コネクタの運用形態は、リソースアダプタの種別によって異なります。配備から各種リソース作成までの手順を以下に示します。Interstage Java EE管理コンソールまたはasadminコマンドから実行します。
アウトバウンド・リソースアダプタ
単体、またはearモジュールに含めたコネクタモジュールの配備
コネクタ接続プールの作成
コネクタリソースの作成
管理オブジェクトリソースの作成
インバウンド・リソースアダプタ
単体、またはearモジュールに含めたコネクタモジュールの配備
受信用アプリケーション(Message-Driven Bean)の設定
詳細は、「3.6.2 Message-driven Beanの実行環境」を参照してください。
管理オブジェクトリソースの作成
管理オブジェクトリソースについては、必要に応じて作成してください。また、リソースアダプタの定義情報や各種リソースの定義情報についても、Interstage Java EE管理コンソールまたはasadminコマンドから設定可能です。以下の情報もあわせて参照してください。
関連リソースの説明および主要な機能について:
「3.16 コネクタの提供機能」を参照してください。
コネクタ接続プールのチューニング可能な項目の詳細について:
「7.11 コネクタのチューニング」を参照してください。
asadminのコネクタ関連サブコマンド/setサブコマンドから指定可能な項目について:
「11.1 asadmin」を参照してください。
コネクタモジュールの配備
コネクタモジュールの配備に関して、リソースアダプタの定義情報を作成することが可能です。リソースアダプタ名だけ動作に必須の情報です。IJServerクラスタで一意の名前を指定する必要があり、配備を通してコネクタモジュール単位で設定します。リソースアダプタ名以外は、任意の項目のため必要に応じて定義してください。配備の詳細は、「5.6 Java EEアプリケーションの配備」を参照してください。
リソースアダプタの定義情報の詳細
配備されたコネクタモジュールを識別するための名前です。コネクタ接続プールの作成や、受信用アプリケーション(Message-driven Bean)の連携時に使用されます。
以下のように単体配備とearモジュールに含めて配備する場合で指定方法が異なります(アプリケーション名だけユーザから指定可能)。
単体配備の場合:
リソースアダプタ名 = 「アプリケーション名」
earモジュールに含めて配備する場合:
リソースアダプタ名 =
「アプリケーション名#コネクタモジュール名から拡張子(.rar)を除いた文字列」
例
sampleRar.rarをsampleEar.earに含めて配備した場合(アプリケーション名はデフォルト値を使用)
リソースアダプタ名:sampleEar#sampleRar
スレッドプールのための識別子です。WorkManagerが利用するスレッドプールをユーザが指定する場合に使用します。指定しなかった場合は、デフォルトのスレッドプールが使用されます。詳細は、「3.16.6 スレッドプールを利用したWorkの実行」を参照してください。
リソースアダプタの定義情報の作成方法
以下のように単体配備とearモジュールに含めて配備する場合で指定方法が異なります。
単体配備の場合:
Interstage Java EE管理コンソールを使用して配備する場合、配備時または配備後の編集画面で作成することができます。asadminコマンドを使用して配備した場合、create-resource-adapter-configサブコマンドで作成します。
earモジュールに含めて配備する場合:
配備後にasadminコマンドのcreate-resource-adapter-configサブコマンドで作成可能です。
作成したリソースアダプタの定義情報を更新するには、asadminコマンドのsetサブコマンドを使用します。リソースアダプタの定義情報を更新した場合は、更新後の定義情報を有効にするために、コネクタモジュールが配備されたIJServerクラスタ、またはInterstage Java EE DASサービスを再起動してください。
コネクタ接続プールの作成
以下の情報を指定して作成します。
プール名
配備されたコネクタモジュールのリソースアダプタ名
接続定義名(ConnectionFactoryのインタフェース名)
追加のプロパティ
コネクタリソースの作成
以下の情報を指定して作成します。
ConnectionFactoryをJNDIでlookupするためのJNDI名
作成したコネクタ接続プールのプール名
コネクタリソースを参照可能にするIJServerクラスタ名
管理オブジェクトリソースの作成
以下の情報を指定して作成します。
管理対象オブジェクトをJNDIでlookupするためのJNDI名
配備されたコネクタモジュールのリソースアダプタ名
リソースタイプ(管理対象オブジェクトのインタフェース名)
管理オブジェクトリソースを参照可能にするIJServerクラスタ名
追加のプロパティ
コネクタの環境設定
ネイティブライブラリを使用したコネクタを運用する場合は、「3.19.6 クラスローダ使用時の注意事項」の「コネクタを使用する際の注意事項」を参照して環境設定を行います。
注意
組み込みのリソースアダプタについて
Interstage Java EEには組み込みのリソースアダプタが用意されています。
jmsra
jmsraはJMSのための組み込みのリソースアダプタです。JMSリソースを作成すると、対応したコネクタ接続プール/コネクタリソース/管理オブジェクトリソースが自動的に作成されます。
jaxr-ra, __ds, __cp, __xa
jaxr-ra, __ds, __cp, __xaは、システム内部で使用される組み込みのリソースアダプタです。配備時のリソースアダプタ名に、組み込みのリソースアダプタの名前を指定しないでください。また、リソース作成時のリソースアダプタ名に、jmsraを除いた組み込みのリソースアダプタの名前を指定しないでください。指定した場合は、動作保証されません。
注意
Java EE Connector Architecture1.0規約のリソースアダプタとして動作する条件
XML Schemaに対応したra.xmlが以下のすべての条件を満たす場合に、Java EE Connector Architecture1.0規約に準拠したリソースアダプタとして動作します。以下の条件を1つでも満たさない場合は、Java EE Connector Architecture1.5規約に準拠したリソースアダプタとして認識されます。
リソースアダプタクラスの定義がない
<connector><resourceadapter><resourceadapter-class>タグが存在しない、またはタグの値が空文字列
インバウンド・リソースアダプタの定義がない
<connector><resourceadapter><inbound-resourceadapter>タグが存在しない
管理対象オブジェクトの定義がない
<connector><resourceadapter><adminobject>タグが存在しない
アウトバウンド・リソースアダプタの接続定義が1つだけ指定されている
<connector><resourceadapter><outbound-resourceadapter><connection-definition>タグが1つだけ存在する