ここではWebサーバコネクタの運用方法について、WebサーバとIJServerクラスタを同じマシン(同一筐体)で運用する場合と、別マシン(別筐体)で運用する場合のそれぞれについて説明します。
WebサーバとIJServerクラスタを同じマシンで運用する場合は、以下の手順で環境設定します。
WebサーバとIJServerクラスタの連携設定の詳細は、asadminコマンドの「11.1.9 Webサーバコネクタ」を参照してください。
Webサーバの作成
Interstage管理コンソールまたはihscreateコマンドでWebサーバを作成します。
IJServerクラスタの作成
Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのcreate-clusterサブコマンド、create-instanceサブコマンドでIJServerクラスタおよびサーバーインスタンスを作成します。
IJServerクラスタへのアプリケーションの配備
Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのdeployサブコマンドでアプリケーションを配備します。
IJServerクラスタの起動
Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのstart-clusterサブコマンドでIJServerクラスタを起動します。
Webサーバの起動
Interstage管理コンソールまたはihsstartコマンドでWebサーバを作成します。
アプリケーションの実行
Webブラウザなどからアプリケーションを実行します。
ポイント
WebサーバとIJServerクラスタは、以下の場合に自動的に連携するよう設定されます。
IJServerクラスタを作成時にサーバーインスタンスを1つ以上作成した場合で、同じマシン内に1つだけWebサーバが存在する場合
サーバーインスタンスが作成されていないIJServerクラスタに対してサーバーインスタンスを作成した時に、同じマシン内に1つだけWebサーバが存在する場合
WebサーバとIJServerクラスタは、以下の場合に自動的に連携が解除されます。
IJServerクラスタ削除時
IJServerクラスタからすべてのサーバーインスタンスを削除した時
注意
Interstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドで「Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する」の設定を「運用しない」に設定した場合、IJServerクラスタへの接続先情報がInterstage管理コンソールのWebサーバコネクタ環境設定画面に表示されますが、これらの設定をInterstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドから更新、削除することはできません。
Interstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドでIJServerクラスタへの接続先情報を作成しないでください。作成した場合は、IJServerクラスタの環境設定とWebサーバコネクタの環境設定の不整合が発生し、アプリケーションの動作異常を引き起こす場合があります。
この場合はInterstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドで作成したIJServerクラスタへの接続先情報を削除して、Interstage Java EE管理コンソールまたはasadminコマンドを使用して連携するWebサーバを設定してください。
WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用する場合は、システムの環境設定の「Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する」を「運用しない」に設定したうえで、WebサーバコネクタとIJServerクラスタの設定をそれぞれのマシンで行います。
具体的な運用方法は、「J2EE ユーザーズガイド」の「IJServerとWebサーバを分離して運用する場合」を参照してください。
以下にIJServerクラスタとWebサーバを別のマシンで連携させる場合の代表的な例を示します。
Webサーバの作成
Interstage管理コンソールまたはihscreateコマンドでWebサーバを作成します。
IJServerクラスタおよびサーバーインスタンスの作成
Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのcreate-clusterサブコマンド、create-instanceサブコマンドでIJServerクラスタおよびサーバーインスタンスを作成します。
IJServerクラスタへのアプリケーションの配備
Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのdeployサブコマンドでアプリケーションを配備します。
Webサーバコネクタの接続先情報の作成
Webサーバを運用するマシンでInterstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドでWebサーバコネクタの接続先情報を作成します。
接続先情報の設定項目には手順2、3.で作成、配備したIJServerクラスタの情報を指定します。
IJServerクラスタのポート番号は、以下の定義項目から確認します。
${instanceName}.system-property.HTTP_LISTENER_PORT
${clusterName}.system-property.HTTP_LISTENER_PORT
設定名.system-property.HTTP_LISTENER_PORT
定義項目が設定されていない場合や重複して設定されている場合は、サーバーインスタンス>IJServerクラスタ>設定の優先順位でIJServerクラスタが実際に使用するポート番号が決まります。
IJServerクラスタの起動
Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのstart-clusterサブコマンドでIJServerクラスタを起動します。
Webサーバの起動
Interstage管理コンソールまたはihsstartコマンドでWebサーバを起動します。
アプリケーションの実行
Webブラウザなどからアプリケーションを実行します。
Webサーバコネクタのログ設定は、Interstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドで行います。詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプおよび「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
IJServer(J2EE)とIJServerクラスタは同じWebサーバに対して連携させることが可能です。
ここでは、IJServer(J2EE)とIJServerクラスタの共存している場合の留意事項を説明します。
IJServer(J2EE)とIJServerクラスタで名前が重複している場合
WebサーバとIJServerクラスタを同じマシンで運用している場合は名前が重複しているIJServerクラスタを同じWebサーバと連携させることはできません。
WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用している場合は、Webサーバコネクタの接続先情報を作成する時に、IJServer(J2EE)とIJServerクラスタを別の名前に設定することで、名前が重複しているIJServerクラスタを同じWebサーバと連携させることができます。
マシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > 「Webサーバ名」 > [Webサーバコネクタ] > [新規作成]タブを選択し、IJServer(J2EE)への接続先情報を作成します。
項目名 | 設定値例 |
---|---|
ワークユニット名 | MyIJServer |
ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号 | 172.16.30.2:9000 |
マシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > 「Webサーバ名」 > [Webサーバコネクタ] > [新規作成]タブを選択し、IJServerクラスタへの接続先情報を作成します。
項目名 | 設定値例 |
---|---|
ワークユニット名 | MyIJServer_2 |
ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号 | 172.16.30.2:9001 |
isinitコマンドの-fオプション指定時の初期化対象について
isinitコマンドに-fオプションを指定して実行するとWebサーバコネクタの環境設定も初期化されます。この時、IJServer(J2EE)への接続情報とIJServerクラスタへの接続情報の両方が初期化されますがIJServerクラスタは削除されません。
このため、IJServerクラスタが存在していてもIJServerクラスタにリクエストが振り分けられなくなります。
ここでは、システム環境設定の「Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する」の設定を「運用しない」から「運用する」に設定変更する時の留意事項を説明します。
Webサーバコネクタの環境設定画面で設定した、別のマシンのIJServerクラスタへの接続情報は削除されます。
以下のように、Webサーバが1つだけ存在するマシン内に同じ名前のIJServer(J2EE)とIJServerクラスタが存在し、IJServerクラスタが同じマシンのWebサーバと連携している場合は、「運用しない」から「運用する」に設定変更をするとエラーとなり操作が失敗します。
この場合はIJServer(J2EE)を削除するか、IJServerクラスタとWebサーバの連携を解除してから「運用する」に設定変更してください。