HTTPトンネリングは、CORBAアプリケーションにおける通常のIIOPプロトコルでのデータ通信をHTTPデータに変換することで、HTTPプロトコルでのデータ通信ができるようになります。ファイアウォールを越えるクライアント・サーバ連携を行いたいときに有効な機能です。
さらに、HTTPトンネリングでSSLを使用することで、HTTPSプロトコルでのデータ通信が可能になり、さらに安全なクライアント・サーバ連携を実現できます。
HTTPトンネリングのしくみ
HTTPトンネリングのしくみを以下に示します。
クライアント側では、クライアントからサーバへのリクエスト送信において、クライアントアプリケーションの起動時にHTTPトンネリングの使用を指定することで、リクエストがHTTPデータで送信されます。
サーバ側には、HTTPデータを受け取るためのWebサーバと、HTTPデータをIIOPデータに変換するためのHTTPゲートウェイ環境を構築する必要があります。
サーバに送信されたリクエストは、WebサーバとHTTPゲートウェイ環境を経由することで、HTTPデータからIIOPデータに変換されます。サーバアプリケーション(CORBAアプリケーション)は、IIOPデータでリクエストを受けることができます。
HTTPトンネリングの処理イメージを以下に示します。
CORBAアプリケーションの開発
CORBAアプリケーションでHTTPトンネリングを使用する場合、通常のCORBAアプリケーションをそのまま使用することができます。HTTPトンネリングを使用するために、アプリケーションの再作成(再リンケージを含む)は必要ありません。
HTTPトンネリング環境の構築(HTTPゲートウェイ環境の構築)
CORBAアプリケーションでHTTPによるデータ通信を行うには、WebサーバにHTTPゲートウェイ環境を構築する必要があります。
HTTPゲートウェイ環境では、以下のWebサーバと連携できます。
Interstage HTTP Server
Internet Information Services
HTTPゲートウェイ環境の構築については、“8.2 HTTPトンネリングの環境設定”を参照してください。
HTTPトンネリングの運用
HTTPトンネリングを使用する場合、クライアントアプリケーションの起動時に、HTTPトンネリング使用、およびHTTPゲートウェイを指定するパラメタを指定します。
これにより、クライアント・サーバ間のCORBAアプリケーションでHTTPによるデータ通信が行われます。
起動パラメタについては、“8.2.3 HTTPトンネリングの起動方法”を参照してください。