ハードウェアの異常を検出し、自動リカバリや手動切替えを行った場合、以下のどれかの復旧作業を行います。
ハード交換の方法については、「第9章 ハードウェア保守」を参照してください。
故障したサーバのハード交換などを行って故障箇所を復旧したあと、「切戻し」の操作によって切替え前の状態に戻します。
故障したサーバのハード交換などを行って故障箇所を復旧したあと、「継続」の操作を行って切替え後のサーバによる運用を継続します。
「継続」の操作を行って切替え後のサーバによる運用を継続したあと、故障したサーバのハード交換などを行って故障箇所を復旧します。
切戻し
以下の手順で、切替えが発生した状態を切替え前の構成に戻します。
サーバの切戻しの条件については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「9.3 サーバ切替え条件」の「サーバの切戻しの条件」を参照してください。
RCコンソールのリソースツリーで、予備サーバに切り替わって運用している物理OSやVMホストを右クリックし、表示されたメニューで[予備サーバ]-[切戻し]を選択します。
[サーバの切戻し]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
運用中の予備サーバが停止し、サーバOSが運用サーバに移動して起動されます。
注意
バックアップ・リストアによる運用サーバへの切戻し中、および切戻しを行った状態で、切戻し元である予備サーバを起動しないでください。
運用サーバに切り戻した状態で予備サーバの電源を投入すると、同じシステムイメージで2つのサーバが動作する状態になり、IPアドレスなどの情報が重複するため、運用サーバの動作に影響を与える可能性があります。
保守作業などで電源を投入する場合は、運用サーバの電源を切断してから行うか、予備サーバの起動をBIOS画面で停止させるなどの方法で、運用サーバと予備サーバが同じシステムイメージを持ったディスクから起動しないようにしてください。
サーバ切替え方式にバックアップ・リストアを使用している場合で、かつ、切戻し後に修復したサーバに対して予備サーバのデータを引き継ぐ必要がある場合は、切戻しを行う前に予備サーバをバックアップしておきます。
「8.2 バックアップ」の「システムイメージのバックアップ」を参照し、"システムイメージをバックアップする管理対象サーバ"を"予備サーバ"として読み替えて行ってください。
予備サーバのデータを引き継ぐ必要がない場合は、予備サーバのバックアップは必要ありません。この場合、修復したサーバは、故障が発生する前にバックアップしたシステムイメージが配付されます。
PRIMERGY BXシリーズの場合、切戻し後、運用サーバのメンテナンスLEDは自動的にOFFになります。
継続
以下の手順で、切替えが発生した状態を切替え後の構成のまま継続します。
RCコンソールのリソースツリーで、予備サーバに切り替わって運用している物理OSやVMホストを右クリックし、表示されたメニューで[予備サーバ]-[継続]を選択します。
[サーバの継続]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
予備サーバが運用サーバとして運用を継続し、切替え前に運用を行っていたサーバが予備サーバに変更されます。
複数の運用サーバで予備サーバを共有していた場合は、切替え後の運用サーバだけでなく、共有しているすべての運用サーバの、予備サーバ情報の設定が変更されます。
例
切替え前の状態
業務1: サーバA(運用) - サーバB(予備)
業務2: サーバC(運用) - サーバB(予備)
サーバAが故障して業務1を切替え
業務1: サーバA(故障) - サーバB(運用)
業務2: サーバC(運用) - サーバB (*1)
サーバA復旧後に、業務1を継続
業務1: サーバB(運用) - サーバA(予備)
業務2: サーバC(運用) - サーバA(予備)
*1: サーバCからサーバBへの自動リカバリや手動切替えは行えません。
注意
切替えが発生した場合、切戻しまたは継続を行うまで、自動リカバリや手動切替えは行えません。
再度切替えを行えるようにするためには、切戻しまたは継続の操作を行ってください。