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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

9.1.1 概要

AdvancedCopy Managerは、Microsoft Exchange Serverのデータベース(以降 Exchangeデータベースと呼びます)をバックアップ/リストアする機能を提供します。

9.1.1.1 Exchangeデータベースのバックアップ

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させることにより、Exchangeデータベースの高速オンラインバックアップを実現します。

Exchangeデータベースのバックアップデータには、Exchangeデータベースを構成する以下のファイルのバックアップが含まれます。

オンラインバックアップ

VSSと連携することによりExchangeデータベースのオンラインバックアップを行います。

アドバンスト・コピー(OPC/EC、REC、QuickOPC)によるバックアップ

アドバンスト・コピー(OPC/EC、REC、QuickOPC)により、Exchangeサーバに負担をかけずに瞬時にバックアップを作成します。

※本機能ではETERNUS/GR用ハードウェアプロバイダだけを使用し、他社のプロバイダは使用しません。

注意

  • 本機能ではRECを以下の動作モードで実行します。

    • 転送モード=同期

    • Splitモード=Automatic Split

    • Recoveryモード=Automatic Recovery

  • Exchange Server 2007の場合、EC/RECによるバックアップはサポートされません。

バックアップサーバへのバックアップ

VSSのシャドウコピーのトランスポート(輸送)機能を使用することにより、バックアップサーバに接続されたディスク上にバックアップ(シャドウコピー)を作成します。これにより、Exchangeサーバに負荷をかけることなくテープへのバックアップを行うことができます。

図9.1 Exchangeデータベースのバックアップの処理イメージ

表9.2 Exchangeサーバとバックアップサーバの機能

サーバ

コンポーネント

説明

Exchangeサーバ

Exchangeライタ

Exchangeライタ。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタ。Exchangeのバックアップ/リストア機能を提供します。

ETERNUSプロバイダ

ETERNUS/GR用ハードウェアプロバイダ。アドバンスト・コピー機能(OPC/EC、REC、QuickOPC)によるシャドウコピー作成機能を提供します。

バックアップサーバ

ESEUTIL

Exchangeデータベースの整合性検証・修復ユーティリティ。

バックアップデータの整合性確認のため、ACMリクエスタによって使用されます。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタ。Exchangeサーバ上のACMリクエスタからの指示によりシャドウコピーの管理(状態確認、削除)を行います。

ETERNUSプロバイダ

ETERNUS/GR用ハードウェアプロバイダ。コピー先ディスク(LUN)の管理を行います。

9.1.1.2 Exchangeデータベースのリストア

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させることにより、Exchangeデータベースのオンラインバックアップデータからのリストアを実現します。

オンラインバックアップデータからのリストア

VSSと連携することによりオンラインバックアップデータからのリストアを行います。

注意

Exchange Server 2007では元のパスとは異なる場所へリストアする機能がサポートされていますが、この機能はAdvancedCopy Managerではサポートされません。すなわち、AdvancedCopy Managerで選択可能なリストア先は元のディスクのみです。

OPC/EC/RECによる高速リストア

リストアにおいてもアドバンスト・コピー(OPC/EC/REC)を使用することによって、Exchangeサーバに負担をかけることなく、迅速な業務再開を実現します。

※VSSではリストア処理のファイルコピーではプロバイダは使用せず、リクエスタが必要なファイルをリストアします。

リクエスタは既存機能(12.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド))を使用してリストアを行います。

図9.3 スナップショット型リストア(OPCによるリストア)

図9.4 同期型リストア(EC/RECによるリストア)

9.1.1.2.1 Point-in-timeリストア

Point-in-timeリストアでは、Exchange データベースとログファイルのリストアを行い、データベースをバックアップ時点の状態に復旧します。バックアップ後に作成されたデータはリストアされません。

9.1.1.2.2 ロールフォワードリストア

ロールフォワードリストアでは、前回のバックアップデータと現在残っているトランザクションログを使用することにより、データベースを最新時点まで復旧します。この方式は、データベースは破損しているがログファイルは正常である場合に使用できます。データベースとログファイルが両方破損している場合は、使用できません。