Interstage Application Server シングル・サインオン運用ガイド
目次 索引 前ページ次ページ

付録D SSL通信で運用するための準備

D.3 Interstage証明書環境の作成とSSL通信に使用する証明書の取得申請書の作成

 scsmakeenvコマンドを使用して、SSL通信に使用する証明書の取得申請を行うための証明書取得申請書(CSR)を作成し、同時にInterstage証明書環境を作成します。

 scsmakeenvコマンドを実行すると、識別名の入力が促されます。“What is your first and last name?”との問い合わせには、Webサーバホスト名として証明書の申請を行うサーバのFQDN(Fully Qualified Domain Name)を指定してください。ロードバランサを用いてWebサーバの負荷分散を行う場合は、ロードバランサのFQDNを指定してください。
 FQDNとは、ドメインも含んだホスト名のことです。Webサーバの証明書を申請する場合、証明書の所有者名にはFQDNで記述する必要があります。(例. “sso_server.fujitsu.com”)

 またscsmakeenvコマンドには、Interstage証明書環境にアクセスするためのパスワードと秘密鍵のニックネームを指定します。パスワードは、Interstage証明書環境へアクセスするために必要になります。ニックネームは、認証局から取得したサイト証明書を登録する場合に必要になります。忘れないようにしてください。

 scsmakeenvコマンドが正常に終了すると、申請書がscsmakeenvコマンドの-fオプションで指定した証明書取得申請書(CSR)を格納するファイル名に出力されます。そのファイルを認証局に送付し、証明書の発行を依頼してください。なお、依頼方法は認証局に従ってください。

 証明書取得申請書(CSR)の作成コマンド(scsmakeenv)の詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“SSL環境設定コマンド”を参照してください。


 申請書の出力先ファイル名を“C:\WINNT\temp\ssocert.txt”にした場合の例です。必要に応じて申請書の出力先ファイル名を変更してください。
 パスワードの入力を促されたら、Interstage証明書環境にアクセスするためのパスワードを入力してください。入力したパスワードは表示されません。
識別名の問い合わせがあった場合には、以下の例の太字で示したように入力してください。

 サイト証明書のニックネーム  SERVERCERT
 申請書の出力先ファイル名   C:\WINNT\temp\ssocert.txt
 国名 jp
 英数字氏名 sso_server.fujitsu.com
 英数字組織名 FUJITSU
 英数字組織単位名 FUJITSU TOKYO
 都道府県名 Tokyo
 市区町村名 Shinjuku

C:\>scsmakeenv -n SERVERCERT -f C:\WINNT\temp\ssocert.txt
New Password:
Retype:

Input X.500 distinguished names.
What is your first and last name?
 [Unknown]: sso_server.fujitsu.com
What is the name of your organizational unit?
 [Unknown]: FUJITSU TOKYO
What is the name of your organization?
 [Unknown]: FUJITSU
What is the name of your City or Locality?
 [Unknown]: Shinjuku
What is the name of your State or Province?
 [Unknown]: Tokyo
What is the two-letter country code for this unit?
 [Un]: jp

Is <CN=sso_server.fujitsu.com, OU=FUJITSU TOKYO, O=FUJITSU, L=Shinjuku, ST=Tokyo,C=jp> correct?
 [no]: yes
SCS: 情報: scs0101: CSR(証明書取得申請書)を作成しました。<C:\WINNT\temp\ssocert.txt>
C:\>


 “iscertg”によるアクセス権限が設定されたInterstage証明書環境を新規に作成し、証明書取得申請書を作成する例です。すでにInterstage証明書環境が作成されている場合は、必要に応じてInterstage証明書環境にアクセス権限を設定してください。
 例では、Interstage証明書環境へのアクセスを許可する所有グループとして“iscertg”を作成し、作成した“iscertg”にInterstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)のUserディレクティブに初期値として設定されている実効ユーザ“nobody”を追加しています。また、申請書の出力先ファイル名を“/tmp/ssocert.txt”にしています。必要に応じて申請書の出力先ファイル名を変更してください。
 証明書の取得申請を行う前に環境変数JAVA_HOMEにJDK、またはJREのインストールパスを設定してください。
 以下はBourneシェルを使用した実行例です。パスワードの入力を促されたら、Interstage証明書環境にアクセスするためのパスワードを入力してください。入力したパスワードは表示されません。
 識別名の問い合わせがあった場合には、以下の例の太字で示したように入力してください。

 サイト証明書のニックネーム  SERVERCERT
 申請書の出力先ファイル名   /tmp/ssocert.txt
 国名 jp
 英数字氏名 sso_server.fujitsu.com
 英数字組織名 FUJITSU
 英数字組織単位名 FUJITSU TOKYO
 都道府県名 Tokyo
 市区町村名 Shinjuku
 Interstage証明書環境へのアクセスを許可するグループ iscertg

# groupadd iscertg
# usermod -G iscertg nobody
# JAVA_HOME=/opt/FJSVawjbk/jdk5;export JAVA_HOME
# scsmakeenv -n SERVERCERT -f /tmp/ssocert.txt -g iscertg
New Password:
Retype:

Input X.500 distinguished names.
What is your first and last name?
 [Unknown]: sso_server.fujitsu.com
What is the name of your organizational unit?
 [Unknown]: FUJITSU TOKYO
What is the name of your organization?
 [Unknown]: FUJITSU
What is the name of your City or Locality?
 [Unknown]: Shinjuku
What is the name of your State or Province?
 [Unknown]: Tokyo
What is the two-letter country code for this unit?
 [Un]: jp

Is <CN=sso_server.fujitsu.com, OU=FUJITSU TOKYO, O=FUJITSU, L=Shinjuku, ST=Tokyo,C=jp> correct?
 [no]: yes
UX:SCS: 情報: scs0101: CSR(証明書取得申請書)を作成しました。</tmp/ssocert.txt>
UX:SCS: 情報: scs0180: Interstage証明書環境の所有グループを設定しました。
#


目次 索引 前ページ次ページ

Copyright 2007 FUJITSU LIMITED