クラスタシステムに関連する環境設定について説明します。
以降では、“Symfowareのネーミングサービスの生存監視”に必要な情報ついて説明しています。
“Symfowareのネーミングサービスの生存監視”以外の全体的な作業については、“3.2.5 クラスタシステムへの登録”を参照してください。
状態遷移プロシジャのサンプル
以下の状態遷移プロシジャのサンプルを利用します。
状態遷移プロシジャ名 | 格納ディレクトリ |
---|---|
APFW_NS_INTERSTAGE | /opt/FJSVibs/etc/HA |
サンプルの利用方法
以下の手順で状態遷移プロシジャの修正を行います。
状態遷移プロシジャの複写
状態遷移プロシジャの内容の修正
状態遷移プロシジャの複写
状態遷移プロシジャのサンプルを、任意のディレクトリ配下に、以下の命名で複写してください。
userApplication名.APFW_NS_INTERSTAGE (※) |
※ userApplication名には、識別しやすいように、PRIMECLUSTERのクラスタアプリケーション名を指定することを推奨します。
複写したプロシジャには実行権限を付与してください。
複写した状態遷移プロシジャは修正を行う必要があります。
userApplication名.APFW_NS_INTERSTAGE
サンプルを複写するディレクトリは、共用ディスクではなく、各ノードのローカルディスクとしてください。
また、プロシジャは各ノードで同一の位置に格納してください。
状態遷移プロシジャの内容の修正
状態遷移プロシジャ内のSTART_OPTにSymfowareのネーミングサービスが使用するポート番号を記述します。
以下に、ポート番号10326を指定した例を示します。
START_OPT=" 10326" |
作成した状態遷移プロシジャをクラスタシステムに登録します。
登録は状態遷移プロシジャ単位に、クラスタシステムのclsetprocコマンドを使用して行います。
運用ノード、待機ノードの両ノードで実行して状態遷移プロシジャを登録してください。
clsetprocコマンドについては、“PRIMECLUSTER 活用ガイド <コマンドリファレンス編>”を参照してください。
clsetprocコマンドの形式を以下に示します。
/etc/opt/FJSVcluster/bin/clsetproc -c BasicApplication(※1) -m 状態遷移プロシジャ名 -o 登録する状態遷移プロシジャ |
※1 ODWU_INTERSTAGEの状態遷移プロシジャでは、-cオプションを省略してください。
ODWU_INTERSTAGEの状態遷移プロシジャを除き、clsetprocコマンドの-cオプションには、“BasicApplication”を指定します。
ODWU_INTERSTAGEの状態遷移プロシジャでは、-cオプションを省略してください。ただし、バッチサーバ環境のセットアップにおいて、ジョブの実行環境の操作モード(JobStartMode)を、自動(auto)にした場合はODWU_INTERSTAGEの登録は不要です。
clsetprocコマンドに指定する“状態遷移プロシジャ名”、“登録する状態遷移プロシジャ”を以下に示します。
状態遷移プロシジャ名 | 登録する状態遷移プロシジャ |
---|---|
BTFW_INTERSTAGE | [複写したディレクトリ名]/userApplication名.BTFW_INTERSTAGE |
ES_INTERSTAGE | [複写したディレクトリ名]/userApplication名.ES_INTERSTAGE |
IS_INTERSTAGE | [複写したディレクトリ名]/userApplication名.IS_INTERSTAGE |
JMX_INTERSTAGE | [複写したディレクトリ名]/userApplication名.JMX_INTERSTAGE |
ODWU_INTERSTAGE | [複写したディレクトリ名]/userApplication名.ODWU_INTERSTAGE |
APFW_NS_INTERSTAGE | [複写したディレクトリ名]/userApplication名.APFW_NS_INTERSTAGE |
コマンドの実行例を以下に示します。
/etc/opt/FJSVcluster/bin/clsetproc -c BasicApplication -m IS_INTERSTAGE -o /export/home/mcbat/MyUserApp.IS_INTERSTAGE |
クラスタシステムのcladdprocrscコマンドを使用して、状態遷移プロシジャをプログラムとしてクラスタシステムにリソース登録します。
運用ノード、待機ノードの両ノードで実行してリソース登録してください。
claddprocrscコマンドについては、“PRIMECLUSTER 活用ガイド <コマンドリファレンス編>”を参照してください。
リソース情報の設定
状態遷移プロシジャのリソース情報を設定する場合、“プロセスの再起動回数”を“0”に、“プロセスの再起動間隔”を“0”に、“プロセスの再起動回数の初期化”を“しない”に設定してください。
状態遷移指示タイミングの設定
登録する状態遷移プロシジャに対し、以下に示すタイミングで呼び出されるように設定してください。
[START-RUN] [START-WAIT] [STOP-RUN] [STOP-WAIT] [FAIL-RUN] [FAIL-WAIT] |
リソースの起動優先度
プロシジャクラスのBasicApplicationに登録するリソースの起動優先度を、以下の表の、起動優先度の値が小さい順に呼び出されるように設定してください。
状態遷移プロシジャ名 | 起動優先度(※) |
---|---|
userApplication名.APFW_NS_INTERSTAGE | 150 |
userApplication名.JMX_INTERSTAGE | 200 |
userApplication名.IS_INTERSTAGE | 300 |
userApplication名.ES_INTERSTAGE | 400 |
userApplication名.BTFW_INTERSTAGE | 500 |
※ リソースを登録する際、ほかのリソースと重複しなければ本表の値を指定してください。claddprocrscコマンドを実行する場合、-pオプションに本表の値を指定してください。
プロシジャクラスのApplicationに登録するリソースの起動優先度では、ほかのリソースがある場合、そのリソースの起動順序に応じて、ODWU_INTERSTAGEの状態遷移プロシジャの起動優先度の値を設定してください。
コマンドの実行例を以下に示します。
/etc/opt/FJSVcluster/bin/claddprocrsc -k IS_INTERSTAGE (※1) |
※1 “状態遷移プロシジャの登録”で-mオプションに指定した状態遷移プロシジャ名を指定します。登録する状態遷移プロシジャに合わせて変更してください。
※2 ODWU_INTERSTAGEの状態遷移プロシジャでは、-cオプションを省略してください。