クラスタサービス上にJava EEの環境を構築するための手順について説明します。
本手順では、作業開始時点の運用ノードをノード1、待機ノードをノード2として説明します。また、ネットワーク(IPアドレス)や共用ディスク装置の設定は完了しているという前提で説明します。
Java EEのセットアップ時には、引継ぎIPアドレスの活性化が必要です。また、共用ディスクを使用する場合には、共用ディスクも必要です。
このため、以下の作業を行います。
Java EEが設定されるクラスタサービス(PRIMECLUSTERではuserApplication)を作成します。
引継ぎIPアドレス、共用ディスクをクラスタサービスに登録します。
クラスタサービスを起動します。
Interstage Java EE環境を初期化します。
Java EE共通ディレクトリを共用ディスクに配置する場合、運用ノードで作成したJava EE共通ディレクトリを待機ノード側から参照するよう環境設定を行います。
この場合、IJServerクラスタのトランザクションログ、メッセージブローカのログや資材も共用ディスクに配置されます。
なお、Java EE共通ディレクトリを共用ディスクに配置しない場合、本手順の実施は不要です。
運用ノード・待機ノードのJava EEの停止
Java EEが起動している場合は、Java EEを停止します。
> ijnastop |
運用ノードのJava EEの初期化
Java EE共通ディレクトリを共用ディスク上に指定して初期化します。
ijinitコマンドのオプションは、「-commondir」を指定します。ijinitコマンドの詳細については、「11.7 ijinit」を参照してください。
例
共用ディスク上にJava EE共通ディレクトリを設定する場合
> ijinit -commondir G:\Interstage\F3FMisjee\var
待機ノードのJava EEの初期化
Java EE共通ディレクトリが共用ディスクにすでに存在するため、「-existing」オプションを指定して初期化します。ijinitコマンドの詳細については、「11.7 ijinit」を参照してください。
例
共用ディスク上にJava EE共通ディレクトリを設定する場合
> ijinit -commondir G:\Interstage\F3FMisjee\var -existing
引継ぎIPアドレスまたはホスト名を設定する必要があります。
das.propertiesの編集
以下のファイルをテキストエディタなどで開いて、agent.das.hostの値を引き継ぎホスト名に変更します。
[Java EE共通ディレクトリ]\nodeagents\ijna\agent\config\das.properties
[Java EE共通ディレクトリ]/nodeagents/ijna/agent/config/das.properties
nodeagent.propertiesの編集
以下のファイルをテキストエディタなどで開いて、agent.client.hostの値を引き継ぎホスト名に変更します。
[Java EE共通ディレクトリ]\nodeagents\ijna\agent\config\nodeagent.properties
[Java EE共通ディレクトリ]/nodeagents/ijna/agent/config/ nodeagent.properties
sun-acc.xmlの編集
必要に応じて、sun-acc.xmlをテキストエディタなどで開いて以下の値を引き継ぎホスト名に変更します。
[格納先]
[Java EE共通ディレクトリ]\domains\interstage\config\sun-acc.xml
[Java EE共通ディレクトリ]\nodeagents\ijna\ [サーバーインスタンス名]\config\sun-acc.xml
[Java EE共通ディレクトリ]/domains/interstage/config/sun-acc.xml
[Java EE共通ディレクトリ]/nodeagents/ijna/ [サーバーインスタンス名]/config/sun-acc.xml
[編集項目]
target-serverタグのname属性およびaddress属性
Interstage Java EE DASサービスの起動
ijdasstartコマンドを使用して、Interstage Java EE DASサービスを起動します。
各種定義項目のホスト名の変更
asadminコマンドを使用して、以下の定義項目に引き継ぎホスト名を設定します。
node-agent.ijna.jmx-connector.property.client-hostname |
各種定義項目のIPアドレスの変更
asadminコマンドを使用して、以下の定義項目に引き継ぎIPアドレスを設定します。http-listenerについては設定されているIPアドレスが0.0.0.0の場合、変更は不要です。
${clusterName_instanceName_configName}.iiop-service.iiop-listener.${iiop-listener-id}.address |
Interstage Java EEの使用機能によっては、機能ごとに環境設定を行う必要があります。
以下の機能を使用している場合には、各々の環境設定手順を実施してください。
Interstage HTTP Serverなど、Interstage Java EE以外の機能/サービスの環境設定については、「Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド」の「各サービスの環境設定」を参照してください。
Java EE共通ディレクトリを共用ディスクに配置している場合、IJServerクラスタの設定で接続するWebサーバを選択しないでください。IJServerクラスタを運用するマシン上にWebサーバが1つだけ存在する場合は、デフォルトでそのWebサーバが選択されます。この場合は、Webサーバの選択を解除してください。
また、この場合、運用系、待機系のそれぞれに対しWebサーバコネクタの設定を行ってください。このとき、運用系、待機系で同一の定義を行う必要があります。
Java EE共通ディレクトリを共用ディスクに配置している場合、運用ノード(ノード1)でIJServerクラスタの設定とJava EEアプリケーションの配備を行います。
なお、Java EE共通ディレクトリの構成に関わらず、作成したIJServerクラスタについては、Interstage Java EE Node Agent サービス起動時に自動起動するよう設定してください。IJServerクラスタの自動起動設定ついては、「9.2 Interstage Java EE Node Agentサービスの定義項目」を参照してください。
Java EE共通ディレクトリを共用ディスクに配置している場合、運用ノード(ノード1)でJMS Resourceの設定とメッセージブローカの設定を行います。