相手側ジョブ起動は、相手側システムのジョブを起動する機能です。ジョブの起動は、ユーティリティコマンドで実行できます。
[相手側ジョブ起動の連携製品]
相手側システムのジョブを起動する場合、相手側システムの連携製品が相手側ジョブ起動をサポートしている必要があります。
Information Integratorがジョブ起動を要求できる相手側システムの連携製品は以下のとおりです。なお、相手側システムの連携製品がLinkexpress以外の場合、ジョブの実行結果を自システムが受け取ることはできません。
Linkexpress
Linkexpress File Transfer
DTS
HICS
Information Integratorに対してジョブ起動を要求できる相手側システムの連携製品は以下のとおりです。なお、相手側システムの連携製品がLinkexpress以外の場合、ジョブの実行結果を相手側システムに通知することはできません。
Linkexpress
Linkexpress File Transfer
DTS
HICS
備考.連携製品が相手側ジョブ起動をサポートしている通信プロトコルについては、連携製品のマニュアルを参照してください。
[起動ジョブの実行資格]
起動ジョブの実行資格については、“7.2 ファイル送受信、相手側ジョブ起動利用時のセキュリティ設定情報”を参照してください。
[相手側ジョブ起動の注意事項]
相手側ジョブが対話型のジョブの場合は、相手側ジョブ起動は利用できません。
通信プロトコルにSANおよびHULFTを使用する場合、相手側ジョブ起動は利用できません。
相手側システムのOSごとの注意事項は、以下のとおりです。
相手側システムがWindowsの場合
相手側ジョブが以下のジョブの場合は、相手側ジョブ起動は利用できません。
ウィンドウが存在するジョブ(notepadなど)
ATコマンドの実行で正常動作しないジョブ
schtasksコマンドの実行で正常動作しないジョブ
Windows PowerShellで作成されたシェルスクリプト
相手側ジョブ起動で実行されたプログラムからは、ネットワークドライブ、プリンタなどの資源にアクセスできません。
コマンド復帰タイミングとしてジョブ結果受信時を指定して相手側ジョブを起動する場合、このコマンドで起動するジョブは、Information Integratorに対してジョブ結果通知を行う必要があります。結果通知を行わないと、コマンドは復帰しません。また、ジョブ結果として0以外の値がジョブから通知された場合、コマンドは復帰値として1を返します。この場合は利用者がコマンドの出力メッセージからジョブの実行結果を判断してください。
相手側ジョブ起動は、コマンドの復帰タイミングを以下のどちらかを選択して利用します。
相手側ジョブのジョブ結果を受信したとき
相手側ジョブを起動したとき
相手側ジョブのジョブ結果を受信したときに相手側ジョブ起動を復帰する場合は、相手側システムからInformation Integratorへジョブ結果を必ず通知してください。相手側システムからのInformation Integratorへのジョブ結果通知の方法については、Linkexpressのマニュアルを参照してください。
なお、相手側ジョブ起動の復帰タイミングは、拡張オペランド記述ファイル内の「jobrsp」オペランドで指定します。
Windowsの仕様上、ジョブ起動に必要な利用者の権限は、Administratorsグループに所属している必要があります。Administratorsグループに所属していない場合、TR10325、TR20325、またはTR30325メッセージを出力してジョブの起動に失敗することがあります。また、ドメインを作成している場合、AdministratorsグループをDomain Adminsグループにする必要があります。なお、ジョブはジョブ起動時に指定したユーザーの権限で動作します。ただし、Windows Vista、またはWindows Server 2008上のジョブを起動する場合、起動されたジョブはシステム管理者権限で動作します。
なお、相手側利用者名は、拡張オペランド記述ファイル内の「prtsecur」オペランドで指定します。
環境変数は、システムの環境変数が引き継がれます。path環境変数など、ジョブ独自の環境変数が必要な場合は、ジョブの内部で環境変数を変更してください。
相手側システムがUNIXの場合
相手側ジョブが以下のジョブの場合は、相手側ジョブ起動は利用できません。
制御端末が必要なコマンド(passwdなど)
フルスクリーン系のコマンド(viなど)
相手側ジョブ起動は、コマンドの復帰タイミングを以下のどちらかを選択して利用します。
相手側ジョブのジョブ結果を受信したとき
相手側ジョブを起動したとき
相手側ジョブのジョブ結果を受信したときに相手側ジョブ起動を復帰する場合は、相手側システムからInformation Integratorへジョブ結果を必ず通知してください。相手側システムからのInformation Integratorへのジョブ結果通知の方法については、Linkexpressのマニュアルを参照してください。
なお、相手側ジョブ起動の復帰タイミングは、拡張オペランド記述ファイル内の「jobrsp」オペランドで指定します。
環境変数、umask値、標準出力、および標準エラー出力は、Information Integratorサーバを起動した環境(RCスクリプト、またはコンソール・端末)を引き継ぎます。相手側ジョブ起動に指定する利用者のシェル環境(.profile、.chsrc など)は引き継ぎません。
また、ジョブの実行に必要な環境変数、およびジョブからのファイルアクセスに必要なumask値は、Information Integratorサーバを起動するRCシェルまたはコンソール・端末の実行環境に設定するか、またはジョブ内に設定してください。
ジョブからの標準出力、および標準エラー出力は、Information Integratorサーバを起動したコンソール・端末に出力されます。Information Integratorサーバ起動後に端末を終了している場合は、出力がEIOのエラーとなる可能性があります。このため、ジョブからの標準出力、および標準エラー出力は、一時ファイルなどにリダイレクトするなどの考慮を行ってください。
なお、コンソール・端末がロック・ハングしている場合は、標準出力、および標準エラー処理で待ち状態になるため、ジョブが完了できなくなります。
UNIX上のジョブ起動の場合、ジョブはジョブ起動時に指定したユーザーの権限で起動します。ただし、ユーザーの二次グループに対するサポートは行いません。
相手側システムがグローバルサーバ/PRIMEFORCEの場合
相手側ジョブ起動の復帰タイミングは、相手側ジョブを起動したときに行います。拡張オペランド記述ファイル内の「jobrsp」オペランドで本コマンドの復帰タイミングを指定します。必ず、起動時にコマンドが復帰するように「no」を指定してください。