューから実施する必要があります。[サービス]画面からの起動/停止はクラスタサービス停止状態でのバックアップ/リストア時以外は行わないでください。

  4. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。

  5. 手順3で起動したアプリケーションリソースを以下の方法で停止します。

    1. [コントロールパネル]→[管理ツール]→[サービス]より[サービス]画面を表示します。

    2. サービス表示名「AdvancedCopy COM_論理ノード名」のサービスを選択し、[停止]ボタンをクリックしてください。

  6. 手順2で有効にした共有ディスクを無効にします。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク、複製元/複製先ボリュームを無効(オフライン)にします。

  7. クラスタサービスを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタサービスを起動します。
    クラスタサービスの起動方法については、SafeCLUSTERのマニュアルを参照してください。