HTTPトンネリングを使用する場合は、クライアントアプリケーションで呼び出しているCORBA_ORB_init関数に下表に示すパラメタを指定します。
アプリケーション起動時に、パラメタとして指定します。
ただし、アプリケーション側では起動時のパラメタをCORBA_ORB_init関数に渡す作りになっている必要があります。mainの引数をCORBA_ORB_init関数にそのまま渡しているアプリケーションの場合は問題ありませんが、そうでないアプリケーションの場合はアプリケーションロジックを修正してCORBA_ORB_init関数にHTTPトンネリング用のパラメタを渡す必要があります。
HTMLファイルで<param>タグを使用して、アプレット起動時のパラメタを指定します。
HTTPトンネリングのパラメタ
パラメタ名 | 意味 |
-ORB_FJ_HTTP | HTTPトンネリングを使用する/しないを設定します。
yes : HTTPトンネリングを使用する。(注1)
省略された場合、またはyes(大文字小文字は意識しない)以外の値が設定された場合は、HTTPトンネリングを使用しません。 |
-ORB_FJ_SSL | HTTPトンネリング使用時に、SSL通信を行う/行わないを設定します。 yes : SSL通信を行う。 アプレットのダウンロードでHTTPSが使用されず、パラメタが省略された場合、またはyes(大文字小文字は意識しない)以外の値が設定された場合は、SSL通信を行いません。 アプレットのダウンロードでHTTPSを使用した場合は、パラメタの有無および設定内容にかかわらず、SSL通信を行います。 |
-ORB_FJ_HTTPGW | HTTPトンネリングを処理するゲートウェイを指定します。省略時は、HTTPトンネリングを使用しません。(注2) (2) Internet Information Servicesの場合 |
yesを指定した場合、CORBA_ORB_init()にパラメタで通知されたargc,argvの値を設定するとHTTPトンネリング機能が有効になります。
“-ORB_FJ_HTTPGW”に渡す引数として、指定可能なホスト名の形式を以下に示します。
(1) Interstage HTTP Serverの場合
http://ホスト名・IPv4アドレス/URL名 |
(2) Internet Information Servicesの場合
http://ホスト名・IPv4アドレス/cgi識別名/ゲートウェイ名 |
IPv6形式のアドレスを使用する場合は、大カッコ(“[” と “]”)で囲む必要があります。
なお、IPv6環境ではSSL機能が使用できないため、“https”は指定できません。
アプリケーションタイプ別のパラメタ指定方法を説明します。
HTTPトンネリング固有の注意事項以外については、使用するクライアントランタイム(プレインストール型クライアントおよびPortable-ORB)の制限事項ならびに注意事項が適用されます。
Javaアプレット以外のアプリケーションの場合
クライアントアプリケーション(sample_c)を起動する場合、パラメタを以下のように指定します。
(1) Interstage HTTP Serverの場合
sample_c -ORB_FJ_HTTP yes -ORB_FJ_SSL yes |
(2) Internet Information Servicesの場合
sample_c -ORB_FJ_HTTP yes -ORB_FJ_SSL yes |
クライアントアプリケーションでは、富士通拡張インタフェースのCORBA_ORB_net_disconnect()を使用し、使用した通信資源を解放してください。なお、SolarisシステムまたはLinuxシステムでWebサーバがInterstage HTTP Serverの場合は不要です。
SolarisシステムまたはLinuxシステムでWebサーバがInterstage HTTP Serverの場合は、通信ごとにサーバとのコネクションを解放するため対処不要ですが、それ以外の場合、クライアントアプリケーションは、アプリケーション終了時にサーバとの通信資源が自動的に解放されません。このため、通信資源の解放を行わない場合、クライアントアプリケーションの起動/終了を繰り返すと、サーバ側でconfigファイルのmax_IIOP_resp_conの値に設定されたコネクションの数が不足し、COMM_FAILURE例外が通知されることがあります。
HTTPトンネリングに使用できるアプリケーション種別はC,C++,Java,COBOL,OOCOBOLで作成されたクライアントアプリケーションです。 OLE-CORBAゲートウェイからは使用できません。
Javaアプレットの場合
Javaアプレットを使用する場合のHTMLの記述例を以下に示します。
なお、HTMLにパラメタを記述する場合、パラメタ名のハイフン(“-”)は指定しません。
(1) Interstage HTTP Serverの場合
<HTML> |
(2) Internet Information Servicesの場合
<HTML> |
Javaアプレットを使用する場合のHTMLファイルの記述方法については、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(Java言語)”を参照してください。